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今回紹介いたしますのはこちら。

「漫犬 ~エロ漫の星~」第2巻 金平守人先生

少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。

さて、エロ漫の星を目指す漫画家犬、村山ジョンと、投稿イラストの世界で星をつかもうと魂を燃やす三峯徹、そしてそんな彼らに激しい檄を飛ばしながら成長に導く編集者アヤコの三人を中心に物語が展開する本作。
一度は成功への足掛かりをつかんだものの、事故によってすべてがふいになったジョンは、居心地の良い三峯との共同生活を自らすて、一人また1歩目から歩き始めたのですが……?


とある事件を経て、ジョンはエロ漫の星を目指した漫画家たちの夢の跡、トピア荘に住むようになりました。
ぼろぼろに焼け落ち、雨風すら凌げない廃屋……
そこにシートでちょっとした屋根をつけ、木箱を机にして、あとはトーンやらペンやら定規やらを置く。
そこに情熱さえ加われば、もう漫画を描くには十分な環境です。
そんなトピア荘に、なんだかるそうな印象の男が訪ねてきます。
お疲れ様っス、村山先生ェ。
そう言ってジョンに声をかけてきた佐藤と言うその男……漫画編集者でした。
なんと今ジョンは、プロのエロ漫画家となってバリバリと働いているのです!!
しかも佐藤によれば、ジョンの描く漫画はその雑誌の柱とまでいえる人気作とのこと!
この環境ですから、当然ネット環境なんかあるわけもないジョン、ネットでも大反響だと言われてもどこ吹く風といった感じで漫画を描き続けています。
ジョンが連載している「犬で悪いか!」は、持ち込みから即連載で大人気。
可愛らしいビジュアルに容赦ない責め……こりゃもう犯罪ですよ!と作品を絶賛する佐藤。
犯罪という言葉に、何かまずいことでも!?と反応するジョンですが、もちろんこれは犯罪的なまでにイイ、と言うほめ言葉。
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その言葉が嘘ではない証というわけではありませんが、「犬で悪いか!」の単行本発売も決定!!
単行本が出ないことも日常のエロ漫画界での、待望の単行本刊行。
その上佐藤は、バンバン推していく、と宣言してくれました。
嵐をおこしちゃいましょう、とまで言う佐藤の表情には、嘘はありません!!
ジョンはエロ漫の星に一歩ずつ近づいています!!
まさに順風満帆と言えるこの状況。
ジョンはこの一年にあったことを振り返るのでした……

このトピア荘で夢を追った漫画家さんの想いを胸に、原稿に取り組んだジョン。
たまたま持ち込んだ先にいた佐藤に絶賛され、即デビュー、即連載。
アンケートも好調で連載は続き、この度単行本刊行となったのです。
ですがそんなときこそよくないことは起きるというもの。
ジョン自身も、順風満帆すぎる現状に漠然とした不安……何かが足りないような感覚に襲われているのです。
そう言えば依然同業者に言われた、自分の漫画は「ピンと来ない」という言葉。
今の自分の漫画は、「ピンとくる」のだろうか……?
そんな不安も頭をもたげてきます。
ですが、ジョンが掲載されている雑誌の読者コーナーに、いや様々な雑誌の読者コーナーに顔を見せる「三峯徹」氏のハガキでも大絶賛されていますし……
ジョンはその不安を振り払い、前を見据えるのです。
ようやく自分もエロ漫の星を目指す道のりの入り口に立てたんだ。
今はただ、前へ進むことだけ考えて描き続けよう!!
……ですが、そんな彼の真摯な思いを不安に思う仲間もいました。
ジョンは純粋すぎる、素直すぎる。
うまくなりたいという一心で漫画を描き続け、何でも吸収していく彼……
技術力があって器用ゆえに……今のジョンには「エロ漫画を描くうえで一番大事なもの」がすっぽり抜けている!!
果たして彼らが懸念する、そのかけているもの、とは……?

ほどなく、ジョン初めての単行本「犬で悪いか!」第1巻がYPコミックスさんより刊行されました!!
一同の不安を吹っ飛ばすかのように、本作は大反響!
エロ漫画では異例ともいえる勢いで飛ぶように売れ、売り切れが続出します。
そしてそうなれば当然、出版社もさらに売るために重版をかけることに。
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どこに出しても恥ずかしくない順風満帆……ジョンが思い描いたエロ漫の星は、すぐそこまで近づいていた……誰しもがそう思っていたその矢先です。
佐藤のもとに、とんでもない連絡が入ったのは!!

一方、ジョンの同業者仲間たちは首をかしげていました。
近所の本屋さんのどこにも、ジョンの単行本が置いていなかったのですから。
重版をするという情報は入っていましたから、このままじゃ売り時を逃しちゃうのになぁとぼやく仲間達。
ジョンはそんな様子を笑いながらなだめ、出版社さんにも都合があるでしょうし、気が早いですよとたしなめるのです。
そこへやってきた佐藤。
ところが、いつものような笑顔と軽いノリはかけらも見られません。
どんよりとしたオーラをまといながらやってきた佐藤……
その様子を心配して声をかけたジョンに、佐藤は恐ろしい現実を突きつけてきたのです。
くらっちまいました。
都から、「犬で悪いか!」が、有害指定を!
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仰天するジョン!!
有害指定……行政が青少年の育成に「不健全」であると指摘したときに下されるこの判断、これを受けると書店は該当作品の取り扱いを停止し、版元も自主的に出荷を停止します。
つまり……事実上の「絶版」!!
順風満帆から突然のどん底に叩き落とされたジョン……
呼び出しを受けたからこれから都庁に行ってくる、と肩を落として立ち去ろうとする佐藤に、思わずジョンは声を上げるのです。
ボクも連れていってください、と!!


というわけで、順調な一歩を踏み出した矢先に訪れた大事件。
この事件をきっかけとして、ジョンはいよいよ本当にエロ漫の星を目指すための第一歩を踏み出すこととなります。
そしてその道のりに欠かせないのは、信頼できる戦友。
彼と、彼女が、再びジョンとともに歩み始めることとなるのです!!
そんな彼らは本当にエロ門の星となり、世界に嵐を吹き起こすことができるのでしょうか!!
挫折から始まる怒涛の逆転劇。
仲間との共闘。
忘れかけていた、現実……
様々な出来事が起こり、物語はクライマックスへ!!
そのクライマックスでは、もうまさかと言うほかない意外すぎる展開へ!!
本作で迎えるとは思わなかった、まさか、まさかの感動のフィナーレを見逃す手はありませんよ!!

そして注目の三峯さんも、良いところで現れておいしいところを持っていきます!!
現実世界での三峯さん、体調が芳しくないようですが……読者投稿の星を目指して頑張ってください……!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!