1000
今回紹介いたしますのはこちら。

「百足」第1巻 フクイタクミ先生 

秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、異形とのバトルもの(+ちっちゃい男の子と大きい女の子のカップリング)をメインに描いてきたフクイ先生の最新作となる本作。
本作はそんなフクイ先生の作品群とはちょっぴり違う味付けがされた作品となっています。
時代劇となっている本作、その内容は……


お泉と田彦の二人は、森の中を走っていました。
二人を追いかけているのは、見上げるほどに巨大な大熊!!
懸命に逃げていたものの、足場の悪い森の中。
聳える木々に道を阻まれ、とうとう追いつかれてしまいました。
熊の牙が二人に容赦なく降りかかろうとするその瞬間!
1001
突如現れた大男が熊のこめかみに膝蹴りをたたき込んだのです!
大男、熊がすでに手負いで見境なく暴れていることに気づくや、振り下ろされた爪を素手でいなし……
熊の頭に鉄槌を振り下ろし、熊を葬ってしまったのでした!!

男の名は馬頭丸。
二人を助けた後さっそうと立ち去ろうとしたのですが……実は少し前に飢えをしのぐためにそこいらに生えていた毒キノコを食べてしまっていまして、ぶっ倒れてしまいました。
結局、二人に逆に助けられる形になり、彼らの村でご厄介になることになります。
元々は一宿一飯の恩、というつもりだった馬頭丸ですが、毒キノコの毒は相当に強力でして。
常人ならば死んでいるような猛毒、屈強な体を持つ馬頭丸は死にこそしなかったものの、さすがに五体満足とはいきません。
満足に起き上がることができず、完全に体が元に戻るまでは時間がかかりそうです。
とりあえず体が治るまではご厄介になるとして、その後世話になったお礼、しかる後当初の目的であった仏門に下るための旅に戻ろうということになりました。
数日がたつころには、お泉の肩を借りて歩けるようにまで回復。
肩を借りてしまってすまないという馬頭丸ですが、お泉は気にするな、いくらだって貸したいくらいだとにこやかに対応。
そして、なんでお坊さんになりたいんだと質問をしてきます。
実は馬頭丸、お坊さんになりたくて仕方がないとというわけではないのだそうです。
その理由は、育ての親であり、拳法の師匠でも人物が今際の際に言った言葉にありました。
自分はお前に何か与えてやれただろうか、逆に奪ってはいなかっただろうか。
この先お前が飢えないか心配だ、もしも行き場がないと思ったら、これを持ってわしの育った寺へ行くといい。
亡くなった師を安心して眠らせるためにも、馬頭丸はその言葉に従って寺に行こうと考えた、ということのようなのです。
ちなみに馬頭丸が師に教わったのは、武器を持たず戦い、自分の手足そのものを武器と為す「百手無双流」。
その威力はとんでもないもので、素手で巨木を立てに両断するほどの荒業なのです!!

その頃、このあたりには嫌なうわさが広がっていました。
近頃出没する「百足」。
それは、100人からなる賊で、あちこちの村を襲っては女も子供も容赦なく皆殺しにするというとんでもない集団なのです。
さらにお役人までもがなすすべなく惨殺されたと言う話もあり、もう手が付けられない状態なのだとか。
怖い、と怯えるお泉。
そんなお泉を田彦は、姉ちゃんは俺が守るより兄ちゃんと夫婦になったほうがいいな!と冷やかすのです!
突拍子もない言葉に、あぜんとする馬頭丸。
ですがお泉はそうでもありません。
それどころか、突然そんなことを言われたとしても……自分はちっとも困らない、と頬を染めて熱のこもった視線を馬頭丸に投げかけてくるのです!

翌日。
お泉とと田彦、そして二人の父の三人で馬頭丸に精をつけてもらおうと山芋を取りに行くことにしました。
残った馬頭丸は、二人のお母さんに炊きつけられています。
好きなら好きって言え、あの子はあんたを気に言ってるし、ちょうどいいじゃないか!
お母さんにもそう言われましたし、村の人々からも力のある馬頭丸は重宝されています。
皆も歓迎してくれていますし、何から何まで師匠の言うとおりに生きていては、逆にいつまでも師匠に心配をかけてしまうかもしれない、と言う考えもよぎり始め……
馬頭丸は、自分の道を自分で決めることにしたのです。

ところが、帰るはずの夕方になっても三人は帰ってくる様子がありません。
この日は新月。
百足のうわさもありますし、馬頭丸はいてもたってもいられなくなってきました。
走って三人を迎えに行く馬頭丸。
村人は、いろいろな食材を取るために一つ向こうの山まで言っているのかもしれない、もしも変えるのに近道を使っていたりしたら居場所の見当は付かないから、入れ違いのことも考えて待っていたほうがいい、といったのですが……
馬頭丸の不安は的中してしまっていました。
三人の前に姿を現す、数名の巨漢。
1002
警戒しながら、あんたたちこんなところでなんだ、と二人の父は問いかけるのですが……返答は、男の手にしていた金棒の一撃でした!!
弾き飛ばされ……崖下まで転落していった父……
絶叫するお泉と田彦に、男は容赦なく襲い掛かるのです!!

そしてその頃、馬頭丸も奇妙な男に出会っていました。
全身をヨロイに身を包んだその男、出会うなり有無を言わさず巨大な斧を投げてきたのです!!
馬頭丸はとっさにその軌道をそらして避け……
間合いを詰め、顔面に強烈な強烈な一撃をさく裂!!
ヨロイの男は絶命してしまいました!!
馬頭丸の胸は、激しい鼓動を打っています。
それは、自分オン不安が、現実のものだったと気が付かされたからなのでしょうか。
なんだ、殺しちまったぞ。
こいつは何だ。
1003
てめぇらは、なんだ!?
いつの間にか、馬頭丸を取り囲んでいる十数名の悪漢……!!
そう……こいつらこそが悪名を天下にとどろかせる、「百足」なのです!!


というわけで、馬頭丸VS百足の大激戦が始まる本作。
この村で腰を落ち着けようかと言う考えがよぎったその直後に襲い掛かった、悪夢が形を成したかのような存在。
彼らは話が通じるような相手ではなく、標的と見たものはただただその快楽のためだけに殺そうとする残虐な連中です。
そしてその実力は、力の差はあるものの、一般の人々からすれば一人残らず手も足も出ないような強大なもので……!!
馬頭丸は達人中の達人です。
百足が相手といえど、1対1ならばほとんど引けを取ることはないでしょう。
ですが相手は、一匹の「百足」。
100人が運命共同体として共に行動しており……馬頭丸も、その100人をすべて相手にしなければならないのです!!
逃げることは許されません。
馬頭丸が逃げればそれは、お泉や田彦、そして村の人々が襲われることを意味しています。
皆殺しか、皆殺されるか。
そんな究極の戦いが行われるのです!!

本作の見どころは、なんといっても血しぶき舞うバトル!
馬頭丸の八面六臂の大活躍と、百足たちの残虐なる非道の戦法。
そのぶつかり合いが楽しめます!!
百足たちは100人の悪党とザックリまとめられてはいるものの、きちんと個性のある面々がそろえられています。
いかにも悪党といったものから、悪党以下の外道と言えるとんでもないもの、残虐な行いをするとは思えない美女や、奇抜な武器を使う者、コンビネーションが得意なものなど実に多彩なのです!!
スピーディーな息をもつかせぬバトルとともに、キャラクターにも注目ですよ!!
さらに描きおろしもばっちり用意されておりまして、相変わらずサービス満点で、隅々まで楽しめちゃいます!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!