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今回紹介いたしますのはこちら。

「ヴォイニッチホテル」第3巻 道満清明先生 

秋田書店さんのヤングチャンピオン烈コミックスより刊行です。

さて、魔女の伝説が残る地、ブレフスキュ島を舞台に起きる、コミカルでエロスでバイオレンスでオカルティックな日常を描いていく本作。
前巻では大きな動きがあり、クズキとエレナがとうとう本格的に付き合う感じになりました!
このまま平和に過ごせれば一番いいのでしょうが、何せクズキは組の金を満ち逃げして命を狙われる身。
周りには男性を誘惑しては殺害する殺人鬼、スナークもいますし、隙あらば災いを振りまく悪魔までいます。
クズキとエレナは一体どうなっちゃうのでしょうか!?


ヴォイニッチホテルにやってきて、ハネムーンを楽しんでいた新婚さん。
ですがその旦那さんのほうが、当然消息を絶ってしまったのです。
携帯のコールはされるものの、電話に出ることはなく……
心配するおくさんは、藁にも縋る思いで探偵団に相談。
警察は24時間以上消息を絶たないと動いてくれないとのことで、探偵団はその子供ならではのフットワークの軽さでさっそく捜査を始めるのです。

それぞれ違う方向に探しに向かうことにした探偵団、リーダーは心当たりにあたってみる、と一人で向かった先は……探偵団のメンバーの一人でもあるアリスの家。
そしてそこで出迎えてくれたのは……アリスの姉であるスナークだったのです。
草が生い茂った庭を見て、リーダーは手入れしたほうがいいと忠告。
麦に至っては、腐っているものまであるではありませんか。
スナークはそれはそれで役に立つ、と笑うのですが……
フーン、と気のない返事をするリーダー。
その目には、スナークのおっぱいが飛び込んできます。
悪魔にお願いして、大きなサイズにしてもらったそのおっぱいを見たリーダー、すげぇ、すげぇよと顔を赤くしながら打ち震えやがりました。
そんなリーダーの動きを知ってか知らずか、そっと後ろに寄り添ってどうしたのかな、と声をかけるスナーク。
リーダーは、アリスが学校から帰ってくるのはいつごろだっけ?と尋ねました。
御昼過ぎには戻るとのことですが……それを聞いたリーダー、今度は庭の片隅にあるステージのようなものを指さし、あれは何なのかと尋ねます。
それは、処刑台、だそうです。
かつて魔女サスピリオルムが首をはねられた処刑台……の、レプリカです。
それを聞いたらオカルト(主に魔女)大好きなハカセが大喜びしそうだな、とつぶやきながら形態をいじり始めるリーダー。
ちょっと行方不明の知り合いを探してるんだけど、と言いながら呼び出しを始めると……処刑台の扉から、かすかに携帯の呼び出し音が響き始めたのです。
殺人鬼のスナークなんだろ、アリスのねーちゃんが。
それを聞いた瞬間、スナークは……頬を紅潮させ、涎を垂らしながら恍惚として語り始めます。
素晴らしいわ、今まで警察ですら誰一人たどり着かなかったのに、まさかリーダーくんが見つけてくれるなんて、これって運命なんじゃないかしら。
トリップする彼女を無視し、リーダーは話を続けます。
俺らは警察でも正義の味方でもないし、アリスのねーちゃんがしてることを責める気はねーよ。
でももし、アリスを悲しませるようなことがあったら……
そこまで言った瞬間、リーダーの口は封じられてしまいます。
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……おしつけられたスナークのおっぱいで!!
ねぇ、私と気持ちいいことしたくない?
仕方とかもう知識としては知ってるんでしょ?
リーダーくんの大好きなこのおっぱいも自由にしちゃっていいのよ!
リーダーは、慌ててスナークを突き飛ばし、探偵団は色仕掛けにはかからねーぞ!!と、内心のものすごい心地よさを隠して戸惑い気味に見得を切りました!
するとスナーク、寂しげな表情を浮かべます。
残念だわ、リーダーくんとしたかったんだけど。
君にとって私は、アリスのお姉ちゃんでしかないのね。
それに君に手を出したら、アリスに嫌われちゃうか。
そう言ってスナークが足を一回踏み鳴らすと……処刑台の扉は真っ暗な口を開き……
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リーダーは闇の中に吸い込まれていったのです……

エレナにまとまった休暇が与えられました。
休みとなっても得にすることもなく、むしろ仕事のほうがクズキと長く一緒にいられる……
そんなエレナですが、ふと思い立って里帰りすることにしました。
3000年ぶりに帰るという実家ですが、なんとエレナ、じつはロシア出身!!
クズキにはこの島出身ということにしてるから内緒にしといてね、と言い残して出かけていきました。
ホテルに残っているメイドはペルナだけ。
そして、ペルナがちょっと気になることを確かめるため席をはずしたところに、クズキがやってきました。
誰もいなくなったロビーで新聞を読んでいると……彼を呼ぶ声が。
見るからに危ない風貌の男たち数名が取り囲んで……
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久しぶりだな、と呼びかけるその男たち。
彼らは、クズキが兄貴分とともに金を奪い、逃げ出した組の構成員。
……ついにクズキは、最も見つかってはいけない男に見つけられてしまったのです。
それも、今までひそかにクズキを守り続けていたエレナもペルナもいない時に……!!


というわけで、とうとうクライマックスを迎える本作。
本作における最大の血生臭要素である、スナークがらみの事件とクズキを狙う刺客の件が決着となり、物語も完結を迎えることとなります。
リーダーはどうなるのか?スナークは?そしてどちらに転ぶにせよ、ショッキングな出来事が待っているアリスのメンタルは……?
絶体絶命のピンチを迎えるクズキはどうなるのか。
ホッコリ心温まるお話がお上手な道満先生ですが、同時に残酷な結末も容赦なくぶち込んでくることもあるわけで。
果たして本作に待っている結末はどんなものなのでしょうか!?
道満先生曰く、おそらく最初で最後になるであろう「3巻」にもわたる先生最長編、その注目のフィナーレは必見!!
最後の最後まで目の離せない、道満先生ならではのストーリーをその目でお確かめください!!

ちなみに本作に登場したキャラの大体にきっちり(?)した結末が描かれているのも見逃してはいけません!
地味だったあのキャラや、エキセントリックなあのキャラ、もうでない鴨と思われていたあのキャラの「その後」もばっちり描写されていまして、読者を細部に至るまで楽しませてくれるのです!!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!