ga0
今回紹介いたしますのはこちら。

「極!!男塾」第8巻 宮下あきら先生 

日本文芸社さんのニチブン・コミックスより刊行です。


さて、急遽幕を開けたスサノヲとの最終決戦。
相手を買って出たのは男塾屈指の実力者である伊達です!
スサノヲの多彩な技に苦戦を強いられる伊達ですが、起死回生の一撃で大反撃!
スサノヲを見事全身黒こげにして見せたのでした!!


いくらスサノヲと言えども、全身を真っ黒になるまで焦がされては生きていられるはずもないでしょう。
一気に勝利ムードに沸き立つ男塾、頭を抱える藤堂……
でしたが、伊達は満身創痍の体を推して立ち上がり、愛槍を手に取りました。
そしてゆっくりとスサノヲの体に近づいていき、さらに槍で一撃を加えようとしたのでした!!

その頃、塾長と民明丸は奇妙なものを前にして首をひねっオりました。
それは、紀元前1万年の土偶だと言います。
国立博物館から借りてきたというその土偶ですが、その見た目は明らかにスサノヲそのもの!
その土偶を前にして、民明丸は語ります。
前々から疑問に思って調べていたが、大和魂といい、スサノヲと言う名前と言い、異星人のはずのスサノヲがなぜここまで日本にこだわるのだろうか。
そこでこれを発見した、これはヤツかヤツの祖先が何らかの理由で大昔、日本に訪れていた証拠だろう。
そんな民明丸の言葉をろくに聞かず、塾長はむんずと無造作に土偶をつかみあげます。
その行動に民明丸はビビりまくり!
なにせそれは正真正銘の1万年前の土偶ですから、もし壊れでもしてしまったら……!!
しばらくその土偶を見つめた後、塾長は動きます。
その土偶をおもむろに……自分の頭にたたきつけ、割ってしまいました!!
顔面蒼白になる民明丸ですが、もちろん塾長はその土偶を見てあることに気が付いていたのです。
土偶の破片に混じり、入っていたのは……
ga2
まるで、メモリーカードのような、得体のしれないオーパーツ!?
1万年前にこんなものを、地球人に作れるはずもなく……
一同はその事実に仰天することとなるのでした。

一方、伊達が振り下ろした槍の行方はと言いますと……
ga1
あっさりとスサノヲに受け止められてしまっていました。
しかも、受け止めたスサノヲの体は傷一つない、ダメージゼロの健康体に戻っています!!
今までも伊達の攻撃を幾度食らっても、確かにスサノヲはすぐに回復してしまっていました。
ですが、まさか黒こげになろうともこんなすぐに全快してしまうとは……
スサノヲは、勝ち誇ったかのように言います。
まだわからんのか、この俺はスサノヲと言う神なのだ、と。
そしてスサノヲは、大ぶりの刀を構え、闘気を漲らせます。
これが真に最後の一刃となる。
そう言って、伊達にとどめの一撃を見舞わんとするスサノヲ……!!
伊達は迎え撃とうと槍を構えるのですが、すでにその体は傷だらけの血まみれ、勇ましい言葉を発してはおりますが、立っているのがやっとと言ったところでしょう。
このままでは、スサノヲの言う通り次の一撃が本当に最後の一撃となってしまう……!?
それでも闘志を揺らがせることなく、構え続ける伊達に、スサノヲがとどめの一撃をとうとう放ちます!!
が、そこで大きな「押忍」の声が響き渡り、二人の動きが止まりました。
その声を発したのは……獅子丸です。
獅子丸が、この勝負、自分も戦わせていただきます、と宣言して闘技場に乗り込んできたのです!!
しかしもちろんプライドの高い伊達、そんな提案を受け入れるはずがありませんし、仮に無理やり乱入でもしようものなら自らの命を絶ってもおかしくないでしょう。
そこは獅子丸も承知の上。
その上で獅子丸は、自分がやると言っているのです!!
そして獅子丸は……だからこうするのです、と
ga3
自らの手で自らに六忘面痕を刻み付けたではありませんか!!
罪人に刻まれるという六忘面痕、それを刻み付けるということは獅子丸がどんな咎を負っても伊達の代わりを務めあげて見せるという意思の表示なのかもしれません。
そこまでの覚悟を見せつけられては、流石の伊達も引かずにはいられず。
勝ちは譲ってやる、と自分の代わりの槍を残したまま、闘技場を去ったのでした。
……こうして、獅子丸とスサノヲの戦いは幕を開けることとなります。
次代の象徴である獅子丸と、史上最大の敵であるスサノヲ。
男塾サーガ最終決戦、その戦いの結末は!?



というわけで、いよいよ決着を迎える「極!!男塾」。
男塾の最終章として始まったはずの本作ですが、わりと急展開で、今巻の半分くらいで完結となってしまいます!!
と言っても決して物語が完結していないわけではなく、このスサノヲとの戦いにキッチリとした決着をつけてのフィナーレとなっています。
最終決戦ではギャグの混じらないマジな戦いがしっかりと描かれていますし、最近の宮下先生の得意技である時事ネタも盛り込んでの物語のエンドはいろいろな意味で安心して読めるはず……?
ですが、本当にスサノヲ編が終わっただけで、男塾サーガ最終章らしい余韻的なものは何もなく……何と言いますか、宮下先生飽きちゃったのかも!?と言わざるを得ない突然の終了な感じは否めません。
それもそのはず、宮下先生はこの連載の終了直後から「真!!男塾」の連載を始めちゃったんですから!!
この「真!!」は塾長の男塾創立のころのお話になるようで、いろいろ宮下先生らしい設定のあれこれはあれど「天下無双」の事実上の続編と言えそう。
抑えきれない宮下先生の塾長ラブが、この完結につながったの考えますと……仕方ないのかもしれませんね!!!

今巻の後半は、単行本未収録だった11年発表の読み切り「HANZO」2話、そして12年発表の宮下先生が漫画家になるきっかけとなった衝撃的な出会いを描き切った8Pの力作、「魁!!俺の青春塾」を収録!!
「HANZO」のほうは連載を狙った気もする終わり方が気になるものの、らしさは爆発している安定のクオリティですし、「青春塾」のほうは思わず突っ込みたくなることうけあいの名エピソードとなっておりまして、こちらも必見ですよ!!



今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!