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今回紹介いたしますのはこちら。

「ちおちゃんの通学路」第4巻 川崎直孝先生 

メディアファクトリーさんのMFコミックスより刊行です。

さて、ちおちゃんとその友人、真奈菜が通学路で鉢合わせる様々なトラブルを面白おかしく描いていく本作。
メインとなる二人以外にも、さわやか美少女の雪ちゃんや、なぜかちおちゃんが気になっている安藤さん、生活指導の後藤先生に思いを寄せる風紀委員の桃センパイといったサブキャラも活躍しています。
今回は、その桃センパイの意外な一面が明かされるお話を紹介したいと思います!


いつものように、他愛もないお話をしながら学校に向かっていたちおちゃんと真奈菜。
すると、突然電柱の影から桃センパイが現れ、声をかけてきたではありませんか。
突然の襲来にびっくりしてしりもちをついてしまうちおちゃんですが、桃センパイが突然こんなことをしたのにはわけがあるのです。
なんでも桃センパイ、この二人にしかできない相談があるとのこと。
それを聞いて2人はピンときます。
後藤先生がらみなのか、と!
まさか告白の手伝いをして欲しいとかそう言うことなのか、とドキドキしてしまう二人を、桃センパイは人目のつかない路地裏へと連れ込みました。
人目のつかないところで相談となるとやはりか、というところなのですが……桃センパイが持ち掛けてきた相談というのは、予想できない奇妙なモノだったのです!
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買い食いを、したいのです。
……きょとんとする二人。
買い食いと後藤先生に何の関係があるのか?と尋ねてみますと、桃センパイはこんなことがあったと教えてくれました。
いつものように風紀委員の活動をしていると、中庭の片隅に大量のお菓子の袋が捨てられているのを発見したとのこと。
それを後藤先生に、大勢で食べるなら誰かの家に集まればいいのに、どうしてわざわざ校内で?と言う感想とともに報告したのですが……後藤先生はこう答えたのだというのです。
例えば、朝起きなければ行けないと思うほど、二度寝したいという気持ちが強まるようなものだろう。
……あ、はい、とは答えた桃センパイでしたが、その時は全くその時の言葉が理解できなかったのだとか。
その後自分なりに考え、自分もあえて校則を破ることでその生徒たちの気持ちがわかるかもしれない、と思ったのだそうです。
といっても真面目な真面目な桃センパイ、中庭でお菓子を食べるなんてワイルドなことはできません。
じゃあ買い食いをしてみよう、と思っては見たものの、一人でする勇気もなく……いろんな意味でワイルドは二人に白羽の矢を立てたというわけのようです!!

二人は桃センパイをつれ、朝の買い食いならあそこという商店へと向かいます。
愛する人のために自らの掟を破るとはすごいですね、などと話しながら歩くその道中で、ちおちゃんと真奈菜は当然のように知らないおうちの生垣に生えている花をもぎ取り、蜜を吸い始めたではありませんか!!
桃センパイはすぐにそれは器物破損だ!と注意してくるのですが、二人はそんなこと言われても、昔からここで吸ってたし……と何が悪いのかという顔。
なにせ小学生時代にはこの家のおじさんが見ている前でもやっていたことですし……
とはいえ確かに許可なくやっていては犯罪は犯罪。
早速真奈菜がそのお宅を尋ね、花を取って吸ってもいいか聞きに行くと、すぐにOKをもらえました。
それを聞いた桃センパイは、なにやら口ごもってそわそわし始めました。
これは吸ってみたいんだな、と察した二人は、口では嫌がる彼女に、買い食いの前菜ってことでと無理やり花を口につっこみました!!
桃センパイがその花を吸うと……
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あまーい!!と目を輝かせて叫び、お花の蜜ってこんなに甘いんだ、香りと相まって奥深い味になってる!なんだか気分はミツバチ!!と、まるで別人のようにテンションを上げてはしゃぎ出すのです!!
すぐに冷静さを取り戻し、やってしまいました……と織り込み始める桃センパイ……
なんでも彼女、甘いものが大好きすぎて、くちに入れた瞬間こうなってしまうのだとか。
家にいるときもこの様だとかで、家でも一人でしかお菓子は食べられないとのこと……
一人であれをやってるのか、と心の中でつぶやく二人。
買い食いに二人を誘ったのも、自分がこうなった時に止めてくれるように頼むため、でもあったのでした!
……じゃあ御煎餅とかの甘くないお菓子を買えばいいのでは、と言うツッコミには、静寂で答える桃センパイ。
どうせなら甘いお菓子を食べたいようです……

やがてたどり着いた朝早くからやっている商店。
ここではイートインとでもいうべきテーブルが用意されております。
買い食いをここでしようと言うことになりまして……桃センパイはより取り見取りのお菓子を前にして目を輝かせて食べたいものを選び、そして
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ものすごい殺気……抑えきれない期待感とともにレジに持っていきました。
ちおちゃんたちもそれぞれ食べたいものを選び、レジへ。
その後テーブルに着席し……いざ買い食いへ!!
後藤先生お許しください、それでは行きます。
そう言ってとうとうお菓子に手を伸ばす桃センパイ。
10円の一口サイズのチョコレートの放送を丁寧に剥がし、そっと口に運ぶと……
最初は大人しく感想を言おうとしたものの、すぐに顔を出してしまいました。
桃センパイの真の姿を!!
おいしい!!
カカオの風味よりガツンと下にまとわりつく甘さ、最高です!!
しかも10円なのに中にビスケットがあるなんてまさにサプライズ!!
子の安価なハードバター特有の口どけもいとおかし、お菓子だけに!!
キャラメルが歯に挟まるこの感覚、久しぶりー!!
体をぶんぶんスイングさせて喜びに打ち震える桃センパイを見て、二人はこっちの顔こそが桃センパイの素の状態なんだと察知。
二人は確信しました。
それならば、この状態を止めるよりも……むしろ!!


というわけで、桃センパイの意外な素顔が明かされるエピソードを収録した本作。
後藤先生に思いを寄せている部分以外はとにかく真面目一辺倒だと思われていた彼女の意外な素顔に、得体のしれない感情を抱いてしまうこと間違いなしですよ!
さらにこの後の桃センパイの謎テンションはさらに暴走!
とんでもない宣言までしてくれるそのさまは必見です!!
真面目な桃センパイもいいですが、こっちの顔もステキですね!!
……行きすぎなところもありますけど!!

さらにこのほか、雪ちゃんにも意外な欠点(?)があることがわかってしまうエピソードや、ちおちゃんと安藤さんの絡みに真奈菜が危機感を募らせるお話、ちおちゃんのイメチェンに真奈菜と大権現が挑むお話、おなじみのちおちゃんのゲームの知識が暴走するお話などなどといった物語がラインナップ!!
いつも通り、アレな人たちのアレな登下校が描かれます!!

おまけに描き下ろしの安藤さんのある一日を描いた漫画がなんと10P、そして各エピソードの補足的な4コマ漫画なんかも描き下ろし!!
今巻もたっぷり楽しめる一冊に仕上がっております!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!