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今回紹介いたしますのはこちら。

「百足」第3巻 フクイタクミ先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、たった一人で100人の悪党・百足の相手をすることになってしまった馬頭丸。
その圧倒的すぎる力で百足たちをなぎ倒していき、残りの百足は38人に!!
ですが馬頭丸の消耗も激しく、疲れも限界に近づいてきていた中、さらに窮地に追い込まれる事態が起きてしまったのでした。


百足との戦いの中に迷い込んでしまった一般人、だと馬頭丸が思い込んでいた少女、お肋。
ところが馬頭丸が百足の追手と戦いを始めた瞬間、彼女はとうとう本性を現したのです。
突如、大きな鎌を馬頭丸の左腕に深々とつきたててきました!
そのまま切断しようとするお肋ですが、馬頭丸はとっさにお肋を蹴り飛ばしてそれを防ぎます!!
木にたたきつけられたお肋。
まだ事態が呑み込めていない馬頭丸は、お肋にどういうことかと尋ねたのですが、お肋はそれどころではない様子。
たたきつけられた際に、背負っていた木箱が壊れてしまい……お肋の大事な人形が、地面に落ちてばらばらになってしまったのです。
その人形は、複数の人間の肉体をつぎはぎして作ったおぞましい物体で……!!
そのあまりにもおぞましい物体を見て、驚きを隠せない馬頭丸。
お肋は、その壊れた人形を見て、頭を掻きむしって絶叫!!
人が変わったように、斧を振りかざして馬頭丸に襲い掛かってきたのです!!
よくも私のかわいこちゃんを潰したな、お前は許さない!!
そう言って襲い掛かってくるお肋に、襲撃してきていた九番隊の百足は俺たちの獲物だから邪魔だと罵倒。
お肋も、九番隊の戦争バカこそあっちに行って、と売り言葉に買い言葉とばかりに叫び返すのです。
その会話を聞いて、ようやく馬頭丸は理解しました。
お肋は百足の仲間だ……と、反芻する前に、馬頭丸の背後に立っていた九番隊副隊長が言い放ったのです。
彼女が百足だとも気付かず、素性も知らぬものをかばって背負って、その有様。
そりゃちょっと間抜けってものだ。
馬頭丸はすぐ振り返って攻撃を仕掛けようとしましたが、左腕に走る激痛のため動きが一瞬止まり、副隊長に先制のパンチを入れられてしまいました!
残った右手で反撃する馬頭丸でしたが、副隊長は身をかがめて回避!
そのまま馬頭丸の体にボディブローを叩き込んだのです!!
その重いパンチで動きが止まってしまった馬頭丸に、副隊長はさらなるパンチの雨あられで追撃!!
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もはやされるがままの馬頭丸、副隊長はこの人全然弱いっぽい、と拍子抜けをしているかのような発言。
すると、九番隊の隊長は、ならもういいからさっさと済ませろ、と告げました。
それを受けて副隊長は、懐から短く太い刃物を抜刀!!
馬頭丸にとどめを刺さんと襲い掛かってくるのです!!
が、そこで突然お肋が割り込んできました!!
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馬頭丸は私のモノだ!と副隊長にタックル!!
副隊長は体勢を崩し、馬頭丸へのとどめに失敗したのですが……同時に、体力気に限界の来ていた馬頭丸もバランスを崩してしまいました。
そのまま、背後の崖を滑り落ちてしまう馬頭丸……!
お肋はすぐに馬頭丸の後を追いかけていきましたが、九番隊の隊長は、うわさに聞いていた馬頭丸があの程度だと知ってやる気がなくなってしまった様子。
そこで、九番隊を二つに分け、馬頭丸を追う班と、当初の予定通りこの先にある村……馬頭丸が守り抜こうとしている村を襲う班を作りました!
さらに言えば、もはや馬頭丸は虫の息で、積極的に攻めなくとも野垂れ死ぬか誰かがとどめを刺すだろうと考え、村の攻撃のほうをメインに据えるとのこと。
百足は月のない夜に現れ、一晩のうちに山も村も食らい尽くす。
今夜と手それは変わらず、いつものように村は消える。
いつものように、いつものように。

