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今回紹介いたしますのはこちら。

「じけんじゃけん!」第2巻 安田剛助先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。


さて、学園一の高嶺の花にして、ミステリ大好きっ子の百合子先輩と、彼女に惹かれる戸入、戸入に思いを寄せるひまわり、そして百合子の親戚のアイリスからなるミステリ研究会の日常を描いていく本作。
百合子に振り回されながらも、なんだかんだと幸せそうな戸入ですが、今巻では……?



狭いロッカーの中に、男女が二人押し込まれるように入っておりました。
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その二人は、戸入とひまわり。
漫画でもなければ男女2人がこの狭い空間に押し込められてしまうシチュエーションなんてそうそうないはずですが……
一体この二人に何があったのでしょうか?
ほんの少し時をさかのぼって、ここに至るまでのあらましを見てみましょう。

脱出ゲーム、ですか?
戸入は、百合子先輩にそうたずねました。
百合子先輩はそうよと頷き、教室の隅においてあるロッカーを指します。
密室空間に閉じ込められた状況から、ちりばめられたヒントを手掛かりに脱出するという謎解きゲーム野なんじゃけどね、と脱出ゲームのことを知らない人に向けての説明をしたゆりこせ、んその後にとんでもない一言をつけ足してきました。
作ってみたんよ、ロッカーを改造して。
……普通脱出ゲームというものは、「部屋」が舞台になるもの。
そこを突っ込みたいところですが、そのあたりの意見は百合子先輩、完全シャットアウト。
部屋で脱出ゲームを作るってことは大変なことよ、それはもう業者レベルのやつじゃけん、と取り付く島もありません。
文句を言ってないで入れとぐいぐいロッカーに押し込もうとする百合子先輩に、戸入は降参したら出してくださいよ?と言質を取ろうとするのです。
装甲やっておりますと、ひまわりがやってまいりました。
二人が奇妙なことをしているのはまぁいつもの事ですから、怪訝な瞳で見るだけで軽くあいさつをするひまわりなのですが、百合子先輩からすれば新たな標的に他なりません。
脱出ゲームって知ってるか、と尋ねれば、ひまわりはケータイのゲームによくある奴ならたまにやる、結構得意だと答えまして……
それを聞けば、百合う子先輩が黙っていられるはずもありません!
狭いロッカーの脱出ゲームに、二人丸ごと放り込まれるのでした!!

その身長差が功を奏したのか、災いしたのか。
戸入が視線を下にやりますと、セーラー服の隙間からひまわりの胸の谷間が見えてしまいます。
いくら百合子先輩に首ったけと言えど、戸入も健康な男子高校生。
テレは隠し切れず、さっと視線をそらします。
その様子を見たひまわり……もしかして、自分が汗臭いのではないだろうかと不安になってしまいました。
衣替えの移行期間だから冬服にしたけど、まだ暑いから汗ばんでいた。
もしかしたら、今日の自分は汗臭いかもしれない!
戸入りがずっと顔をそむけているのも、それが原因なのではないだろうか?
考えれば考えるほど不安になり、ひまわりは早くここを出ようと強請るのです。
ロッカーを見回すと、ひまわりの背中側の壁に何かヒントらしきものが書いてあることに気づいた戸入。
それを見るために顔を寄せますと、自然と戸入の顔とひまわりの顔が接近して!?
体育の後もっと制汗剤を使っておけばよかった、と苦悩する彼女ですが……
二人の体が触れあってしまい、思わず身をすくめてしまいました!
五面と謝る戸入に、こっちこそゴメンと謝り返すひまわり。
ですが返ってくるのは何のことだとばかりのリアクションでして、ここでようやくひまわりは自分が臭いのではなかったのか、と戸入に尋ねることができたのです。
それが誤解であることはすぐ分かったのですが、だったらなぜ顔を背けるのでしょうか。
口ごもる戸入の態度を見て……ひまわりは思わず笑顔になってしまいます!
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百合子先輩以外には興味がないと思っていた戸入ですが、なんだかんだ言って自分とのスキンシップに照れていることは明白。
もしかして、まだ自分にもチャンスがあるんじゃないか!?
胸をときめかせつつ、ひまわりはここだとばかりに戸入に語りかけるのです!
あの、戸入、ウチ……
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と、そこであんたら真面目に脱出ゲームしんさい!と言う声とともに、ロッカーの扉が外から開かれました。
あからさまに機嫌の悪そうな顔をした百合子先輩が、一向に進む気配のない脱出にしびれを切らしたようです。
が、その顔は眉間にしわを寄せているだけでなく、なんだか頬が赤くなっているようで、ただしびれを切らしたという感じではなく……?
三人の想いはともかくとしまして……とりあえず、脱出は成功したようです……!



というわけで、ひまわりが主役と言っていいエピソードを収録した今巻。
幼馴染でありながら、最初は女子とすら認識されていなかった彼女も、戸入に多少なりとも意識されるまでになるとは……感慨深い(?)ものです!
百合子先輩もなんだかんだと戸入のことがまんざらでもないようですから、ラブがコメる可能性もじわじわ強まってきたような……?
三人の関係性にこれからも注目が必要のようですね!!

そんなラブコメ要素だけでなく、もちろんいつもの緩い日常もたっぷり楽しめます。
今巻では百合子の授業風景に迫ったり、アイリスの日常や百合子との関係に迫ったり、戸入の過去の暗い思いでが描かれたりと、キャラクターの掘り下げがされるお話も用意されているのが見どころと言えましょう!
少数精鋭(?)の本作、各キャラの様々な面が垣間見えていくにつれ、より一層そのキャラクターに思い入れが増して楽しみも増すのは必然!!
彼女たちの一喜一憂をこれからも見守っていきましょう!!

さらに今巻では、今まで満足に出番のなかった百合子の双子の妹、野薔薇も本格参戦!
基本的には物静かな百合子とは違い、アクティブで大胆な服や行動もしてしまう野薔薇がいったいどんな騒動を巻き起こすのか!?
こちらも見逃せませんよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!