今回紹介いたしますのはこちら。
「百人の半蔵」第4巻 横尾公敏先生
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。
さて、半蔵たちが東西にわかれ殺し合いを行う、天下分け目の合戦ごっこ「半蔵戦争」が間近に迫るその頃。
無縁之助は獣屋と九兵衛と言う仲間を得て、さらに半蔵への戦いに勢いをつけていました。
そんな中、半蔵戦争の混乱に紛れて地下幕府も一気の勝負を賭けようともくろみ……!!
幕を開けた半蔵戦争。
8人の半蔵を擁する東軍は「戦屋の半蔵」を大将に、13人の半蔵が参加する西軍は「武器屋の半蔵」を大将に。
戦力の差は大きく見える両軍の戦いですが、実際はそれほど大きな戦力差はないでしょう。
大勢の兵隊も重要ではありますが、なんといってもこの半蔵戦争の行方を左右するのは半蔵の持つ特殊な術と言っていいはずなのですから!!
東軍は、まず「植木屋の半蔵」が猛烈な勢いで進軍していました。
額に木をはやした奇妙な男ですが、その能力はなかなかに強力。
彼が歩を進めたその足跡から、どんどんと植物の芽が顔を出し、そしてそれがみるみると成長!
やがてその植物は、まるで人間のような手足を生やし、木人の大群となって植木屋とともに駆け出したのです!!
が、その植木屋の耳に自らの作りだした木人軍とは違う進軍の音が飛び込んできました。
ごろごろと鳴り響くその音の方向に、植木屋は文句をつけました。
「石屋」!テメー、俺が一番でぇ!!と!
石屋と呼ばれた男は、植木屋に向かってこう返答。
そこにいるのは野菜嫌いのサラダ男君か、ちょろちょろしないでくれるかな、潰しちゃうよ。
その男は石屋の半蔵。
植木屋が植物を自在に操るように、石屋もまた石を自在に操る力を持っています。
石屋は、手に持っている小さな石にマイケルと名前を付け、話しかけております。
ねぇマイケル、僕たちが一番だよね、植物より石のほうが硬いし重いしカッコイイよね。
そんなことを言う石屋に、植木屋も反論。
石じゃなくて俺を見て話せ、それに俺は野菜が嫌いなんじゃなくて、好きすぎて食べられねーんだ!!
と、そんなことを言いながら話をしておりますと……突然きらりと光るものが見えたかと思った直後、木人の兵隊数体が燃え始めたではありませんか!!
その攻撃を仕掛けてきたのは……西軍の半蔵、「乾物屋の半蔵」!!
彼は空気をレンズのようにする力を持っており、そのレンズから太陽光のレーザーを放つことができるのです。
強烈な熱による攻撃は、はっきり言って植木屋の点滴ともいえる力。
木人の兵隊たちは次々と炎上し……その木人たちが燃えていきさまに戸惑っているうちに、植木屋もまたレーザーによって燃やされてしまうのでした。
そんな植木屋の亡骸を踏みつけ、笑う新たな半蔵。
それは、東軍の「氷屋の半蔵」でした。
戦陣で先陣を切って戦塵と化す、とダジャレを言いながら現れた氷屋、その名の通り冷気を操る力を持っています。
早速乾物屋に攻撃を仕掛けようとしますと、すでに乾物屋は一目散に逃げだし始めておりました。
曇ってきたから今日は帰るわ!とのことです!!
そんな戦局を見ながら、戦屋はほくそ笑んでいます。
木や石の兵隊なんて消耗品に過ぎない、氷屋には石屋を立てに直進してもらう。
そして、西軍の陣形を2つに分けてもらいたい。
そんな東軍には、駆けつけてくるはずの肉屋と鋼屋の半蔵が来なかったという痛手もありました。
ですがそんな戦局を、戦屋はむしろ楽しんでいるのです。
不利な戦局ほど面白いんだけどね。
乗り切った時はおしっこ漏らすほどに震えるんだよね。
嗤う戦屋のもとに、山をも砕く火薬の使い手「花火屋の半蔵」が姿を現します。
楽しんでるな、と言う花火屋に、戦屋は笑いながら語りました。
もう傑作傑作、震えて運子が漏れちゃうぐらい傑作ですよ。
ねー、四郎とを統率のとれた軍隊に簡単にする方法って知ってます?
死ぬほどの恐怖ですよ。
クズでも必死に戦うとプロ並みの力を出すんですよ。
必死って誰が作ったんでしょ、良い言葉ですよね。
必ず死ぬけど、すごい力を出すんですよ。
彼ら消耗品のためにある、ステキな言葉ですよね。
……いやらしい笑いを浮かべる戦屋……!
正真正銘の、クソ野郎のようです!!
無縁之助はと言うと、西軍のただなかでがむしゃらに刀を振るっていました。
クソ!クソ!クソ!全部がクソ野郎だぜ!!クソ最高!
