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今回紹介いたしますのはこちら。

「蛍火の灯る頃に」第3巻 原作・竜騎士07先生 作画・小池ノクト先生 

双葉社さんのアクションコミックスより刊行です。


さて、霧と襲い来る死人と巨人から逃れ、辛くも魔よけのある家に逃げ込むことのできた幸人たち。
その家には誰かが幸人たちと同じように誰かが立て籠もっていたような跡が残っていたのですが、そこにはまだ缶詰などの食料も残されていまして、ここで何かがあった、と言うことを如実に表していました。
ですがそれよりも、異常なものを見つけてしまいます。
床下収納のようなスペースに、全裸で縛られた状態で押し込められていた一人の少女……!
しかもその少女は、まだ生きていたのです!!



一体この家で何があったのでしょうか。
食糧を残したままいなくなった前の避難者。
そして……監禁されていた少女……
その少女はよっぽどのことがあったのか、何を話しかけてもほとんど反応を見せず、その目は虚ろに宙を見つめるだけなのです。
ですが、ここで何があったのかを知るための手がかりを月が見つけていました。
一冊のノート。
それはどうやら、ここで避難生活をしていた人が記した日記のようです。
中を読み進めてみれば、幸人たちの身に起きたこととほとんど変わらない恐怖を体験していたらしい前の住人。
幸人たちのようにお守りの存在を知っていてこの家に逃げこんだ、かと言えばそうではなく、前の避難者は宗教に熱心だったようで、神のご加護だ、と考えていたようです。
何か自分たちに有益になることはかかれていないかと読み進めていきますと、木になる記述をj見つけました。
「ずっと寝込んでいた美代子さんが大量に吐いた。」
「口にしたものだけでなく、泥のようなものを。」
「顔も青ざめ寒気を訴える、もう長くはないかもしれない。」
……どうしてもその記述は、ずっと寝込んでいる正志たちもそうなってしまうのではないか、と言う不安を想起させます。
ですが、そのミヨコさんと言う人物が、この監禁されていた少女だとしたら?
回復したのかもしれない、と希望を募らせる一同ですが、日記の中にはミヨコさんという名前の他、チハルと言う女性の名前も見受けられます。
試しに少女に、チハルちゃん、と呼びかけてみますと……ほんのわずかながら、反応が見えました。
どうやら彼女はチハルと呼ばれる少女のようです。
ここで何があったのかは、彼女の回復を待って聞きだすとして……とにかく今は、日記を最後まで読んでみることに専念することになりました。
すると日記には、一枚の紙片が挟まっていました。
それはどうやら、この近所の地図のようで。
道と家の位置がわかりやすく書かれていて、近くに井戸があることもわかりました。
さらに、家につけられている×印が特に有益な情報となりそうです。
おそらくこの印は、「探索済み」のマーク。
安全な時間に食料を探したのでしょう、その結果ここまで缶詰なんかを備蓄できたと言うことのようです。
これを信じると周囲にはもう食料はなさそうですが……それでもこの家にある分で10日分くらいの食事はありそうですし、何より近くに井戸があるというのが大きいところ。
水があれば食糧探索だけに時間を割けますし、もうすでに食料がない家を知っていれば、多少遠くても効率よく探索できるというものです。
ほんの幽かな希望が見えてきた一同ですが、日記の最後の記述を見て再び血の気が引くこととなります。
ノート2ページにわたって書かれた、
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神様お許しください、と言う文章……
その記述を最後に、日記は終わっていたのです。

夜、床に就いて輝也はこんなことを言いだしました。
ここが仏教でいう地獄だとしたら、俺達は落ちて当然なんだ。
仏教の地獄には、すごく些細なことで落ちてしまう。
殺生、仏教に沿わない生き方、嘘をつく……
現代人なら避けられないごく自然なことで落ちてしまい、そして……出られない。
それだけ言って、もう口を閉ざしてしまった輝也。
ですが、幸人はどうしても納得がいかず、ぐるぐると頭の中で考えが渦巻くのです。
現代人なら落ちて当然と言うなら、もっと人間だらけになってるはずだし、仏教徒じゃない人間までおとすってどういうことなんだ。
……百歩譲ってそんな世界があるとすれば、落ちたのは多分俺のせいで、皆を巻き込んだんだろう。
なら、俺がやらなきゃならないのは一つ。
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最悪月だけでも、何とかして輝也や輝美、父たちをこのふざけた世界から脱出させる!
その為なら、なんだってやってやる!

静かな決意をした幸人は、輝也と二人安全な時間、禍時に探索に出かけました。
が、そこでとんでもないものを見つけてしまうのです!!
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まだそう古くない、食い散らかされたかのような無惨な姿となった、複数の人間の死体を……!!
まさかこれは……食料を残してあの家から出ていった人々の……なれの、果て……!?



と言うわけで、新たな展開を迎えることとなる本作。
無残に殺された前の避難者は、何者によってこのような無惨な躯となってしまったのでしょうか。
そしてなぜ、チハルを監禁したまま出ていったのでしょうか……?
謎は深まるばかりですが、その謎はほどなくして明かされることとなります。
それも、予想を超えるはるかに恐ろしい真実とともに……!!

この後もさらに恐怖と絶望が加速していきます。
またも出てしまう犠牲者、思いもよらない場所から襲ってくる脅威……!
どんどんと事態が悪化していく中で、一同に希望は見えるのでしょうか?
小池先生お得意(?)の、おぞましい描写もさえわたり、絶望感は一層増幅!!
逃げ場のない恐怖とともに、徐々に明かされていく謎にも注目ですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!