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今回紹介いたしますのはこちら。

「サタニスター 完全版」第4巻 三家本礼先生 

エンターブレインさんのビームコミックスより刊行です。

さて、世界最強殺人鬼決定戦に出場したサタニスターといづみ。
当初は流されるままにこの場にやってきてしまったいづみですが、彼女は自信のトラウマとなった外道を自ら撃破することで成長、サタニスターの右腕と言っても過言ではないほどに成長を遂げました。
サタニスターといづみは、この殺人鬼同士の殺し合いの中、目的を果たし、生きて帰ることができるのでしょうか!?


激戦が続く世界最強殺人鬼決定戦。
戦いは第6試合を迎えようとしていました。
今までと同じように出場選手をくじ引きで決めていた、毒壺ガールズこと進行の女性たちだったのですが、出てきたくじを見るなり顔色が変わります!
次なる出場選手の名は……毒壺幽骸。
なんと、この大会を主催している「毒壺の会」のボス、実の息子が次の出場選手だというのです!!
その名前が読み上げられた直後、次々に花火が打ち上げられました。
課と思えば、入場口のほうからものすごい数の毒壺ガールズの皆さんたちが登場!!
そんな彼女たちが一糸乱れぬダンスで迎え入れるのが……そう、毒壺幽骸です!!
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予選からのまっとうな参加、ボスの息子とは言えずるは一切なし。
参加理由はいたってシンプル、「自分の力を自分の力を試したい」!
そんなアナウンスとともに入ってきた彼、目の部分だけくりぬかれた袋のようなものをかぶっただけの、チャラチャラしたあんちゃんといった感じの風貌です。
ダブルピースでノリノリな幽骸を見て、一人険しい表情をしているのが……いづみでした。
今までの戦いの中で心を通わせた墓井田を、あのふざけた男が手にかけた。
いづみのはらわたは煮えくり返り、その怒りを幽骸にぶつけたくて仕方がないといった表情を浮かべています。
ですがそのあふれ出る怒りを押さえるように諭すサタニスター。
墓井田はいづみが生き延びることを望んでいました。
その望みは叶えてやるべきだ、と彼女は考えていたのです。
とはいえ、墓井田に奇妙な友情のようなものを感じていたのはサタニスターも同じ。
彼女は幽骸に、彼の側近の一人の生首を投げつけて言いました。
そいつがあたしにしかけてきたんだ、「墓井田の亡骸」をゴミのように捨てていた、そいつのほうからね。
そうサタニスターが宣言すると、それを聞いたものはざわつき始めます。
墓井田がもてあそばれるのはともかく、参加者であるサタニスターが襲われるのはおかしい。
そうざわつき始めたその瞬間、いづみが声を上げたのです。
負けたくないから部下を使って強そうな選手を襲わせたんだろう!
楽に勝ちたいだけのお坊ちゃんヤロー!!
そのあおりは、観客や参加者の疑心をさらにあおります。
いづみの言うこともあながち間違いではないかもしれない。
「毒壺の会」のボスにしたって、息子はかわいいはず。
裏工作をしていたのか、あるいは親父がひそかに息子をサポートしていたのかも。
だったら、相当おめでたいボンボンだな!!
言いたい放題言われてしまった幽骸は、とうとう怒り心頭!!
ブチ切れ、
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サタニスターも、どいつもこいつも残った選手全員まとめて相手してやる!と絶叫したのでした!!
残りの選手6人と、6VS1の戦いをするという無茶を聞いて、騒然となる観客たち。
ですがそれを、許さないと言い切るものが姿を現します。
毒壺の会のボスであり、幽骸の父親です!
誰も及ばぬステージに立ちたいというお前の野心は評価している、だからこそ大会への参加を表明したときは喜んだ。
だが、今のお前は単なる愚か者だ……と、ボスは言おうとしました。
しかしその言葉が言い終わる前に、幽骸は手にしていた怪しげな武器「怪物銃(モンスターガン)」のグリップの部分をボスの頭にたたきつけたのです!!
その一撃でボスの頭はバックリと割れ、中身がこぼれ出してしまいました!!
組織が大きくなったのはあなたの野心ゆえだったはずなのに、子の野心を軽んじるとは、と侮蔑のまなざしを注ぐ幽骸……
ボスは、絶命する寸前、最後の力を振り絞って幽骸に、そして側近たちに伝えたのです。
かつての自分をお前に思い出させられるとは。
この大勝負、見事やり遂げて見せい!
組織のすべては息子が引き継ぐ……!
……名実ともに、これで幽骸がこの組織のボスとなったわけです。
これはつまり……幽骸の提案通り、6VS1の戦いが行われるということで……そして、毒壺の会をぶっ潰す最大のチャンスが訪れたということでもあるのです!!
闘技場に降りてくる、6人の選手たち。
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仲良くやろう、刃が当たったらごめんなさい、と油断ならない言葉を投げかけてくる優勝大本命、バルキリー。
毒壺の会を壊滅させるためにやってきた薬使い、伊看崎。
大きなおなかを抱え、子守唄をつぶやくように歌い続ける怪しげな女、マタニティ・レッド。
仮面をかぶり、その下から荒い呼吸音を響かせる巨躯の女、皮裂ユリ。
バルキリーをにらみつけながら、ナックルがあんたに偶然ヒットして脳みそぶちまけさせたらごめんなさい、と口をとがらせるサタニスター。
……そして、墓井田の仇は必ず自分が討つ、と固く決意するいづみ!!
得体のしれない力を持つ怪物銃を携えた幽骸に打ち勝つには、おそらく6人のチームワークが欠かせないでしょう。
ですが、この6人の思惑はてんでバラバラ、個性派ばかり!!
とてもチームワークは望めないような……
果たしてこの戦い、どのような方向に転がっていくのでしょうか!?
殺人鬼とそれを打ち砕くものの血を血で洗う戦いは、いよいよクライマックスです!!


というわけで、今巻で完結となる本作。
きっちりトーナメントが描かれていくと思いきや、この第6試合でいきなりクライマックスに持っていくこととなりました!!
まさかのヴァルキリーとサタニスターが共闘、そしてラスボスとなるのは毒壺の会の新ボス、幽骸。
……かと思われた本作ですが、三家本先生がそんな展開でお話を進めるわけがないではありませんか!!
この後物語はどんどんととんでもない急展開へ!!
ラストバトルでのとんでもなさすぎる展開は、読者の度肝を抜くこと間違いなしです!!
サタニスターの勇姿、いづみの成長、幽骸の怪物銃の力、そしてバルキリーの底知れない恐怖……
怒濤の展開から、意外ながらも心に響くラストを迎える本作、この完全版で一気読みしてはいかがでしょうか!?


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!