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今回紹介いたしますのはこちら。

「オッドマン11」 道満晴明先生 

コアマガジンさんのメガストアコミックスより刊行です。


さて、じんわりくる感動のお話から、ブラックなネタ、ひたすらお下品なギャグと様々な味わいの作品を生み出し続けている道満先生の最新単行本となる本作。
成人向け漫画誌で11年からほぼ隔月のペースで連載をされていまして、連載開始から5年半の月日を経てこの度とうとう単行本刊行の運びとなりました!
気になるその内容はと言いますと、ある少年に恋した少女が、その恋を勝ち取るために奮闘するラブコメディ……のような、そうでもないような……?



逆叉セツがその教室に入ると、そこでは目を疑う光景が繰り広げられていました。
セツがひそかに思いを寄せている男子、伊丹(弟)が、四つん這いになり……
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その前に仁王立ちしていた伊丹(姉)のおしっこを、思いっきり浴びている、と言う!
思いだにしなかったその光景を目の当たりにしてしまったセツは、一瞬フリーズし……
そして、思わず(弟)の顔面にパンチをさく裂させてしまうのでした!!

場所は変わって談話部の部室。
そこでは、ちょっぴり他の人と変わった部分のある「オッドマン」のNO.5、「淫乱(ビッチ)」の白石さんが、その初体験の時の話を後輩に語っております。
なんでも彼女の初体験は11歳の時なんだそうで。
彼氏の部屋で一緒に何とかオンドラグーンをプレイしていたところ、迎えたのがあのいろいろな意味で話題を呼んだ東京タワーエンド。
そしてそのエンディングを迎えた勢いで、初めてを経験してしまったというのです!!
そんなメンタルの強さに後輩たちは驚愕するやらドン引きするやら。
その後も、好きな体位は「輪入道」だのと、なんだかよくわからない会話は盛り上がっていくのでした。

またところ変わって、今度は「百物語部」なる部活の部室。
オッドマンNo.7、「露出狂(ゴディバ)」のキヌさんが部活動に精を出しておりました。
その二つ名に恥じぬ、一糸まとわぬ……いや、あたまにカチューシャ代わりのリボンだけを身につけたキヌさん、こんな話をしております。
昔、この学校にちくわが大好きな子がいた。
ちくわが好きすぎて、とうとう「ちくわ部」と言う部活まで作ってしまったものの……ちくわ好きではなく、ちくわぶ好きばかりが集まってしまった……
これっぽっちも怖くない話でしたが、キヌさんはろうそくを吹き消します。
ですが当然ほかの部員からは不満が出るわけで。
今の話にろうそくを吹き消す権利はない、もう何の話だからわからない、あといろいろ話に集中しづらい、攻めて何か羽織りなさい、と一斉に迫られて……
キヌさんは、その剣幕におびえて、怖い、と漏らし……もう一本ろうそくを吹き消すのでした。

ちなみに、(弟)にぶっかけていた(姉)もオッドマンだったりします。
No2.「加虐(サディスト)」の名を関する彼女は、あの後なんだかんだと打ち解けたセツと(弟)の様子を見て……
私以外の女の苦痛で興奮したのか、(弟)を糾弾し、思いっきり乳首をつねるというお仕置きをして(弟)と別れるのです。
補足しておきますと、(弟)のほうもオッドマンでして。
No3.「被虐(マルソキスト)」の彼は……その二つ名通り、(姉)のお仕置きやセツの鉄拳をむしろご褒美として受け取っているのです。

で、そんなオッドマンである(弟)とお近づきになりたいセツは、昼食時の学食で彼を見つけ、お食事を一緒することに。
そこにはキヌさんと白石さんもいたのですが、白石さんは(弟)に見つかるや否いや、どこかに逃げ去ってしまうのです。
彼女が逃げ出す理由は(弟)にはわからなかったのですが、キヌさんはよくご存じ。
なんでも、白石さんの元カレ……初体験の人が(弟)だから、恥ずかしいのだとか……
そう、例のドラッグオン何とかをプレイしていた彼氏と言うのがほかならぬ(弟)さんだったというわけです。
その後も話を聞いていきますと、(弟)には今まで9人の元カノがいたのだとか。
しかもそれは、この学校に11人しかいない
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伊丹姉弟を除いた9人のオッドマンなのだとか……!?
そのほとんどがひと月ももたなかったのだそうですが……
それを聞いて、なぜか説とその友達は盛り上がり始めます。
その9人、全員を倒せば(弟)の権利を勝ち取れる、と!!
正直戦う必要はないのですが、一度そう思ってしまってはもう止まれないセツ!!
私、頑張って勝ち取ります!と宣言し、(弟)をゲットする権利をつかみ取ると決意を表明するのでした!!

……その後、(弟)は(姉)に、ランチ後の午後の苦悶式をする、と言って、思いっきり鞭でたたきまくり始めました。
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甘露!と歓喜の雄たけびを上げる(弟)……
そんな光景を見て、セツは思うのです。
9人全員倒したら、あの人がラスボスなんだろうな。
勝てる気がしない、と……



というわけで、変わり者ぞろいのオッドマン9人との戦いに挑むことになるセツ。
オッドマンはその名の通り、変わり者ぞろい。
セツはその9人に戦いを挑む……わけですが、戦いと言っても血みどろの能力バトルが行われるわけではありません。
悪魔で普通の人間である(はずの)セツが、あの手この手でオッドマンたちに戦いを挑み、その後なんだかんだと打ち解けていい感じの日常を過ごしていくさまが描かれていくのです!!
……まぁ、一部血みどろになったりもしますけど……

本作もまた道満先生らしいならではの味わいが楽しめるわけですが、感動要素は控えめで、お下品ギャグより。
といっても「ぱらいぞ」ほどあっちに振り切った感じではなく、成年誌掲載と言う場をわきまえた(?)、エロスネタを盛り込んでのキャラクター主導の日常コメディと言った風情になっております。
そんなわけで本作の肝はそのキャラクターの多様性にあると言ってもいいでしょう!
オッドマンは本当に変わり者ぞろいでして、すでに紹介させていただいた4名の他にもケモナー大歓喜のキャラや、モンスター娘的なキャラ、ごく一部にしか需要ななさそうな特殊な体質を持つキャラなど、実に変わった個性を持つものばかり!!
その中にはその名もずばり、まさかの「イカちゃん」までいたりしまして……とにかくそのキャラクターの多様性、そしてそのキャラたちの織りなす様々なあれこれが楽しいのです!

本作は巻数表記がありませんが、全1巻ではありません。
実際オッドマンもまだ二人登場していませんし、収録されている最終話にはしっかり続く旨の表記もあります。
ですが連載ペースの関係もあり、続巻の発売予定は2022年……!!
……もう、待ち遠しいなんてもんじゃありませんが、待ちましょう!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!