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今回紹介いたしますのはこちら。

「ふたりモノローグ」第2巻 ツナミノユウ先生 

Cygamesさんのサイコミックスより刊行です。


さて、小学校時代「一生親友」だと約束したものの、そのあといろいろあって疎遠になってしまったひなたとみかげ。
みかげはすっかりイメチェンしてクールなギャルになっていたのですが、実はそれ、すべてひなたにカッコいいと思ってもらうためのイメチェンでした!
ひなたが好きすぎるみかげはそのことを言い出せずずっとひなたを見ていただけだったのですが、あるとき突然ひなたがみかげを小学生の時に友達だったみかげだと気が付き、改めて友達関係に!
今日も今日とて、みかげはひなたに対する常軌を逸したLoveを抑えながら友達生活を謳歌するのでした。



ある日のことです。
みかげの友人で、最近はひなたとも仲良くなった洸が声をかけてきました。
なんでもひなたにプレゼントがあるとのことで、差し出してきたのは一つの缶バッジ。
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ドット絵調のイラストとともに「ぎょるい」と描かれた独特のアイテムでしたが、ひなたはお気に召した様子。
ですが突然そんなものをもらっていいのかと言う遠慮もありまして。
事情を聞いてみると、洸はバッジを集める趣味があるとのことで、それがみんなに伝わり、後輩がいろいろなバッジをくれるようになったのはいいものの、集まり過ぎてカバンにつけるところがなくなってしまったのだとか。
つけてあげよう、とぎょるいバッジをひなたのカバンにつけようとするのですが……
そこで、ひそかになんだかショックそうな表情を浮かべていたみかげが口をはさんできました。
ちょっといい?
それってさ、その後輩が洸のためにプレゼントしてくれたんでしょ?
それを他の人にあげちゃうのかわいそうじゃね?
もしひなたちゃんが付けてるのその子が見たら傷つくと思うよ?
……確かに、全くもってその通り。
それもそうか、と洸もひなたも納得し、バッジは元通り洸に返されることに。
ひなたは、やっぱりみかげは気遣いが深い、私ははしゃぐだけで後輩ちゃんの気持ちを考えもしなかった、とみかげに対する好感度をアップさせるのでした。
……が。
みかげの心中はもっと闇深きものだったりします。
洸、お前マジか!
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渡そうとしてたのに、ペアのバッジを!
そろそろペアグッズあげてもキモくないかなって、満を持して……その矢先!
何なんだそのミラクルパワー!!?
……そう、みかげもこの日、たまたまペアのバッジをひなたに渡そうとしていたのです!!
このミラクルによって、みかげの持ってきたバッジは渡しづらくなってしまいました。
洸のバッジを変えさせておいて、はいペアのバッジ、と言うのはさすがに……
じゃあそもそもバッジを変えさせなければよかったのではないかと言う話もありますが……そこも複雑な感情が渦巻いておりまして……バッジを上げる、と言う行為の先を越されるのもいやだったのです。
バッジを上げると言う行為の先を越された時点で自分は負けている、もう嫌だ、世界は闇に包まれた……
いつもの勝手思い込みで勝手に落ち込み始めるみかげ。
ですがすぐに、世界に光をもたらすひなたのお誘いがかかりました。
放課後、ショッピングモールに付き合ってほしい、と言う声がかかったのです!!

ああ、なんと言うことでしょうか。
ひなたがやって来たのは、バッジ売り場でした。
ひなたは、洸のように積極的に、みかげのように友達を信じて……と勇気を振り絞り、みかげにこう伝えてきたのです!
私のリュック何もなくて寂しいかなって、今朝のことでバッジもいいかなって。
それで、せっかくだからみかげちゃんとおそろいのが欲しいなって……!!
またもやって来たミラクル。
しかも今回は、みかげに完全なる幸福をもたらすミラクルです!!
みかげの全身は得も言われぬ嬉しみに包み込まれ、ばらばらに砕け散りそうなほどの衝撃を加えてきます!!
その衝撃を取り繕いながら、ひなたちゃん選んで、最高の、と返しました。
それは、ひなたちゃんが選んでくれたのなら、それが最高のだから、と言う想いから来た断片の言葉だったのですが、いつもの感じでちょっと怖い顔で変な感じの返答をしてしまったのです。
謎のプレッシャーに苛まれながら、ひなたは必死に自分に合わせようとせず、みかげに似合うものにしよう、と考え……相当の蛇が絡み合って見つめ合う感じの、中学生男子は何か好きそうなものをチョイス。
みかげからすればもう何でもいいのですが、その柄を見てこんな風にもつれ合いたいってこと!?と妄想をはかどらせるのでした!!

が、その後事件が起こってしまいました。
なんとひなたが選んだのは……バッジではなく、ワッペンだったのです!!
間違えた、ごめんみかげちゃん、ほんとダメだぁ……と落ち込んでしまうひなた。
ですがそこで、みかげはひなたに、リュック貸して、付けたげる、というではありませんか。
ワッペンをどうやってつけるのかと戸惑うひなたですが、みかげはひなたのリュックを借りて……
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あのペアバッジをつけた上げたのです!!
あれ、どうして!?と驚きながらも喜んでくれているひなた。
……みかげ、今回は珍しく完璧な対応をできたようです!!
決まった、今のは決まった!!と心の中で会心の手ごたえを感じながら、何事もなかったかのように二人でおうちに帰るのでした。

……ちなみに翌日、洸が後輩からもらったモノじゃなくて、自分のバッジを上げればいいんだよね、とものすごくでっかいバッジをひなたのリュックにつけてくれ……
ペアバッジの存在感が薄れてしまう、とイウオチが付くのでしたとさ。


というわけで、ひなたとみかげの仲良しな毎日が描かれていく本作。
なんだかんだと二人、だんだんとちゃんとした友達関係を築いていけているようで何よりです!!
……まあ、みかげのアレな思い込みはどんどん加速してしまっているような気もしますが……
紹介したエピソードの他にも、マラソン大会での出来事や、どこかの飼い犬らしき迷い犬を見つけてしまったお話、清掃活動にいそしむエピソードなどなど楽しいイベントが盛りだくさん!
中でも夏服への模様替えのエピソードは、夏服に衣替えしただけなのにとんでもない勢いで暴走する、いつにもましてものすごいみかげの姿が見られる必見のエピソードとなっております!!

そしてメインの二人以外のキャラクターも大活躍。
ひなたとみかげの関係をものすごく歪んだ視線で眺め、一人悦に入りまくる由依の暴走も一層エスカレート。
ツナミノ先生作品に欠かせない(?)セルフ暴走は今回もさえわたっております!!
いつもジャージの熱血数学教師、薬袋先生も要所要所で存在感を放ちますし、さらにみかげ関連の新キャラクターも登場!
まずますにぎやかになっていく本作のこれからがより楽しみになっていきますね!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!