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今回紹介いたしますのはこちら。

「ももいろ討鬼伝 モモタロウくん」第4巻 鷹岬諒先生 

小学館さんのコロコロコミックスより刊行です。


さて、青鬼族との戦いもひと段落し、マロンとの関係も幾分平和な感じになることができた前巻。
この調子で行けば鬼族と人間たちが仲良くすることもできそう、と言う空気が漂うよってきたような……?
ところがそんな平和な日常をぶち壊す、とんでもない出来事が今巻で巻き起こってしまうのです!!



モモタロウは、ライチに頼まれてある遺跡の発掘調査に同行していました。
「鬼封じの穴」と呼ばれている、初代桃太郎ゆかりの洞窟だというその場所にはある伝説があるのです。
モモタロウ達が住む鬼ヶ島町は、昔話の鬼ヶ島があった場所につくられたのだと言います。
そして、初代桃太郎が鬼ヶ島の戦いで対峙した鬼を埋めた、と言うのが鬼封じの穴。
そんな穴が、町のあちこちに存在する……
ライチはその鬼封じの穴に何かを感じたようで、桃太郎とともに調査に来たわけですが……洞窟の中では、なんだか奇妙な鳴き声のようなものが聞こえてきて……不気味です。
まさか鬼のゾンビでもいるというのか、と警戒しながら進んでいきますと、一同は土の中に埋まっている木箱のようなものを見つけました。
ずいぶんと古そうなそれをとりあえず持ち帰ってみることにした一同ですが、その時外からものすごい音が聞こえたのです!!
慌てて外に出てみますと、洞窟の外がめちゃくちゃに壊されてしまっているではないですか!!
そんな荒れ果てた町の中に、一人立っている男がいます。
……この男が、町を破壊したのでしょうか……?
男は、誰だと尋ねてくるモモタロウに気が付き、ゆっくりと振り向きながらこう言うのです。
あいつと同じニオイがするな。
そうか、桃太郎の子孫だな。
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俺は黒鬼族のミント、たった今、千年の眠りから覚めたところさ。

ミントは、千年前の鬼ヶ島の戦いで桃太郎に敗れて封印された黒鬼の一人だと言います。
封印されたのちも、ずっと暗い闇の中で、封印の力が消え失せる日を待ってた、と。
目の前にいるこの鬼は……本物の、昔話で語られる鬼、と言うことのようです!!
復活して何をするつもりなんだと尋ねるモモタロウに、ミントは当然とばかりに答えます。
黒鬼族の支配する世界を作る!
人間どもは一匹残らず皆殺し!
他の鬼は奴隷にして死ぬまでこき使ってやる!!
そんなことを言われては、モモタロウはもちろんの事、魔美も黙ってはいられません!
早速きびだんごの力を丹田から取り出し、先手必勝とばかりにモモタロウ気功剣を発動!!
もう千万年眠ってろ!と切りかかります!
その攻撃はミントに直撃……したのですが!
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ミントは、あっさりと、しかも片手で気功剣を受け止めてしまうではありませんか!!
ずいぶんちっぽけな力だな、それでもモモタロウの子孫かよ。
顔色一つ変えず気功剣を受け止め、そのまま反撃を放つミント。
その攻撃はすさまじく、一撃で桃太郎は再起不能にされてしまうほどの威力を秘めています!!
いや、それどころかその一撃は、広範囲を一気に破壊する巨大な爆発を起こしたのでした!!
モモタロウ達はギリギリのところでそれを回避、難を逃れます。
このまま戦っても勝ち目はないでしょう。
やむなく一同はいったん撤退するのです。

