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今回紹介いたしますのはこちら。

「トリコ」第39巻 島袋光年先生 

集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行です。

さて、5チームに分かれ、それぞれアカシアのフルコースを集める作戦に出た一同。
小松たちは非常に難度の高い「アナザ」の捕獲に挑みました。
食霊が支配するエリア6で様々な戦いと出会いを経験した小松は、とうとうアナザと対面することができたのですが……?


グルメ界全域……すなわち地球全体に激動が襲い掛かっていました。
つい先ほどネオが放ったいくつかの分身。
その分身が各エリアの……八王のもとに飛来!!
グルメ界の豊富な食べ物をむさぼりつくそうとするネオの分身たちを前に、その暴虐は許さないとばかりに八王たちが立ちふさがったのです。
分身とはいえ、ネオの力を持つ分身の力は強大。
八王には及ばないまでも、手加減できる相手ではありません。
八王の攻撃はネオの分身を打ち倒してしまうのですが、同時に地球中にとんでもない衝撃を巻き起こすのでした!!

そのネオの分身は、狼王ギネスと対峙していたトリコとスタージュンのもとにもやってきていました。
そして、そのネオの持つ底知れぬ恐ろしさを、トリコはひょんなことから知ることとなります。
くしくも時を同じくして、ブルーニトロたちは次郎に、ジョアは三虎に、そしてジジが小松たちに明かしていました。
恐ろしくおぞましい、「ネオ」というモノの正体を……!

ニトロの祖先は、50億年以上前からグルメ食材の栽培をしていました。
その方法は、今も昔も同じ。
環境の良い星を見つけ、グルメ細胞を投与し、熟成するのを待つ。
地球は今まさに、その最終段階に差し掛かっているわけです。
ですが今と昔で一つだけ違うところがありました。
それはうまみを熟成させる仕上げの段階で、惑星に「ストレス」を与えるその方法。
今は太陽の熱を遮断する……「グルメ日食」を引き起こすことで環境ストレスを与えてうまみを引き出しているのですが、以前はもっと野蛮な方法でストレスを与えていたのです。
魔物による搾取。
温度や湿度、水や光などのストレスではなく、絶対的な捕食者による肉体的なショック……恐怖、絶法、不安、食われてしまうという確実な死へのストレス、を与えていたのです。
仕上げのためのストレスを与える魔物は「益獣」と呼ばれていて、ニトロによって管理されていました。
その中の一匹だったのが、
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ネオなのです!

とある星の熟成がだいぶ進んできたころ、いったん引き揚げようとしていたニトロは一匹の益獣を回収し忘れていることに気が付きました。
小柄でノロマ、ろくに搾取もできないその益獣……ネオ。
あんな奴一匹くらいいなくても何の問題もない、放置しておいてもおそらくこの星の盲従か何かにぐ悪に食われてしまうだろう。
ニトロはそう考え、わざわざネオを回収するようなことをせずに引き上げてしまったのです。
……ネオは、この時をずっと待っていたのです。
愚鈍で矮小な存在であるふりをして、ニトロから見放され、監視の目の届かない場所にいられるこの時を……!!
自由を得たネオは、地を這う蟻に注目します。
その蟻の巣穴を見つけ、酸の唾液を垂らすと、アリたちは慌てて巣穴から這い出てきました。
右往左往するありを見て、ネオは嫌らしく目を細め、不快な声を上げて笑い始めました。
そして地面に這いつくばり、逃げ回る蟻を口いっぱいにほおばると……その顔は幸福に満たされます。
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ウマイ。
その味わいに喜びの叫びを上げるネオ。
その叫びは、大地を揺るがすとんでもない衝撃を伴っています。
ニトロの監視から逃れた今、ネオはその実力を隠す必要もなくなり……こうして、思うがままに行動をすることができるようになったわけです。
驚くほどのスピードで駆け回り、自分よりもはるかに巨大な猛獣にしがみつき、どれだけ激しい抵抗にさらされてもしゃぶり上げ続ける……!
ネオは今まで益獣として過ごしていた経験から、ある結論を得ていました。
生物のうまみが最も噴き出すのは、死ぬときである。
それも、死の絶望が強ければ強いほどうまくなる……!!
時としてネオは、一匹の獲物を至近距離で見つめ続け、三日三晩張り付いて、絶対に逃げられないという恐怖を与え、うまみを最大限に引き上げてから食う、と言うあまりにもおぞましい行動をとることもありました。
かと思えば、本能のままに喰らい続けることもあったようで。
直径14万キロというとんでもない大きさを持つ惑星が、何億年もかけて築き上げた美味なるすべてがたった一か月で喰らい尽くされてしまったのです!
……それでもネオの食欲は収まることを知りません。
再び星の調理に来たニトロがその星の見るも無残な状況を見て困惑しているのをあざ笑うかのように、次々とその獲物を変えていきます。
生物の存在する肥沃な惑星が、次々に死んでいく……
星をいくつもいくつも喰らい尽くし、それでもなおとどまることを知らないネオの「食欲」。
……ですがその星がいくつも死ぬという悲劇すら、始まりでしかありませんでした。
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ネオがもたらす悪夢は、まだこれからが本番だったのです……!!


というわけで、謎多き存在・ネオの正体が明かされることになった今巻。
今までも様々な悪役が登場してきた本作ではありますが、こと純粋な邪悪さにかけてはこのネオに並ぶものはいないでしょう。
ただただ、自分の歪み切った食癖を満たすためだけに生物を弄び、嬲って食い散らかす……
そしてグルメ細胞と言うのは、食えば食うほど強力になっていくもの。
自由な食事を始めた当時から、中断期間はあったもののありとあらゆるものを食い尽くしてきたネオの現在の力はいかばかりか……
加えて今のネオは美食神とまであがめられたアカシアと一体化しています。
欲望に従い食い散らかすネオと、食材に関しての様々な知識を持ち、一龍たち世界最強の三兄弟を弟子に持つほどの技術を持ったアカシアが一つになっている。
これはどう考えても、怪物を超えた恐ろしい怪物になっているとしか思えません!
今だ完全に復活してはいないとはいえ……こんな怪物を相手にして、トリコたちはフルコースを集めることができるのでしょうか?
そしてフルコースを集めたところで、このネオと言う巨凶を打ち倒すことなど可能なのでしょうか!!
同時に行われている八王たちの戦い、次郎とニトロ、三虎とジョアという頂点同士のバトルの結果もこの後の物語を左右するはず。
クライマックスに向けてどんどんと加速する本作、さらに目の離せない展開となっています!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!