がけ下に落ちた馬頭丸は、左腕にとりあえずの応急処置を施していました。
血が止まったわけでもありませんが、とりあえず流れるままにしておくよりはだいぶましでしょう。
しばらくは戦えるはず……ですが、馬頭丸はあの九番隊服隊長の言葉が気になってしまい、座り込んでしまいました。
「素性も知らぬものをかばってその有様、間抜けってもんだ」。
馬頭丸はその言葉を反芻しながら、自問していました。
誰だか知らんやつを助けるのは間抜けか?
……蘇るのは、見も知らない幼いころの自分を助けてくれた師匠のこと。
そして、食あたりで倒れていた自分を救ってくれたお泉のこと。
それを思い出すと、馬頭丸の目には再び闘志が宿ります。
間抜け、俺はそう学ばなかった、思わなかった。
誰かをかばって痛い目を見ても、間抜けと呼ぶやつがいても。
俺はしまったとか、やめときゃよかったとか言わねえさ。
そう言いながら立ち上がりますと……ちょうどそこに、追いかけてきたお肋がやってきました!!
辛くもその一撃を防いだ馬頭丸ですが、同時に5番隊の男たちが駆けつけてきてしまいます。
あまりの多勢に無勢、馬頭丸は防御するだけで精一杯。
左腕が使えないのも響き、いいように弄ばれてしまいます!
そんな時、再びよぎる過去の思い出。
師匠に稽古をつけてもらっていたときも、同じようにいいようにやられてしまっていました。
師匠は言います。
いつも言っているだろう百手を読み、百手に備えよ、と。
その言葉と同時に、松ぼっくりを投げつけてくる師匠。
とっさに左手でそれをつかみ取る少年馬頭丸ですが、師匠はその左手で松ぼっくりを受けたときの構えこそが、左で相手の一手を受けて右で己の一手を放つ、わしの教える百手無双流の型だ、と教えてくれたのです。
少年馬頭丸は、感じた疑問を使用に投げかけます。
じゃあ例えば、こんな時はどうしたらいいんだ?
……こんな時はどうしたらいいんだ。
今まさに、左手出会いとの一手に備えるという百手無双流の基本が使えない状態。
師匠が生きていたら、俺はもっとたくさん相談できたんだろうか。
師匠、あんたに会いたい、力を借りたいよ。
ここまで来てもまだ、心を師匠の死んだあの時あの場所に置いたままなんだ……
心が折れてしまいそうになる馬頭丸。
ですがすぐに、師匠の下を離れた時のことを思い出しました。
俺はあんたに、心配いらんと言ったもんな、俺は自分自身の一歩を踏み出したんだもんな。
自分自身の一歩。
そして、馬頭丸は目覚めるのです!!
左で相手の一手を受け、右で己の一手を打つ。
だが今は右しかないんだ。
だったら簡単じゃないか。
常に常に、右で行けばいい。
相手の百手を読んで、受けずに百手のその先を攻める!!
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俺の自己流百手無双、「百一式」!!
ここにきて新たな技に開眼した馬頭丸!!
最後の力を振り絞り、燃え上がるのです!!


というわけで、とうとう完結を迎える本作。
ここにきて新たなる一歩を踏み出すことに成功した馬頭丸、その力はより一層強くなっているのは間違いないでしょう。
ですがその体力はもはや限界ギリギリに来ている、と言うのは間違いありません。
限界間近の馬頭丸、それに加え、百足たちの生き残りはさらなる実力者や、やられてしまった仲間の敵討ちに燃えるものばかり!
今まで以上の苦戦は確実なのです!!
加えて問題なのは、馬頭丸を追うだけでなく、村を襲うチームができてしまったと言うところ。
馬頭丸が最も防ぎたかった、お泉たち村の人々への被害も考えなければなりません!
続々と襲い掛かる百足、村に迫る魔手。
息詰まる最終決戦、馬頭丸が勝つのか、百足が勝つのか、それとも……
1VS100 、というとんでもないバトルを、場面省略や、モブを一杯一撃で一掃する、と言うよくある手を全く使わずに描き切ってくれた本作。
絡め手も、どんでん返しも、味方についてくれる敵と言った要素も全くない、真っ向勝負で走り切ってくれました!!
そんな本作がたどり着く手に汗握るラストバトル、そして感動のフィナーレから目が離せませんよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!