そう言いながら、目に映る敵すべてを切り刻んでいました。
クソをクソ斬りまくってもクソ終わりがねーぞ!クソ天国かよここは!!
そう言って高笑いする無縁之助を、物陰に隠れてうかがう獣屋と九兵衛……
ですが九兵衛は、突然酒が切れたといってどこかへ消えて行ってしまいます。
彼の目的は一体……?
そうこうしている間に、無縁之助の前にまた新たな人物が現れました。
それは、半蔵でも半蔵の手の者でもありません。
本来、半蔵を倒すという目的の上では仲間になるはずの……地下幕府、半蔵惨殺隊の長、大石内蔵助!!
ですが内蔵助は、無縁之助を見るなり切りかかっていったのです!!
兄さん強いじゃねえか、何者だ!?
そう言っていきなり切りかかってくる相手に、無縁之助も素直に名乗るほど素直ではありません!
クソ勝負だ!クソ野郎!!と叫び、敵の陣中真っ只中で仲間との切りあいを始めてしまうのでした!!
そんな死屍累々の戦場の中で、高笑いしているものがいました。
無縁之助に力を与え、寿命を奪った怪老……果心居士!!
何よりも戦乱と混乱、そして腐乱の匂いを好む果心居士。
この戦は、彼に取って最も喜ばしいものといえます。
そんな果心居士のもとに現れたのは……無縁之助たちが殺したはずの、肉屋でした!!
肉屋は果心居士に協力してこの戦をプロデュースし、引き換えに何かを求めているようで……!
肉屋の目的は果たして!?
戦いは、さらに混沌と化していくのです!!
というわけで、クライマックスを迎える本作。
怒濤の勢いで進展していく半蔵戦争、その結末までが描かれることとなります!!
窮地を楽しむ戦屋、その恐るべき能力も明かされ、戦いはいつにもまして激しいものとなるのです!!
その猛烈な戦いを生き抜くものは、無縁之助なのか、半蔵なのか、それとも誰もいないのか。
本作史上最大規模の戦い、その結末は……!!
完結を迎える本作ですが、残念ながら物語は結末まで描かれません、
そのすさまじい無縁之助の戦いは、これからどうなっていくのか?それはとても気になる所……
世に言う打ち切り漫画的なラストを迎えてしまう本作ですが、とりあえずの一段落は迎えます。
それまでの戦いは本作らしい迫力あふれる読み応え十分なものなので、惜しさも倍増ですよ!!
本作のその後がいつか読めることを楽しみにしつつ、横尾先生の次回作を待ちましょう!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
「百人の半蔵」第4巻 横尾公敏先生
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。
さて、半蔵たちが東西にわかれ殺し合いを行う、天下分け目の合戦ごっこ「半蔵戦争」が間近に迫るその頃。
無縁之助は獣屋と九兵衛と言う仲間を得て、さらに半蔵への戦いに勢いをつけていました。
そんな中、半蔵戦争の混乱に紛れて地下幕府も一気の勝負を賭けようともくろみ……!!
幕を開けた半蔵戦争。
8人の半蔵を擁する東軍は「戦屋の半蔵」を大将に、13人の半蔵が参加する西軍は「武器屋の半蔵」を大将に。
戦力の差は大きく見える両軍の戦いですが、実際はそれほど大きな戦力差はないでしょう。
大勢の兵隊も重要ではありますが、なんといってもこの半蔵戦争の行方を左右するのは半蔵の持つ特殊な術と言っていいはずなのですから!!
東軍は、まず「植木屋の半蔵」が猛烈な勢いで進軍していました。
額に木をはやした奇妙な男ですが、その能力はなかなかに強力。
彼が歩を進めたその足跡から、どんどんと植物の芽が顔を出し、そしてそれがみるみると成長!
やがてその植物は、まるで人間のような手足を生やし、木人の大群となって植木屋とともに駆け出したのです!!
が、その植木屋の耳に自らの作りだした木人軍とは違う進軍の音が飛び込んできました。
ごろごろと鳴り響くその音の方向に、植木屋は文句をつけました。
「石屋」!テメー、俺が一番でぇ!!と!
石屋と呼ばれた男は、植木屋に向かってこう返答。
そこにいるのは野菜嫌いのサラダ男君か、ちょろちょろしないでくれるかな、潰しちゃうよ。
その男は石屋の半蔵。
植木屋が植物を自在に操るように、石屋もまた石を自在に操る力を持っています。
石屋は、手に持っている小さな石にマイケルと名前を付け、話しかけております。
ねぇマイケル、僕たちが一番だよね、植物より石のほうが硬いし重いしカッコイイよね。
そんなことを言う石屋に、植木屋も反論。
石じゃなくて俺を見て話せ、それに俺は野菜が嫌いなんじゃなくて、好きすぎて食べられねーんだ!!
と、そんなことを言いながら話をしておりますと……突然きらりと光るものが見えたかと思った直後、木人の兵隊数体が燃え始めたではありませんか!!
