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今回紹介いたしますのはこちら。

「だがしかし」第5巻 コトヤマ先生 

小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行です。

さて、駄菓子屋の息子・ココノツと彼をなんとか跡継ぎに仕立て上げようとする駄菓子製造の大手企業のご令嬢・ほたるを中心にした日常を描いている本作。
そこにご近所の喫茶店のお子さんである豆とトウの兄妹も絡み、駄菓子をめぐるにぎやかな毎日が繰り広げられていくわけですが、今巻では……?


大雨が降っていました。
シカダを揺らすほどの風と雨をもたらしているのは、接近している台風です。
台風の様子を伝えるニュースを、シカダの中で見つめているのはココノツとサヤ。
今日はほたるや豆を交え、4人で外で遊ぼうかという話になっていたのですが……いち早く来ていたサヤとともに、二人の様子を心配する状況になってしまいました。
とはいえ、ただ心配しているだけというのも面白くありません。
そもそも来るのをあきらめている、という可能性も考えられるわけで……とりあえずココノツとサヤの二人で室内で何かして遊ぼうか、ということになりました。
サヤが気になったのは、なんだかおもしろそうな名前の駄菓子です。
「野球盤ガム」。
野球盤と言えば、昭和後半の室内遊びの定番の一つだった遊具。
その名前の関するガムとは、何なのでしょうか……?
最近おいていなかったから仕入れてみた、という野球盤ガム、その全容をココノツが説明してくれました。

スイッチのようなものが付いているこのおもちゃのようなガム、そのおもちゃっぽさこそが最大の特徴です。
そのスイッチを押すと、野球盤を模した内部をとおり、ガムが取り出し口に出てくる……
ただそれだけなのですが、やはり「スイッチを押せば反応する」というアクティブ(っぽい)仕掛けというだけで子供は喜ぶもの!
ガムが食べたいのかどうか、という気持ちはおいておいて、その様子を楽しみたいがためについつい何度もスイッチを押してしまい、気が付けばたくさんお買い上げしてしまう、というからくりなわけなのです!!
ちょっぴりせこいような気もしますが、実際にそんなことをしてしまう子供など……それほど多いわけではないでしょう。
そんなことあるのか?と尋ねてくるサヤに……ココノツはたまに、と答えるのです。
たまに、ほたるさんとかが、と。
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そんな二人の背後で、ほたるがちょうど野球盤ガムを連打していました。
しかもずぶ濡れの状態で……!!

勢いあまって8回もガムを出してしまったほたる。
そのびしょ濡れの姿を見て二人は心配するのですが、ほたる本人はというと、「台風ってワクワクして外でたくならない?」とのこと。
すぐにタオルを取りに行くココノツですが、そんなほたるの様子を見てサヤは別の心配を始めました。
この嵐のような状況では、帰るのが大変そうだ、と。
実際にぬれねずみになってしまったほたるに、帰りはどうするつもりなのかと尋ねようとするサヤですが、そこにココノツが戻ってきていいました。
帰る気だったの?泊りなよ、危ないんだから。
ココノツの申し出に、あらいいの?と表情を明るくするほたる。
こんな状況じゃ死んじゃうかもしれない、外に出ちゃだめだよ、と当然のように言うココノツなのですが……鞘の反応はやっぱり違いました!
少し固まった後、表情を緩め、二やツキを抑えきれないままに、いいの?とへらへらして……!
ほたるもいますし、ココノツの親父さんもいるとはいえ、なんといっても好きな人の家でのお泊り!
サヤのその反応もうなずけるというものです!!
しかもそこへ、親父さんが現れて太鼓判を押してくれました。
夏休みだし、たまにはいいだろう、家で大人しくしてるんだぞ。
彼らしからぬ頼りがいある台詞を吐く親父さんですが、そう言いながらおもむろに合羽を羽織り始めました。
そして、台風でワクワクするから田んぼの様子見てくるね!!と言い残し、家を出ていってしまうではありませんか!!
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……これはよく大事故になる前に被害者が言い残すやつ……!!
高笑いを残しながら去っていく父親を、ココノツは心配そうに見送るしかないのでした……

そう言えばもう一人来ると言っていた、豆はどうなったのでしょう。
一応ココノツが心配していますと、豆はいきなりココノツ家のお風呂場から出てきて、さっぱりしてるじゃありませんか!!
台風のことはわかっていたわけですが、一人でお留守番とか寂しいし、台風が来たらワクワクして外に出ちゃうじゃん、という豆……
いつの間にかやってきていた、芯まで冷え切った体をお風呂で温めた、らしいです。
そしてもう一つの裏の理由として、サヤとココノツが良い感じになるためのサポートもあるようですが……どちらかというと面白半分なのでしょう。
サヤと豆がそんなことをひそひそ話していますと、ほたるが現れてサヤにこう話しかけてきたのです。
じゃあ行くわよ、サヤ師!
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お風呂よ、一緒に入りましょう!!
……女子二人でのお風呂シーン。
そして今ほかには、ココノツと豆の二人しかいない……
こうなれば豆がこう言いださないわけがありません。
覗きに行こう、と……!!


というわけで、台風の中で繰り広げられるお泊り会を描くエピソードを収録した今巻。
本エピソードは4話だての中編となっていまして、ココノツとほたるの関係がほんのちょっぴりだけ進んでみたり、親父さんとお好み焼き屋さんの玉井さんのお話があったりなどの盛りだくさんな内容になっています!
サヤのココノツとお近づきになりたいという思惑はどうなるのか?
まさかののぞき成功なるか?
などの見どころも満点ですよ!!

その他、いつもの駄菓子をテーマにした通常のお話はもちろんのこと、本作収録分が連載されたときに起きた出来事に関しての特別なお話が描かれたりもするのです!
好評のうちに終了したアニメ化が決定した時に描かれた、「アニメ映え」しそうなシーンを描くためだけにあるようなお話、そしておやつカンパニーさんとコラボして生まれたベビースターやブタメンの特別版誕生に秘められた謎が明かされるお話などが収録!!
いつもとは一味違うお話も楽しめる内容になっていますよ!!


今回はこんなところで!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!