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今回紹介いたしますのはこちら。

「黄門さま~助さんの憂鬱~」第4巻 徳弘正也先生 
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスGJより刊行です。

さて、ご老公の道楽のための諸国漫遊のお供として、助さん役に抜擢された進ノ助。
先代格さんが円満引退し、新たに6代目格さんがたびに同行することとなったのですが……?


6代目格さんは、眼鏡をした小柄な男でした。
なんでも筆記試験で水戸藩士トップの成績を誇る、エリート格さんだというのですが……
頭がよく、財政の苦しい水戸藩の負担が少しでも減るようにと、この漫遊の旅にも節約をとあれこれ指示してくる新・格さん。
わがままなご老公、黄門さまは本来ならそんなことしてられるかとぶちぎれるところなのですが……
なんといっても格さんは水戸の藩士。
彼に何かあったとすれば、自分の藩士が危険な目にあう漫遊の旅などやらせ続けることなどできない!と、水戸藩直々に漫遊の旅禁止令が出されてしまうかもしれません。
黄門さまは煮えたぎる思いをなんとか抑え込むのです……!

で、この格さんにはもう一つ問題がありました。
今回の格さん選抜試験、なんと「筆記試験のみ」しか行われていないのです。
平たく言いますと、今回の格さん、武術の腕はからっきし、ということ!!
先代の格さんは、助さんとは比べるまでもありませんが、自分の身を守る程度の腕前は持っていました。
それだけに一同は、悪党と戦うときには黄門さまを守ることに集中しつつ、相手を蹴散らしていけばよかったのですが……
これからはそうもいきません。
黄門さまに加えて、格さんも守っていかなければならないわけです!!

そんな一同がやってきたのは、貧しい農村でした。
お金の節約のため、この村の農家に止めてもらうことにしようと提案し、さっそく民家をあたる格さん。
他の一同は、どんな危険があるかもわからないと大反対したいところですが……
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その一番危ない存在である格さんを、止めることもできないのです!!

幸い止めてくれることになった農家は、善人の親父さんとその息子の三兄弟が暮らす家でした。
朝早くから農作業に精をだし、夜は遅くまで稲の脱穀。
こきばしと言う箸でひたすら稲から穂をそぎ落とす、単調で手間のかかる作業をつづけるのです。
で、格さんもものすごい善人でして、この漫遊の旅を本気の世直しの旅と信じ込んでいまして。
この農民たちを助けるために、藩主に意見を言いに行こう!と言い出します!
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……もちろん黄門さまにそんな気持ちは毛頭ございません。
そんな意見を黙殺し、かといって真っ向から却下するわけにもいかず。
つまらん、とさらに苦虫を噛み潰したような表情を浮かべるのですが……?

そんなときのことです。
降り出した雨の中、急ごうと山道を駆け出した一同の前に……
刀を振りかざした大勢の刺客が突撃してきたではありませんか!!
刺客たちは、農村から様子をうかがい、このチャンスを待っていたのです。
雨が降りしきっているこの状況ならば、番頭の源さんが得意とし、死角にとっては最も厄介な連発銃が機能しない!
正直言いますと、進ノ助がいればこんな十把一絡げの浪人など物の数ではないでしょう。
ですが相手は知る由もない弱点が発生してしまっているわけで……
実は武器の一つも持っていない格さん、震えながらも遠眼鏡を構えるのですが、そこは進ノ助がフォロー。
番頭の源さんも、投げナイフと言う隠し技で応戦!
くの一のお花は自分の身をぎりぎり守れるか守れないかの体たらくですので、そっちは源さんがフォローしていたのですが……
そこで、一同ははたと気が付くのです。
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……黄門さま守るの忘れてた!!
気が付けば今まさに大ピンチと言う状況に追い込まれていた黄門さま。
果たして黄門さまをここから助け出すことができるのでしょうか?
それとも日頃の罰が当たってお陀仏となるのでしょうか!?
……でもそうなれば当然責任を取らされ、進ノ助たちも打ち首待ったなし!!
本作最大のこのピンチ、一体どうなっちゃうんでしょうか!!


というわけで、新キャラを加えて仕切り直しとなる本作。
どちらかと言うと黄門さまの太鼓持ちだった先代格さんがアウトし、正義感の強い頭脳派の格さんがインしたわけで、物語の構成が俄然変わってまいりました!!
世直ししたいかどうかはおいておきまして、黄門さまにとっては逆風になっていくようです!!

そして今回紹介したエピソードの他にも様々なエピソードが用意されています。
夜な夜な村民総出で寺に集まる不可思議な村でのお話。
そして、柳生の剣士を危めたという、最強の「百姓」が登場する話!
その百姓、なんと進ノ助を超える剣術の腕前を持っているそうで……?
争いを好まない進ノ助とその百姓、本来ならぶつかり合うこともないでしょうが……?
今回もシリアスからギャグ、そして徳弘先生には欠かせないお下劣要素がたっぷり用意された一冊となっていますよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!