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今回紹介いたしますのはこちら。

「Do race?(ドレース)」第1巻 okama先生 

白泉社さんのヤングアニマルコミックスより刊行です。


さて、okama先生の最新作となる本作。
残念ながら打ち切りとなってしまった前作「テイルスター」は、壮大な世界観が魅力的なお話でした。
連載の場を白泉社さんへと移した本作は、またまた壮大な世界観を感じさせる、レース漫画!
もちろんokama先生ですから、ただのレース漫画などではなく!?



難民の孤児、鳩家弓(はといえキュウ)。
彼女はそんな身の上ながら、子供のころからなんでも人に譲ってしまうやさしい心根を持つ少女でした。
おやつだって、みんなの笑顔のほうがうれしいと言ってほしがる子に上げてしまう……
そんな優しい少女、キュウはその幼いころから一つの夢を抱いていました。
艶やかな身を包み、星と星を股にかけて空を駆けるレース、ドレース。
そのレーサーになり、絶対的な実力を持つ全冠の女王、ミュラと一緒にレースをすること!
そんな思いを、宛先のわからない手紙にしたためる彼女でしたが、果たしてなんでも譲ってしまう少女がレースに出て勝つことができるのでしょうか?

その後彼女はある配送業者に引き取られ、ドレースの訓練学校に通うようになっていました。
そこでの彼女の成績は……かなり優秀!
必死に追いすがってくるクラスメイトに道を譲ったりもしてしまう彼女でしたが、個人戦などの自分が勝たなければ意味のないレースでは譲らないとはっきり断言していた彼女。
憧れのミュラも練習では負けるし、譲られて買ってもうれしくないと言っていたとのことで、その言葉通り大事なところでは譲らずに頑張っていた……のですが……
やはりその優しさは彼女に厳しい現実を突きつけることになってしまいました。成績上位100人が入ることのできる、選抜チームのテスト。
そこでキュウは合格することができたのですが……101番だったお金持ちのお嬢様、ロコが泣いて悔しがっていたのを見た、のに加え、選抜チームの内レースに出場できるのは5人で、そこに勝ち残るためのドレスのカスタマイズに大金がかかることを知り……結局、譲ってしまったのでした。

難民の孤児の自分に借金をすることはできない。
そして、預かってくれている保護者に迷惑をかけることもできない。
そんな思いであきらめた夢を忘れることはなく……それでも気丈に、自分の代わりに選抜チームに入り、現在も活躍しているロコのレースの応援をするキュウ。
とはいえレースの観戦チケットを買うこともできませんので、戦いの前のパレードを見て応援の声を投げかけるだけですが。
久しぶりに見たロコの姿は、きらびやかなドレスに彩られており、綺麗の一言。
それを見て、キュウの心の中には何とも言えないもやもやが沸き上がり、その感情のやり場を見つけられず……夜の海岸で一人たたずんでいました。
そんな時のことです。
海岸に突然、ドレースに使われるワープ用の乗り物、ワープカップが現れたのは!!
ですが今はレースの真っただ中のはず。
一体これは何なのかとキュウが戸惑っていますと、そのワープカップの中から一人の女性が飛びだしてきたのです!
それは……見間違えるはずもありません。
全冠の女王、ミュラそのひと!!
そしてミュラはどうも、あの宛先のないはがきを何らかの手段で手に入れ、それを見てキュウに会いに来たようなのです!
そう言えばミュラは、レースで大差をつけると、その間にレースを抜け出してどこかに言っているという噂がありました。
今回もそう言うことなのでしょうが……ミュラは、キュウにこう話しかけてきたのです。
はがきの子はレーサーを目指しているけど、君はそのようには見えないわね。
貧しいから、3年前のテストで合格を譲ったのか?
……そう語りかけてくるミュラからは、何とも言い難い迫力が感じられます。
その迫力に青ざめながら、キュウは辛うじて返しました。
レースは、譲ってません。
僕は貧しくありません、十分幸せです。
だけどドレスだけは、家より高価なものだから無理なんです、テストの前から、諦めると決めてたんです。
震えながら言うキュウに、今度はこう語るミュラ。
キュウ、君はテストで大差をつけて1位を取った。
君はまだ夢をあきらめていない、
一番大事な夢だから、
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今悔しくて泣いてるんじゃないの?
いつの間にか、キュウの目から零れ落ちていた大粒の涙……
それは何よりも雄弁に、キュウがレーサーの夢をあきらめていないことを語っていました。
それを見るとミュラは、チャンスを上げようと、身を包んでいたドレスを脱ぎ捨てました。
そしてそのドレスをミュラに投げ渡し……
この「リリー」を着てレースなさい。
返しにきなさい。
ドレースで勝ち続ければたどり着く先は一つ。
そんなミュラの言葉が終わるや否や、早速ドレスに身を包んでみるキュウ!
そのドレスは、あこがれ続けてきた華麗なレーサーのそれで……!
まるで夢のような現実に感動し、感極まって震えるキュウ。
そんなキュウに、ミュラは最後に一つだけ伝えることがある、と……とんでもないことを言いだしたのです!!
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そのドレスは、「レースに敗北すると爆発する」。
命が大事なら、小さな夢は夢のまま飾り物にして置おことね。