モモタロウは落ち込んでいました。
ご先祖様が対峙した鬼から逃げるなんて、俺はモモタロウ失格だ……と。
ですが、ミントをはじめとする黒鬼たちが強敵だということは、そのご先祖様が黒鬼族を退治しきれず、封印を施すのがやっとだったということからもうかがい知れます。
かといって、このまま放っておくことはできませんし、無策で戦いを挑んで犬死にするわけにもいきません。
そこで思い立ったのが、あの鬼封じの穴で見つけた木箱です。
早速開いてみると……そこには、ご先祖様が使っていたものであろう、元祖きびだんごが入っていたのです!!
食べれば黒鬼族に対抗できるほどの力が手に入るかもしれない!と目を輝かせるモモタロウですが……
すぐに検査をしたら一から残念な知らせを聞くことになるのです。
千年間も黒鬼族の近くにおいてあったため、邪悪な気をたっぷり吸収して毒になってしまっている、食べれば死んでしまうだろう、と……
せっかく見つかったと思った逆転の手が潰されてしまったことに、再び落ち来んでしまうモモタロウ……
ですがそうしている間にも、ミントが町を破壊しているという知らせが舞い込んできて……
いくら勝ち目がないとわかっていても、もう黙ってはいられません!!
一同の声も聞かず、モモタロウは飛び出していくのでした!!

……しかし、やはり力の差は歴然。
モモタロウはミントに一方的にやられてしまいます。
しかもミントは完全にモモタロウをなめきっており、モモタロウがより苦しめるように手加減した攻撃を何度も何度も浴びせ、いたぶって楽しんでいて……
ようやく魔美たちがその場に追いついた時には、すでにモモタロウはボロボロ。
それでもモモタロウは、誰も来るな、これはモモタロウの戦いなんだ!!と闘志を燃やすのです!!
……こうなればもう、こいつにかけるしかない。
モモタロウはそう言いながら……あの、黒鬼族の邪気に毒されたきびだんごを取り出しました。
これを食べれば奇跡が起きるかもしれない。
もしもダメなら、俺は終わりさ。
でも、かけるしかないんだ!
今のままの俺じゃ、本当のモモタロウにはなれない!!
そう言ってきびだんごを飲み込むモモタロウ!!
たちどころにモモタロウは苦しみだし、地面に倒れこんでしまいました!!
目の前で桃太郎が倒れた姿を見せつけられた魔美泣きながらモモタロウに縋りつきます。
逆にミントは、勝手に毒だんごを食って死んだぜ、と高笑いをするのです……が!!
誰が死んだって?と、ミントに尋ねる声が。
ゆっくりと立ち上がってそう言ったのは……
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新たな力に目覚め、第34代、真・モモタロウとして覚醒したモモタロウだったのでした!!


というわけで、黒鬼族がよみがえってしまう今巻。
このミントの復活と、真・モモタロウの覚醒をきっかけとして、本作は最終シリーズへ突入!
この鬼ヶ島町に封印されていた黒鬼族が続々と復活し、さらにはその王まで……!?
頼みの綱である元祖きびだんごも全部で6つしかないわけで、毎回その力を借りていたはすぐに手詰まりになってしまうでしょう。
徐々に姿を現してくる黒鬼族の設定もさすが鷹岬先生と言える内容で、ご先祖様は弱い黒鬼から封印して数を減らす作戦をとった=登場する黒鬼が徐々に強くなっていく、と言う納得のもの!
だんだんと強くなっていく黒鬼、数の限られたきびだんご……
このピンチを、モモタロウ達はどう切り抜けていくのでしょうか!?
本作史上最大にして最後のシリーズで本作はクライマックスとなるのです!!

そしてそのあと、いよいよ物語は最終回に。
本作の肝は当然鬼たちのバトル……と言うよりも、いろいろな女の子とのラブコメ要素やエロス要素、でしょう!
ハーレムものとしての側面もある本あくですが、果たしてモモタロウは誰かを選ぶのか、それとも選ばないのか!?
最終回では思いもよらない事態が巻き起こり、モモタロウはその心の中で決めた相手と……!!

ハーレム系ラブコメとしてほとんど完璧と言えるフィナーレを迎えた後も、本作は恒例の描き下ろし漫画で楽しませてくれます。
14Pにわたる描き下ろし漫画で最後のサービスシーンをたっぷりと繰り広げた後、5人のヒロインの解説がされることになるのですが、なんとここで鷹岬先生によるモモタロウがそのヒロインと結婚する確率、と言う注目のデータが収録されています!!
カバー下本体のおまけまで楽しい本作、隅々まで楽しんで完結です!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!