その攻撃を仕掛けてきたのは……西軍の半蔵、「乾物屋の半蔵」!!
彼は空気をレンズのようにする力を持っており、そのレンズから太陽光のレーザーを放つことができるのです。
強烈な熱による攻撃は、はっきり言って植木屋の点滴ともいえる力。
木人の兵隊たちは次々と炎上し……その木人たちが燃えていきさまに戸惑っているうちに、植木屋もまたレーザーによって燃やされてしまうのでした。
そんな植木屋の亡骸を踏みつけ、笑う新たな半蔵。
それは、東軍の「氷屋の半蔵」でした。
戦陣で先陣を切って戦塵と化す、とダジャレを言いながら現れた氷屋、その名の通り冷気を操る力を持っています。
早速乾物屋に攻撃を仕掛けようとしますと、すでに乾物屋は一目散に逃げだし始めておりました。
曇ってきたから今日は帰るわ!とのことです!!
そんな戦局を見ながら、戦屋はほくそ笑んでいます。
木や石の兵隊なんて消耗品に過ぎない、氷屋には石屋を立てに直進してもらう。
そして、西軍の陣形を2つに分けてもらいたい。
そんな東軍には、駆けつけてくるはずの肉屋と鋼屋の半蔵が来なかったという痛手もありました。
ですがそんな戦局を、戦屋はむしろ楽しんでいるのです。
不利な戦局ほど面白いんだけどね。
乗り切った時はおしっこ漏らすほどに震えるんだよね。
嗤う戦屋のもとに、山をも砕く火薬の使い手「花火屋の半蔵」が姿を現します。
楽しんでるな、と言う花火屋に、戦屋は笑いながら語りました。
もう傑作傑作、震えて運子が漏れちゃうぐらい傑作ですよ。
ねー、四郎とを統率のとれた軍隊に簡単にする方法って知ってます?
死ぬほどの恐怖ですよ。
クズでも必死に戦うとプロ並みの力を出すんですよ。
必死って誰が作ったんでしょ、良い言葉ですよね。
必ず死ぬけど、すごい力を出すんですよ。
彼ら消耗品のためにある、ステキな言葉ですよね。
……いやらしい笑いを浮かべる戦屋……!
正真正銘の、クソ野郎のようです!!
無縁之助はと言うと、西軍のただなかでがむしゃらに刀を振るっていました。
クソ!クソ!クソ!全部がクソ野郎だぜ!!クソ最高!
そう言いながら、目に映る敵すべてを切り刻んでいました。
クソをクソ斬りまくってもクソ終わりがねーぞ!クソ天国かよここは!!
そう言って高笑いする無縁之助を、物陰に隠れてうかがう獣屋と九兵衛……
ですが九兵衛は、突然酒が切れたといってどこかへ消えて行ってしまいます。
彼の目的は一体……?
そうこうしている間に、無縁之助の前にまた新たな人物が現れました。
それは、半蔵でも半蔵の手の者でもありません。
本来、半蔵を倒すという目的の上では仲間になるはずの……地下幕府、半蔵惨殺隊の長、大石内蔵助!!
ですが内蔵助は、無縁之助を見るなり切りかかっていったのです!!
兄さん強いじゃねえか、何者だ!?
そう言っていきなり切りかかってくる相手に、無縁之助も素直に名乗るほど素直ではありません!
クソ勝負だ!クソ野郎!!と叫び、敵の陣中真っ只中で仲間との切りあいを始めてしまうのでした!!
そんな死屍累々の戦場の中で、高笑いしているものがいました。
無縁之助に力を与え、寿命を奪った怪老……果心居士!!
何よりも戦乱と混乱、そして腐乱の匂いを好む果心居士。
この戦は、彼に取って最も喜ばしいものといえます。
そんな果心居士のもとに現れたのは……無縁之助たちが殺したはずの、肉屋でした!!
肉屋は果心居士に協力してこの戦をプロデュースし、引き換えに何かを求めているようで……!
肉屋の目的は果たして!?
戦いは、さらに混沌と化していくのです!!
というわけで、クライマックスを迎える本作。
怒濤の勢いで進展していく半蔵戦争、その結末までが描かれることとなります!!
窮地を楽しむ戦屋、その恐るべき能力も明かされ、戦いはいつにもまして激しいものとなるのです!!
その猛烈な戦いを生き抜くものは、無縁之助なのか、半蔵なのか、それとも誰もいないのか。
本作史上最大規模の戦い、その結末は……!!
完結を迎える本作ですが、残念ながら物語は結末まで描かれません、
そのすさまじい無縁之助の戦いは、これからどうなっていくのか?それはとても気になる所……
世に言う打ち切り漫画的なラストを迎えてしまう本作ですが、とりあえずの一段落は迎えます。
それまでの戦いは本作らしい迫力あふれる読み応え十分なものなので、惜しさも倍増ですよ!!
本作のその後がいつか読めることを楽しみにしつつ、横尾先生の次回作を待ちましょう!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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