その日のレースも、ミュラは優勝しました。
彼女の言葉はあまりに突飛で理解しきれないものでしたが、それが夢でないことは今着ているドレスが証明しています。
早速ドレスをひろげ、空を飛んでみるキュウ。
夢に見たドレスでの飛行は何tも言えない最高の気持ちで、その快感にキュウは浸るのですが……
そこに、思いもよらない客がやってきました!
強烈な光とともに現れた……ドレスに乗った一人の少女。
彼女は、キュウを見つけたかと思うと、こう言うのです!
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そのドレス、私にちょうだい。



というわけで、ドレースの道に進み始めるキュウ。
星から星をかけ、何万光年、何十万光年を飛び回るレースであるドレース。
そのドレースは、想像以上に過酷で、命懸けのレースになります。
キュウの才能は、ミュラが目にかけるほどですから折り紙付きと言っても過言ではないでしょう。
ですがこのレースにおいて、彼女の優しさがどう影響してしまうのか……?
彼女の苦難は、物心ついた時から始まっていました。
ですが本格的な試練は、夢だったドレスを手にしてからが本番!!
早速訪れたミュラのドレス、リリーを狙う謎の少女。
そして、レースに負ければ爆発してしまうという驚くべき事実……!!
華やかで美しい世界の陰で繰り広げられる、血と汗と根性に彩られた戦い。
そしてそこに加えられた、敗北すれば死んでしまうという条件。
そんな加齢と過酷が重なり合った、超高速のレースが開幕するのです!!

本作で目を引くのはやはりokama先生ならではの美しい世界でしょう。
もともと鮮やかな色合いでかわいらしい少女と綺麗な装飾を施した魅力的なイラストを多く生み出していた先生ですから、漫画になってもやっぱりその外連味溢れる華やかな絵面はステキの一言!!
全年齢向け作品で今まで培ってきたアクションシーンもスピード感と迫力満点で、カワイイ、綺麗なだけではない漫画力を見せてくれますよ!!
そして本作では物語とキャラクターも魅力十分!
「クロスロオド」のメイ様を彷彿させるような、圧倒的カリスマミュラをはじめとしたキャラクターたちが生き生きと動き回り、「テイルスター」のような壮大な物語、そして同作の反省を生かしたと思われる展開の速さと、近年の先生の漫画作品の集大成ともいえる内容に仕上がっております!
プロローグ的な内容の第1巻ですが、すでに盛り上がりも見せ、続きが気になる引きの力も抜群!
これから先の展開も楽しみでなりませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!