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今回紹介いたしますのはこちら。

「キン肉マン」第56巻 ゆでたまご先生 

集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。

さて、シルバーマンVSサイコマンと言う注目の一戦が行われた前巻。
正義超人を育て、自分たちの思い、そして力を受け継がせていくという考えを持つシルバーマンと、完璧超人こそが施行でほかの超人などちり芥にすぎないという考えのサイコマンとの議論は平行線をたどります。
結局のところ戦いで決着をつけるほかないこの戦いですが、その戦い方も二人は対極。
マグネットパワーを迎合するサイコマンと、それこそ邪道だと切り捨てるシルバーマン……その答えは、戦いの末にしか明らかにならなさそうです!!


サイコマン最大の奥義、輪廻転生落としを喰らってしまったシルバーマン。
本来ならば一撃必殺のこの奥義をまともに浴びたシルバーマン、当然この一撃で勝負は決した、蚊に思われました。
が、シルバーマンは多大なるダメージこそ負っていますが、まだKOには至っておりません。
完璧な手ごたえを感じていたサイコマンは、なぜシルバーマンを倒せていなかったのかと慌てふためきました。
シルバーマンは血へドを吐きながらも、その理由を教えてあげます。
それは、今まさにシルバーマンがたたきつけられたキャンパスにあったのです。
シルバーマンがたたきつけられたのは、キャンパスの中央にできた大きな亀裂の上。
固く平らなキャンパスにたたきつければ言うまでもなく必殺のこの技ですが、砕けてもろくなったキャンパスではそこまでの威力は出なかったのでしょう。
そしてこのキャンパスの亀裂は、ブロッケンJrがサイコマンにたたきつけられた時にできたもの。
サイコマンに一方的にやられただけに見えたブロッケンでしたが、その粘りがここで生きてきたのです!!
サイコマン自身も、過去の彼が冷静に技を繰り出せばこんなミスをすることはなかったでしょう。
ですが、依然と違って今のサイコマンは、「マグネットパワー」を操るようになっています。
シルバーマンに輪廻転生落としをかけた際も、全身からマグネットパワーを放出することでシルバーマンの動きを制限していたわけですが……その、迸るマグネットパワーこそが落とし穴になっていました。
エネルギーの奔流のせいで、キャンパスの状況、落下させる位置が確認しずらくなってしまっていた、というわけです!
どんなにに見える力でも、必ずどこかに気づかぬ落とし穴があるものさ、と言いながら、体に徐々に力を籠めていき……強引にサイコマンのクラッチから脱出!!
自由になった両足でサイコマンの頭を挟み込み、前へ放り投げました!
シルバーマンはゆっくりと立ち上がりながら、なおもサイコマンに語りかけます。
マグネットパワーの有用な側面ばかりを見て、そのすぐそばに潜む穴に目を向ける気すらない、そんな君の目を覚ましてやることこそ、昔からずっと自分の友達でいてくれる君に果たすべき僕の役目だ。
ですがサイコマンはそんなシルバーマンの言葉に疑問を投げかけるのです。
友達、と言う言葉。
完璧超人たちにとって、仲間や同志と言う存在はいても、友達と呼ぶべき存在はいません。
その言葉すらも聞いたことがないといった感じのサイコマンは、激昂してそれは何なんだとシルバーマンに怒鳴りつけるのですが、シルバーマンは穏やかな表情を崩さず受け答えをします。
いくら道をたがえても、何億年と会う機会を失っても、属性さえ違ってしまっても、自分の気持ちは変わらない、君は僕にとって今でも最高の友達さ。
そう言うシルバーマンに、サイコマンはこう反論しました。
完璧超人に友達なんて概念はない、私があなたに抱いているのは「敬意」、人格的にも実力的にも素晴らしいシルバーマンは、自分ほどの天才でも自分以上に素晴らしいと思える、ずっとあこがれていた。
ずっとあなたを一つの指標とし続けてきていたのに、下等超人の群れのなれ合いのような表現をされるだなんてたまったものではない!!
今にも噛みつかんばかりの勢いでまくし立てるサイコマンですが、シルバーマンはお礼とともにその言葉に異をとなるのです。
僕も同じ、君のことを尊敬してた。
なれ合いでなく、お互いが敬意をもって接しあい、お互いに高めあうことのできる関係。
そんな人と人との関係性を、外科医のみんなはこう呼んで大事にしているんだ。
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友情、とね。

