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今回紹介いたしますのはこちら。

「EAT-MAN THE MAIN DISH(イートマン ザ メインディッシュ)」第3巻 吉富昭仁先生 

講談社さんのシリウスKCより刊行です。

さて、再びボルトの冒険を描いていく本作。
時間や空間を超越した存在であるボルトですが、前巻ではとうとう今までにないとんでもない世界にやってきてしまいました。
たどり着いたその世界の街の名は……新宿!!
そしてその世界には、ねじを口にする少年がいて……!?


異界に迷い込んだ少女を、無事彼女の自宅に送り届けたボルト。
この世界での役目はもう終わった……と言いたいところですが、大きな問題が存在します。
この世界にやってくるとき、ボルトは「ゲート」と呼ばれる空間の穴を通ってやってきました。
ですが、そのゲートはもはや存在しません。
どうやれば今までいた世界に変えることができるのか?
ボルトの体に住んでいるテロメアからすれば、それは大きな問題といえましょう。
ボルトのほうはと言いますと、その疑問をぶつけられても「いい質問だ」と笑うのですが……?

とあるアパートの一室では、一人の少年がテレビを見ていました。
テレビではニュースが流れていまして、先ほど起こった事件について報道されています。
その事件は、大型トレーラーの運転手が発作を起こしトレーラーが暴走、だが何者かによってその暴走は阻止された、というもの。
その阻止した者というのはボルトでして、テロメアを介してトレーラーを飲み込んだのですが……
ボルトの姿は映像に映されていまして、少年はそれを見ていたようです。
この少年は、ねじを口にしていた謎の少年。
ボルトが事件を解決したその場にも居合わせていたのですが……実はそれは偶然ではなく、「シーナ」という謎の女性によってあの時間あの場所にあの男が現れる、と聞いていたようなのです。
一体こいつは誰なんだ、とシーナに尋ねる少年ですが、いつの間にかシーナの姿は消えています。
少年はため息をつくと、どこかに出かける準備を始めました。
着替え、家を出て、玄関に鍵をかけていると……背後に気配を感じます。
後ろを振り向くと、そこには……あの男、ボルトが佇んでいるではありませんか。
少年はボルトがじりじりと近寄ってくるのを確認すると、
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すぐさま駆け出し、近くの屋根に飛び移って逃走してしまいました!!
その様子を見たテロメアは、グラサンコートの怪しい野郎からは逃げるに限る、しつけのいいガキだと嗤うのですが、そんなテロメアの憎まれ口にボルトはこう答えるのです。
アイツは面倒なことに巻き込まれるのが嫌いでね。
まるで、あの少年のことをよく知っているかのような物言いですが……ボルトはいつものようにその真意を明かさないまま、ゆっくりと少年を追いかけるのでした。

街のどこに逃げても、コンビニに隠れても、いつの間にか自分の前に立ちはだかるボルト。
少年はそれでも逃げ回るほかなく……いつの間にか、日がとっぷりと暮れてしまいます。
もうは知るのも疲れ果てたころ……少年は、神社にやってきました。
息をつく暇もなく、少年は気づかされることになりました。
目の前に、当然のようにボルトが立っていることに!!
観念したのか、足を止めた少年。
そこでテロメアが、俺様が挨拶してやろうと顔を出すのですが……少年が観念したのは、「逃げる」ことだけでした。
右手を差し出したかと思うと、
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そこから何か巨大な……自動車を生み出し、ボルトのほうへと投げつけてきたのです!!
その自動車は、テロメアを直撃しましたが、ボルトは無事。
テロメアも……まぁ、この程度でどうにかなるたまじゃありません。
さすがの少年も、もはや打つ手がなくなったようで……ボルトと直接会話することを決心した様子。
あんた、誰?とと尋ねてくるのですが……ボルト、いつものように思わせぶりに、いずれわかる、と答えるばかり。
ですが、その右手の平から小さな黒い球を生み出し、これを食えと少年に差し出したのです!!
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いつか役に立つときが来る。
そう言って投げ渡した黒い球は……あの、ゲートではありませんか!
少年の目の前でゲートは巨大化し、ボルトはゆっくりとその中へと歩いて入りました。
ボルトとぐったりしたテロメアがすっかりそのゲートの中へと姿を消すと、ゲートは縮小。
ボルトが生み出した時のような、手のひら大の大きさへと変わったのでした。
取り残された少年の前に、先ほど消えたシーナが姿を現します。
彼女は少年にそのゲートを食べなければいけないと諭してきます。
少年は半信半疑でそのゲートを拾い上げ……どうやら、ただのインテリアじゃなさそうだ、と以前ボルトが言った言葉と同じ言葉をつぶやくのでした。

ボルトはと言いますと、ゲートに飛び込んだ直後のあの世界へと帰りついていました。
テロメアはこれですべて合点がいったようです。
すでに帰り用のゲートを食って持っていたボルト。
そして、あの少年に渡したゲート。
つまりの少年は……!!


というわけで、まさかのシリーズがいったん終わる今巻。
この後、また別のシリーズが展開することになります。
ですがその中でも、キーワードとして登場してくる「トーキョー」。
どうやら物語は、そのトーキョーを一つの軸としたシリーズとなっていくようです!!
しかもこの少年の正体はどうやらあの人物ということですし……いろいろな意味で彼もまた物語のカギとなることは間違いないでしょう。
さらにあの不可思議な少女、シーナの存在も気になる所ですし……
吉富先生いわく、なんとなく付けた「メインディッシュ」というタイトルなのですが、つけたからにはメイン的なことをしなければいけないと思いこの展開になっていったとのこと。
今までのシリーズでも十二分に壮大なストーリーが繰り広げられてきたのですが、今作ではさらにさらに大きな大冒険になっていくようです!!
ボルトは、そしてボルトの周囲で動き回るあのキャラやそのキャラ、あの少年やシーナはどう動いていくのか!?
今後の展開が楽しみでなりませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!