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今回紹介いたしますのはこちら。

「死人の声をきくがよい」第9巻 ~どう考えても助からない!!編~ ひよどり祥子(うぐいす祥子)先生 

秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。


さて、岸田と早川さんのコンビが様々な怪事件に巻き込まれていく本作。
そんな岸田の頭を悩ますもろもろの中の一つには、岸田に思いを寄せる電波系殺人鬼「ゴースト」の存在もありまして。
今回はそのゴーストの問題に、大きな動きがみられるようです!!



不定期に届くゴーストからの手紙。
いつも今一つ意味のつかめないその手紙ですが、今回もぴんと来ないその内容、なんでも神の使徒が岸田の存在に気が付いたが、自分が早川さんに変わって守ってあげるから安心しろ、というもの。
ぴんとは来ないものの、その手紙が危険を知らせているのだけは間違いないようです。
何故なら、早川さんがいつにもまして不安そうな表情を浮かべているのですから……

ゴースト事件を調査している怪しげな組織が、会議をしていました。
ゴースト事件には呪術的な意味がある、この世界に対する邪神の完勝力を強めようとする意図がある。
ゴーストは天才的な占星術師か、あるいは神の声を聞くものなんだろう。
組織はそう考えていたのですが、ある日を境にその事件が止んだのです。
その詳細はわからないものの、邪神の力に何かの変化が起こっているのは間違いない、と、組織は能力者にゴーストの姿を念視させました。
その組織……霊道神人会には、今まで何度か岸田と絡んだことのある巫女、八代もいまして。
彼女も組織の一員としてゴーストを追っているようですが……?

その日も、ゴーストは岸田のストーカーに精を出しておりました。
コンビニで駄菓子を買って小腹を満たし、書店でガーデニングの本を立ち読みし、公園で鳩に餌をやる。
いろいろ忙しい高校生としてはどうかと言われかねないその休日の行動をじっと見つめていたゴーストは、ぜいたくな時間の使い方、ステキ、かっこいい、と胸をときめかせています。
その後も岸田の尾行を続けていたのですが……突然、ゴーストはその場を立ち去ったのです。
使徒がいる、すぐ近くに。
そうつぶやいて……

買い物を終えて自宅に帰ってきた妊婦さん。
彼女が振り向くと、そこにいたのはいつもの使徒のナイフを手にしたゴーストでした。
あなた、神の使徒でしょ、私と岸田さまを狙ってるんでしょ?
そう言って、主婦に迫るゴースト。
何もわからないと言った感じの妊婦さんに、問答無用で襲い掛かるゴースト!!
ですが、ナイフが眼前に迫ってもなお抵抗討るそぶりを見せず、おびえて縮こまるだけの彼女を見て、流石に本当にこれが使徒なのかと不安になってしまうのです。
が、やはりゴーストは間違っていませんでした。
突然わき腹に走る激痛!
ゴーストの腹部を切り裂いたその刃は、まぎれもなく使徒のナイフ。
そしてその使途のナイフを持っているのは……妊婦さんの
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お腹を突き破って伸ばされた、胎児の腕だったのです!!

その頃、霊道神人会に動きがありました。
なんと、ゴーストを捕えた、と言うのです。
椅子に拘束され、あたまから袋を歌舞された状態のその人物……
荒々しくその袋を取り去られますと、その人物は……
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なんと、岸田だったのです!!
神人会が念視した、ゴーストの顔写真は、岸田のものだった……!!
拘束された岸田本人はと言いますと正直監禁されるのは初めてではありませんし、しかも以前も拘束した前科のある八代さんがいるわけですから、それほど焦ってもいない様子。
僕だって暇じゃないんですよ、ほんと勘弁してください、と 八代に語りかけるのですが……八代さんはいつになく真剣。
悪いけど、今回はシリアスモードなの、と岸田に語りかけ、メスや電動のこぎりやら、ペンチやらと言った物騒極まりないものを携えた男たちを招き入れます。
自分がゴーストだと思われている。
それを知った岸田は、必死に自分がゴーストのわけがないと主張するのですが、八代は効く耳を持ちません。
能力者たちは、邪神に操られている間は意識がなく、自分がゴーストだと気づかないのだろう、と淡々と準備を進めるのです。
岸田を取り囲む、グラブをはめた屈強な男たち。
今までの余裕は一気に失せてしまった岸田に、八代さんは……
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ペンチを手にして、笑いかけるのです。
まず最初はこれでどうかしら。



というわけで、岸田が大ピンチに陥ってしまう今巻。
ゴーストと霊的につながってしまっているためなのでしょうか、神人会の念視に映し出されてしまった岸田。
完全に岸田がゴーストだと思い込んでいる神人会ですから、はっきり言って容赦を期待することはできません。
おそらくこのあと岸田は様々な器具を使って弄り回され、本当にゴーストかどうかを試されることでしょう。
そして、そのまま……
どう考えても助からない、その恐ろしいカウントダウンを止められるのは、早川さんが直接干渉をできないことから、ゴーストその人以外にはいないでしょう。
ですがゴーストは使徒と戦っている真っただ中なわけで……?
ゴーストと岸田、そして神人会の戦いと愛は、この後急展開!!
まさかの結末を迎えることとなるのです!!

そんなゴースト編の決着のエピソードの他、3本のお話が収録されております。
今回は変化球気味なエピソードがそろっておりまして、しゃべる猫を見かけたことをきっかけに完全に予想を超えたとんでもない事件に巻き込まれる「Night of the Cats」、会長とともに奇妙な家に閉じ込められて考えられないものに襲われる「見覚えのある家」、そしてスタンダードな悪霊モノと思わせておいて後半でとんでもないことになる「不仲な悪霊たち」と、それはもう予想不可能なお話ばかり!!
おぞましくもコミカルと言ううぐいす……もといひよどり先生らしい恐怖と笑いのまじりあった、そしてちょっぴりラブロマンス的なそうでもないようなものも楽しめる一冊となっているのです!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!