シルバーマンは、今のサイコマンは以前よりも弱くなっていると言いきります。
それはマグネットパワーのせいだ、と断言するシルバーマン。
実際今、マグネットパワーによって詰めの甘さを招いたという事実があるにもかかわらず、サイコマンがその指摘を笑い飛ばしました。
友情などという心の病にも似たものは、私が治療してあげます、と言う言葉とともに空高く待ったサイコマン、その体から再びマグネットパワーを放出!!
子の力でそんなものを溶かしてやる、と再び攻撃を再開したのです!!
シルバーマンはむしろその攻撃を待っていました。
マグネットパワーを完全攻略して勝利しないと意味がない!
そんなシルバーマンに対し、サイコマンはマグネットパワーを全開に!!
天にマグネットパワーを放つとたちまち大きな黒雲が生まれ、そこから巨大な雷が雨あられのように降り注いできたのです!!
そしてそれを次々にシルバーマンへと投擲していくサイコマン!!
マグネットパワーによって身動きの取れないシルバーマンはその攻撃に耐えるしかない、と思われたのですが……
大量のサンダーサーベルに無数の傷をつけられてなお、シルバーマンの闘志は衰えません!!
こんなまやかしの力では絶対に倒れない、表面上はいくら体を削られても、心の奥まで届くような傷なんて一つもつけられやしない!!
そう高らかに宣言され、サイコマンはさらなる一手を打ってきました。
二本のサンダーサーベルを一本につなぎ、巨大なサンダーサーベルを作成!!
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そしてそれをシルバーマンへと投げつけたのです!!
さすがにこれを喰らっては、シルバーマンもひとたまりもないでしょう。
ですがそこでシルバーマンは、とんでもない行動に出たのです!
シルバーマンは猛烈な勢いで体を回転させ、サンダーサーベルへと逆に突進!!
その勢いでサンダーサーベルを、自分の体に巻き付けるようにして防いだのでした!!
サイコマンはその姿を見て再び高笑い。
しのいだのは見事だが、その姿はまるでお縄に囚われた罪人のようだ!とシルバーマンの今の姿をあざけり、とどめのためのマグネットパワーを放ったのです!!
……が!
どうしたことでしょう、マグネットパワーは
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シルバーマンの体を避けるように流れていってしまったではありませんか!!
なぜ?どうして?
首をかしげ、慌てふためくサイコマンに、そのままシルバーマンは突進していき……逆転のパンチを直撃させたのです!!
一体これはどう言うことなのか?
シルバーマンは宣言通り、マグネットパワーを完全攻略したのでしょうか!?


というわけで、シルバーマンVSサイコマンが決着する今巻。
グリムリパー時代からほかの完璧超人たちとは一味違う存在感を持っていた彼ですが、今巻でシルバーマンとの関係も完全に明らかになり、とうとう物語上その役目を終えることになりそうです。
サイコマンのマグネットパワーが勝つのか、シルバーマンの信念が勝つのか?
どちらにしても、両者とも無事にはすまないであろうこの一戦、最後の最後まで目が離すことはできませんよ!!

そしてこの戦いが終われば、いよいよ完璧超人側はボス格である武道さんとネメシスしかいなくなるわけです。
物語の流れ的に、ネメシスはキン肉マンが相手にするのは間違いないでしょうが、武道さんは果たして……?
ネメシスがキン肉マンと戦うとすると、相手するのは当然悪魔将軍と言うことになるでしょう。
今シリーズのラスボスと、キン肉マン史上最大の苦戦となった最凶と言っていい男、悪魔将軍。
その戦いも目が離せないものになりそうです!!
今からワクワクしてしまうところですが……もう一つ気になるのが例のダンベル。
このダンベルが何のためのものなのか?
その真実は今巻で明らかになります!!
意外すぎるその真実と、驚きのその後の展開。
長いシリーズになってきた完璧超人始祖編ですが、いよいよもってクライマックスと言った空気がビンビン伝わってきますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!