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今回紹介いたしますのはこちら。

「さばけ♡クノイチーナ」 こやま基夫先生 

JIVEさんのCRコミックスより刊行です。

さて、13年にダンジョンシリーズを完結させたこやま先生。
ですが現在は流行りの(?)クラウドファンディングで最新シリーズ「おざなりダンジョンクラウドパンゲア」をてがけられています。
気が付いたときには受け付け終了になっていた自分としては、次回募集、そして単行本化を期待しているところなのですが……
ともかく、本作はそんなこやま先生が、学研パブリッシングさんの運営していた和風コミックを集めたウェブマンガサイト、Manga Samurai Styleで連載された作品です。
そちらのサイトは今一つ人気が振るわなかったようで、16年3月に運営終了。
単行本化された作品も御茶漬海苔先生の「惨殺サーカス」をはじめとして、紙の単行本の刊行が1冊だけで止まってたりしていまして、本作の単行本化もちょっぴり不安視されていたのですが……
06年以降のこやま先生と非常に縁深いJIVEさんよりこの度めでたく紙媒体単行本刊行となりました!!

そんな本作、連載媒体のテーマ通り、戦国武将やらが登場する和風の作品となっています。
が、そこはこやま先生、普通の武将やらが登場するアクション漫画ではありません!
こやま先生らしさがたっぷり詰め込まれた本作、その内容は……


現代日本に、かの有名な戦国武将が降り立っていました。
第六天魔王の異名を持つ男……織田信長!!
信長は、代名詞ともいえる鉄砲隊を率い、この現代日本の退廃と怠慢に満ちた世だと切り捨て、この世を破壊しようとしていました!
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そんな信長たちの前に立ちはだかるのは……何だか派手な格好をした三人の少女と、マスコット的な小動物4匹。
信長の鉄砲隊の攻撃は、彼女たちにとっては大した脅威ではないようです。
ただ、それは普通の火縄銃の威力ならば、の話。
「ただならぬ力」が働き、その威力は増加!!
4匹の小動物は、用心するのじゃ、とその少女たちを「クノイチーナ」と呼んで注意を促すのです!
ですが彼女たち、どうやら戦うのは初めての様子。
注意して戦うにしても、一体どうやって戦えばいいのやら……
マニュアルでもないのかと尋ねるのですが、取り出した巻物に記されている文字は……ものすごく昔の、読むことすらできないもの。
手も足も出ない三人に耐え兼ね、小動物の一匹である猿、「サスケ」は、同じく鳥の「キリガ」と、熊の「セイカイ入道」とともに自分が戦うと前に出るのですが、マスコット的な姿の娼婦動物では勝ち目などあるはずもなく。
この姿じゃ無理だ、などと仲間内でもめ始めてしまうのです。
段取りが悪いなぁ、などと冷たい目でそれを見つめる三人娘ですが、その段取りが整うのを待ってくれる信長さんではございません。
ふがいなき世なら壊してしまえ、この末世に信長が来たからには、わしに世を治めよという天命ぞ!と叫び、さらなる攻撃を仕掛けてくるのです!!
が、そこで今まで一人黙って様子を見ていた、最後の小動物、ペンギンが口を開きます。
そのペンギン……にわかには信じがたいところですが、その名を「真田幸村」と言います。
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幸村は、地面に煙球を投げつけ、その場から一同を逃がすのでした!!

