cs0
今回紹介いたしますのはこちら。

「超人戦線」第2巻 原作・青山広美先生 漫画・山根和俊先生 
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行です。

さて、謎の美女「FEE」に選ばれた二人が、未来をつかむために命を懸けた戦いを繰り広げていく本作。
勝利をその手にした者がその先に何をなすことになるのか?
謎をはらみつつ、今巻でも選ばれし戦士たちの戦いが行われるのです!!


秋も深まったころの遊園地。
そこで一人の女性、鬼門美千留がマジックショーを行っていました。
帽子からウサギやハトを出したり、トランプのマジックをしたり、最期はステージ上でぬいぐるみとすり替わって退場する。
良くも悪くもオールドスクールなマジックは、昨今のド派手なマジックがテレビで披露される情勢の中ではお客さんに興味お沸かせることはできません。
美千留はビジュアルだけで人を引き付ける美人ではありませんし、トーク力がずば抜けているというわけでもなく。
客の呼べないショーに金は出せないと、クビを言い渡されてしまうのでした。

夜の公園でうつむく美千留。
自分が手品師としての才能がないことは自覚しているし、子供のころからおしゃべりも友達作りも苦手でいじめられっ子だったし……
それでも、マジックで世界一になるという夢があったからこそここまで頑張ってこられたのに。
悲観にくれる美千留のもとに……現れたのです。
菫色の神の美女、FEEが!!

FEEが持ち掛けてきたのは、だれにもまねのできない本当の魔法が使えるようになってみないかという誘いでした。
たとえば、スプーン曲げ。
もはや古典中の古典と言えるマジックのひとつですが、美千留は自分のようなへっぽこにはそう言う段階からやり直したほうがいいかもね、とうなずくのです。
するとFEEは契約成立、と魔法陣を作り出して美千留に触れて……!
気が付くと、FEEの姿はなくなっていました。
が、頭の中から声だけは聞こえてくるのです。
今与えた能力は、アナタの触れるすべての金属を自由に変形させるもの。
だがこの後始まるゲームに勝って生き残らなければならない……
FEEの声に導かれるまま後ろを振り向くと、そこにはあの奇妙な石板が浮いており、「スプーン曲げ超人 鬼門美千留 VS 軍用犬ハンドラー Dr.ヘル」と記されてります。
事態が呑み込めない美千留ですが、そんな事情もお構いなくそこに一機のヘリが舞い降ります。
そこから降りてきたのは……
cs1
見るからに凶暴なドーベルマンを数匹従えた、軍服の老人だったのです!!

いくらなんでもこんな相手と戦おうなんて思えるはずがありません。
一目散に逃げまわる美千留、様々なバイトで培った身体能力で観覧車によじ登って難を逃れようとしたのですが……訓練されたドーベルマンにとって観覧車など障害にもなりません!
ヘルが命じると、多数のドーベルマンのうちの二頭が一斉にとびかかり、みるみると観覧車を登ります。
ヘルのやれという号令とともに牙をむき噛みついてくるドーベルマン!!
観覧車の支柱にしがみつきながら泣き叫ぶ美千留。
その瞬間のことです!
cs2
太い鉄製の支柱がぐにゃりと曲り、ドーベルマンにたたきつけられたではないですか!!
驚く美千留の前に再びFEEが現れ、こういうのです。
今あなたは無意識に力を解放した、
今度はそれをコントロールするの。
言われるがままに精神を集中させると……鉄柱は見事に思い通りうねり、ドーベルマンを倒して見せたのでした!!

喜びもつかの間、支柱を曲げたことが原因となって観覧車は崩落。
ヘルは素早く逃げて無事回避、美千留もその能力を使って鉄柱でトンネルを作って無傷。
一旦距離が離れ、仕切り直しとなりました。
美千留との戦いによって犠牲となったドーベルマンのもとへ歩み寄るヘル。
自分が敵の能力を低く見誤ってしまったためにお前を殺してしまった、と謝罪したかと思うと……
汝の血は我が血、汝の心臓は我が心臓、我らは死してなお永遠の友、といいながら
cs3
その心臓を貪り食い始めたのです!!
この悲しみ決して忘れない、小娘の心臓、必ず皆に喰わせてやります!!
泣きながら叫ぶヘル……!!
超能力こそ得ていないものの、彼もまた底知れぬ何かを秘める人物のようです!!

そして、ヘルがただ事ではないことは美千留自身もわかっていました。
お化け屋敷にいったん身を隠したものの、相手は訓練されたドーベルマン。
すぐに見つかってしまうからには、戦うほかない!
金属を曲げるだけではなく、ねじ切ったり裂いたりもできる子の能力はいくらでも応用が効く。
さらにこの遊園地でショーをやっていた関係上、地の利は自分にある!
この能力を自分の物とするために、夢だった世界一のマジシャンになるために。
むざむざ殺されたりしない、やってやる!!
不退転の決意を固めた両者。
血を血で洗う激戦、その行方は!?


というわけで、第3戦が繰り広げられる今巻。
超能力持ちと、超能力にひけを取らない超技術がぶつけりあっていく本作ですが、必ずしも超能力持ちが勝つとは限らないのが面白いところ。
前巻でもその勝敗がわかれたように、今巻でも最後の瞬間までどちらが勝つのかわからない激闘が描かれます。
山根先生と青山先生のコンビで、マジシャンの短髪の女の子……と言いますと、どうしても鎌瀬犬臭が漂って着てしまうのですが……どうなのでしょうか!!!
どちらにもドラマがあるこの激戦、勝利をつかむのは!?

そして第4戦も今巻で決着。
注目のカードは、中国拳法秘拳中の秘拳を操る少年VS異常なまでの超視力を得た元医者!
一見すれば少年のほうが圧倒的に有利なようにも見えるこの戦いですが、その戦闘は意外な方向へ!!
ただ目がいいというだけでは片づけられない超視力の持つ力によって、追い詰められる剣法少年……
今までも何度も血を血で洗う戦闘が行われてきた本作ですが、この第4戦の戦いはその中でも屈指のギリギリの勝負となるのです!!

さらに今までも断片的にしか明かされてこなかったFEEの正体にも、わずかながら迫っていく展開も用意されております。
その全容が明かされるのはやはりまだ先のようですが……
こちらも注目したいところです!!