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今回紹介いたしますのはこちら。

「弱虫ペダル」第37巻 渡辺航先生 
秋田書店さんの少年チャンピオン・コミックスより刊行です。

さて、ファーストリザルトをかけた戦いは、箱根の銅橋と総北の鏑木に絞られました。
とんでもない力を持った銅橋を相手に、青八木の遺志を受け継いだ鏑木は互角に渡り合っていたのですが……?


激闘を終え、通常のレースに戻ると、先行し始めた箱根学園。
ハコガクが集団を作ると落ち着く、このまま山のふもとまでスプリンターを吸収しながら進むぞ、一息つける……と、集団の中にいた選手たちは口々に安堵の声を漏らしています。
が、そこで泉田が動き始めました!
ここからはボクらの仕事だ、そう言うと、安定しているはずの集団が徐々に間を広げ始めて……?
その以上にいち早く気付いたのが手嶋です。
間が空いたんじゃない、「あけた」んだ!
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アイツらは速度を上げて集団の人数を減らす気だ、インターハイ1日目のこの序盤で!!
泉田はアブアブと叫びながら速度を上げていきます!
予想外のスピードアップに、集団の生徒たちは慌てふためき、どんどんと遅れて行ってしまいました。
そんな中で冷静に後を追うのが総北!
手嶋は坂道、鳴子、今泉とともに箱根を追走……間もなく追いつきました!
泉田もそれを待っていたようです。
本来シングルであるはずのボクらが、二ケタゼッケンをつけている。
その意味がわかるかな?
追いすがってきた手嶋にそんな質問を投げかける泉田ですが、手嶋も負けてはいません。
わかるよ、俺たちは去年、二ケタどころか三ケタだったから、と返すのです。
ですが泉田にとっては相手が去年どうであっても関係ありません。
要するに彼が言いたいのは、絶対王者として君臨していた箱根は、どんな手を使ってでも王者の称号を奪還しなければならない、ということ!
泉田が自らファーストリザルト奪取の戦いに参加しなかったのは、この状況を作り出すためだ、と加速していく箱根!!
手嶋は行くぞ2年、と指示を出してそれに食らいついていきます!
そんな必死な手嶋を見て、泉田はあざ笑うかのような言葉を投げかけます。
平凡な走りだね、スプリント争いに二人も出すから苦しいのかい。
挑発してさらに熱くさせるつもりなのでしょうか……?
ですが手嶋はその挑発をこう返すのです。
オレは弱いよ。
だから頭で考えて努力すんのさ、手は打ってあんだよ!
手嶋の指示を受け、総北から飛び出てきたのは鳴子!!
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先ほどもスプリント勝負をしたくてうずうずしていた鳴子と泉田が、早くも本格激突です!!

アブアブと加速をしていく泉田率いる箱根、根性でそれに食らいついていく鳴子。
度重なる加速に、それでもついてくる総北を見て泉田は漏らします。
しつこい、やはり今年もしつこいね、総北。
鳴子君の反応も一級品、彼らはこれで去年僕らからタイトルを奪った。
良いチームだよ手嶋くん、全力で倒すのにふさわしい!!
去年金城さんが言っていた、支え合うチームってやつかい?
……そのチームがなぜ、2人もスプリンターをだして、うちの銅橋一人に負けたのかな?
無駄足だったね!
そんな言葉に、手嶋は手嶋で気を使うな、敗北は勝利への一歩目だ、と強がるのですが……

手嶋が作り上げたチームを十分に理解した泉田。
その上で彼は、自らのチームをこう評しました。
箱根学園史上、最も情熱的なチームだ、と。
強く、冷静で、情熱的に勝ちに行く。、最強のチームだ!!
……確かに自信過剰なところはある泉田。
ですが、去年に見せつけられた箱根の力、そしてあの銅橋の圧倒的な力を眼前に突き付けられてしまってはその言葉の真実味は鮮烈に見えて……
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坂道は息をのむのです。
立ちはだかる大きな壁……そんなイメージが、脳裏によぎって……!


というわけで、インターハイ1日目の第2ラウンドに突入した本作。
銅橋の強さがひたすらに見せつけられたダースとリザルト争いでしたが、それでも鏑木のまだ未知数だった実力の一旦、そして青八木のスプリンターとしての資質も垣間見ることができました。
確かに銅橋は、そして箱根のメンバーは一人一人が怪物と言っていい能力を持っています。
対する総北の面々は、一人一人の実力では箱根に劣っているでしょう。
ですがそこで手嶋の提唱する、支え合い、信じるという力で立ち向かえば勝負はわかりません!!
オールラウンダーに転向したなるこの真価、去年より成長しているであろう今泉や坂道、3年生になってからはまともに披露されていない手嶋と青八木のコンビネーション。
まだまだ総北にも見せていない切り札が残っているわけで、長い戦いになるであろうこのインターハイの先は読めません!!
しかし不安も残されています。
今のところ目立った動きを見せていない御堂筋や小毬たちの京都伏見、いまだ戦術面では未熟と言わざるを得ない坂道、そして今泉の体調。
まだまだ二転や三転では済まないであろう展開が待っている本作、これから先も目が離せなそうですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!