学校の屋上で寝そべる三人娘。
もうこんなことやめた、とあきらめムードで騒ぐ彼女たちですが、幸村はそうでななさそうです。
幸村と、サスケ、キリガ、セイカイ入道。
そう、彼らはあの真田十勇士!!
彼らは、過去の戦場でとんでもない事件に巻き込まれていました。
戦場の中で突如現れた怪人・果心居士。
果心居士は現れるなり、十勇士ごと幸村にまばゆい光を浴びせてきたのです。
その光を浴びた途端、幸村たちはなぜか今のような小動物の姿に帰られてしまったのです!!
この娼婦動物はただの小動物ではなく、「転生獣」と呼ばれる特殊な体で、「時渡り」の能力……つまり、タイムスリップ能力を使える様子。
その力で幸村たちはこの現代日本に落ち延びてきたわけですが……おそらくあの信長も、時渡りの能力でこの世界にやってきたのでしょう!!
今や無力な小動物となってしまった幸村たちに戦うことはできません。
そこで、この世界で見つけた「適性」のある三人の少女に、忍びの力を授けたのです。
それがこの三人娘、火浦跳子、草薙美里、蒼樹静香。
彼女たちはさっそくその忍びの者への変身に「クノイチ-ナ」と自分で名前を付け、初陣に出たのですが……このざまだったということです。
彼女たち、なんだかんだと言ってこのままやられっぱなしと言うのも面白くないようで。
幸村の命により、小動物の指示を聞かず、自分たちのやり方でやってみよ、と言う言葉を素直に受け入れ、現代ならではのテクニックで巻物を解読することにします。
それは、巻物を携帯で写真に取り、ネットに流して解読できるものを募る、と言う裏技!!
……ネットの世界は広大です。
すぐに解読できるものがあらわれ、三人娘はクノイチーナの真の力を使いこなすことに成功したのです!!

サスケチーナ、キリガチーナ、セイカチーナ、と変身ヒロイン的な色違い変身を行った三人、再び信長のもとへ向かいます。
技も現代風の名前にはなっているものの、それはしっかりとした真田忍法のようで。
三人はマニュアルでしっかり忍術を体得しちゃったようです!!
鉄砲隊を蹴散らし、信長のもとへ突っ込むサスケチーナ!!
信長はそれを迎え討とうと刀を構えるのですが……
そこでサスケチーナは必殺のモンキーイリュージョン・八掛けを繰り出します!!
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それはまぎれもない、猿飛佐助の得意とする技・影分身!!
無数の分身とともに襲い掛かるサスケチーナの攻撃に、信長はもはや打つ手なし!!
サスケチーナの攻撃をその身に受け、強烈な光とともに信長はその姿を消すのでした……が。
その代わりに、その場に光の玉が浮いているのに気が付きます。
幸村の指示を受けてそれを捕まえますと……その光は、新しい小動物でした。
鉄砲を抱えたその小動物、十勇士の筧十蔵です。
やはり信長は、この筧を捕え、その力を使ってこの世界に来たということなのでしょう。
では、転生獣を失った信長はどこに行ってしまったのでしょうか……?

信長は、業火に包まれる本能寺の中に座っていました。
そして、正面に立つ怪人、果心居士に向かい、無念じゃと漏らします。
果心居士は、運命を変える唯一の希望を与え申したが、それも潰えた、と信長の野望の終焉を告げました。
このままお果てなされ、ある意味それは正しき歴史じゃ。
そう言って、果心居士はその場を去るのです……
十勇士たちを転生獣へと変えた果心居士。
その目的はいったい何なのか。
そして、次なる手は……?
残る十勇士は6人。
果たして次にやってくる資格は……?


というわけで、こやま先生の最新作となる本作。
連載からこの単行本刊行まで合間が開いてしまった本作ですが、昨今の真田の流れのおかげで逆にタイムリーになった感もあるようなないような!!
そんな本作、この後もクノイチーナVS歴史上の偉人、と言う戦いが続いていくことになります!!
その流れは戦国武将だけにはとどまらず、宮本武蔵と佐々木小次郎、天草四郎、平賀源内、そして新選組、といった多種多様な人物が参戦!!
クノイチーナと激しい戦いを繰り広げ、そして十勇士たちを集めていくことになるのです!!
本作は連載時、6話で第一部完、という扱いになったようで、その第6話でお話をたたむために第5話から急展開!!
十勇士の中に存在する様々な仕掛け、果心居士の意外すぎる正体、そしてクノイチーナの秘密と、様々などんでん返しを繰り返し、衝撃のラストを迎えることになるのです!!

こやま先生らしいコミカルさ、アクティブな女の子キャラ、そして驚かせてくれるどんでん返し。
それらがしっかり三拍子そろった本作、おまけ要素などはありませんが、全1巻ですっきりと終わる満足いく一冊となっていますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!