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今回紹介いたしますのはこちら。

「男塾外伝 大豪院邪鬼」第3巻 原案・宮下あきら先生 作画・柳田東一郎先生 

日本文芸社さんのニチブンコミックスより刊行です。


さて、剣崎との戦いを制し、男塾へと帰還した邪鬼。
その実力は完全に認められ、死天王達を従えて男塾の帝王の座につくことになるのですが、あくまで彼の目的は江田字も塾長に勝利すること。
邪気はいよいよ運命の戦いに挑もうとしたのですが……?



剣崎との戦いの傷も言えた頃、見計らったかのように現れた塾長。
姿を見せるなり、塾長はお山の大将になって気分はどうだ、と邪鬼に声をかけてきました。
突如姿を見せた塾長に驚く死天王や三人衆ですが、邪鬼はその言葉を一笑に付し、かもしれんなと漏らすのです。
そして塾長は、自らその言葉を発するのです。
傷が癒えたら手合わせをすると言ったな、と!
それこそ邪気が求めていたもの!
忘れたとは言わせん、約束通り戦ってもらうぞ、と殺気を漲らせる邪気ですが、塾長はそれはもう少し先のことになりそうだと言いだすではありませんか。
そして塾長は、邪鬼に一つの仕事を依頼するのです。
一人の男を倒してもらいたい。
その依頼、実は塾長から発信されたものではありません。
発信元は……なんと、日本政府だというのです!!

依頼の内容はこうです。
300年以上前に、極悪人ばかりを投獄するため極秘に作られた収容施設。
太平洋上にある、霧に覆われた離島に作られた脱獄不可能なその施設、その名も「亞流禍怒羅頭(アルカトラズ」!!
民明書房によればあの有名なアルカトラズ刑務所は、こっちを元ネタにしたとのことで、そこからもその収容所の恐ろしさがうかがい知れるというもの。
だというのに、数か月前に突然アルカトラズに一人の男が降り立ち、瞬く間に島全体を征服してしまったというのです!
200名ほどの刑務官が人質に取られてしまい、日本政府はもはや言いなり同然に。
さらにその男は、政府に自分の要求をのまなければ本土に攻め込むとまで言ったのだとか。
救助を向かわせても、神隠しにあったかのように忽然と消えてしまい……
為す術をなくした日本政府は、やむなく男塾に依頼をしたということなのです。

事情は分かりました。
ですが疑問なのは、なぜ邪気に白羽の矢が立ったのか、と言うところです。
もちろんそれには理由があります。
塾長から語られたその理由は、流石の邪鬼も他生ではありますが驚いた模様。
なんと、そのアルカトラズ襲撃の男が日本政府に、受け入れなければ攻め込むとまで言った要求が……邪鬼だというのでした!!
島を制圧した男は、邪鬼に恨みを持つ男……!?
それを聞いて、邪鬼はにやりと笑います。
良いだろう,退屈しのぎにはちょうどいい!
邪気は死天王を伴い、早速教官たちに運転させたヘリでアルカトラズに向かうのでした!!

やがて目の前に現れた、アルカトラズ。
それを発見した飛行帽は、思わず絶叫してしまいました。
それもそのはず、見つけたアルカトラズは
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まるで空に浮かぶ入道雲のような異様な風貌をしているのですから!!
しかもそのアルカトラズを覆う霧は、ただの霧ではありません。
唯一の入り口と思われる穴が一か所に空いているのですが、その穴の中ですら激しい熱雷が渦巻いていて……!!
これでは戦艦だろうと戦闘機だろうと、中に入った瞬間爆発してしまうことでしょう。
ましてや人間が中に入れば……!!
辞めたほうがいいのではないかと進言する羅刹ですが、邪鬼は面白いと笑います。
ここに飛び込めとは塾長らしい、とむしろ嬉しそうなくらいです!
ならばこれを、と影慶がパラシュートを差し出すのですが、邪鬼はそれすらも拒否!!
すぉんなものは何の助けにもならん、と言い放ったかと思うと……
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超高空から何一つ装備することなく、ヘリから飛び降りたのでした!!

雷雲の中、落下していく邪鬼。
邪気がまとわりつき、体を焦がさんとする熱雷を打ち払いながらアルカトラズへ向かっていたそのころ……
そのアルカトラズでは、奇妙な出来事が起こっていました。
いや、アルカトラズの中では奇妙ではないのでしょう。
なぜか収容所の中に建てられている、巨大な闘技場。
その闘技場の中で、囚人たちが殴り合いの戦いを行い、その戦いを大勢の観客の囚人たちが観戦していたのです!
そして……その真っただ中に
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邪気は降り立ったのです!!



というわけで、アルカトラズ編が幕を開ける本作。
謎の多いキャラが多い男塾シリーズですが、邪鬼もその例に漏れず謎の多い男。
そんな邪気が恨みを買う、それも巨大施設をたった一人で制圧できる実力者とはいったい何者なのでしょうか?
その謎の男は、このアルカトラズで準備万端で待ち構えています。
この後、その謎の男は邪鬼に次々と刺客を放ち、邪鬼はそれを迎え討ちながら謎の男のもとへ向かうこととなっていくのです!!
様々な武術を操る数々の刺客にたった一人で挑む邪鬼。
流石の邪鬼と言えど、いきなり見切ることは難しい男塾シリーズ名物初見殺し系武術が次々に襲い掛かってきては、簡単に倒していくことはできず……
果たして邪鬼は敵だらけのこの地で、最後に待ち構える謎の男までたどり着き、倒すことができるのでしょうか!?
激戦はまだ始まったばかりです!!

絵は丁寧で緻密に描かれている本作ですが、コピーが多かったりキャラデザインがこなれていなかったりするイメージもあったりします。
相変わらず会話などのシーンではコピーが目立ちますが、バトルシーンに入れば話は別!!
しっかりとド迫力のバトルが描かれまして、邪鬼得意の真空殲風掌もさえわたりまくりです!
男塾本編でも見せたあのシーンの再現などもあり、ファンを喜ばせてくれますよ!!
そしてキャラクターも男塾的なデザインに囚われない、柳田先生独自っぽいセンスのキャラクターも登場し始め、いよいよ本作らしさが色濃くなってきていい感じです!!
さらに神出鬼没のあの人まで出てきまして……オリジナルも、本編ファンへのサービスも充実!!
今まで以上にクオリティの上がり、今後がさらに楽しみになってきますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!