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今回紹介いたしますのはこちら。

「零 影巫女」第1巻 原作・天樹征丸先生 漫画・hakus先生 
講談社さんのマガジンKCより刊行です。

天樹先生は、当初はマガジンの編集者「キバヤシ」として名をはせ、数々の名義で漫画原作・小説などを手掛ける作家さんです。
こちらの名義で有名なものはやはり「金田一少年の事件簿」ではないでしょうか。
現在は独立して仕事をしてらっしゃるようですが、漫画原作は基本的に講談社さんの雑誌で担当されているようです。

hakus先生は三村勇貴名義でも活躍される、イラストレーター・漫画家さんです。
ライトノベルのイラストや、原作付きコミックなどを手掛けており、最近では「真・流行り神」のキャラクターイラストや宣伝用web漫画なども描かれています。
日本一ソフトウェアさんに勤務されていた様ですが、今はどうなんでしょう?
日本一ソフトウェアに勤務しながらコーエーテクモさん原作のゲームのコミック版を描いているとしたら、何気にすごいことのような気がするんですが……!

さて、本作はコーエーテクモさんの名作ホラーゲームシリーズ、「零」シリーズを原作としたホラー漫画です。
原作と言ってもシリーズのどれかを漫画化したという感じのものではなく、14年9月に公開される映画版「零」に合わせたメディアミックス展開の一つのオリジナル作品。
「零」シリーズの要である射影機をもちいつつ、独自の展開を広げていくのです!


夜のプールに立つ、二人の少女。
先に立つ河音(かのん)という少女はこの闇夜の中泳ぐつもりのようですが、後ろに立っている沙羅は気が進まないようで。
泳ごうと誘う河音をきっとすごく冷たいし寒いと思う、と止めようとするのですが……
河音は意気地なしねと言い残してプールに飛び込んでしまうのです。
そのあと、名前を呼んでも彼女は帰ってきません。
恐ろしくなった沙羅は、彼女の名前を呼びながらプールサイドへと走っていきます。
……波一つ立たないプール。
恐る恐る、川音の名を呼びながらプールに手を伸ばすと……
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突然中からどす黒い手が伸び、沙羅の手首をつかんで……!!
そこで、沙羅は目を覚まします。
蒙古の夢を見るのは何度目でしょうか。
沙羅はまたあの夢か、と冷や汗をぬぐいながらため息をつくのでした。

そんな夢が続いたからでしょうか。
沙羅はつい大学の講義中に居眠りをしてしまいます。
その様子をばっちりと講義をしていた准教授、鴻足に見つけられ、明日までに講義の題材になりそうな、ネットなどで簡単には見つからない珍しい学校建築を探してこい、と課題を科されてしまうのでした。

友人の紅湖とともに、大学の図書館をあたってみる沙羅。
ネットにないようなマイナーな、それでいて講義に使えるような学校建築。
そんなものがこの貧弱な大学の図書館にあるのかは疑問ではありますが、何せ起源は明日まで。
目を皿のようにして探していたところ、突然沙羅の名を呼ぶ男が姿を現します。
紅湖が食指を伸ばすようなイケメンのその男、龍崎は「超常現象カメラマン」なる肩書きの記された名刺を渡してきました。
胡散臭さマックスのその男に警戒する沙羅ですが、龍崎はとりあえずこれを見てほしい、と何枚かの写真を渡してきました。
デジタルではない、フィルムのカメラで写されたと思しきその写真。
デジカメじゃ映らないものもある、という龍崎の言葉とともにその写真を見てみると、確かに何やら怪しい靄のようなものなんかが映り込んでいる……いわゆる心霊写真のようで……
最初はこれが何なんだといった気持でそれらを見ていた沙羅ですが、龍崎が最後に出してきた写真を見るとその思いは吹き飛んでしまうのです!!
見覚えがあるでしょうと差し出された写真に写り込んでいたのは……あの、プール!
そしてその中に何かが浮いているのです。
続けてそれをアップにした写真を差し出してくる龍崎。
浮かんでいるのは……人の顔!!
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そしてその人の顔はだれであろう……河音その人のものだったのです!!

この龍崎という男はなぜこの写真を持っているのでしょうか。
それよりも奇妙なのは、彼がこの顔がだれで、沙羅とどんな関係なのか、そして……沙羅が「影巫女」の末裔である、という友人のだれも知らないようなことまで知っている、ということ!!
彼はいったい何者なのでしょう。
そんな正体は明かされることなく、彼はその場を立ち去ってしまったのでした。

その後、その写真に写っていた学校が面白い建築だということで、ゼミの合宿の場所に決定してしまいました。
期せずして里帰りすることになってしまった沙羅ですが、気は進みません。
あの地元には、数々のよくない思い出があって……
沙羅は部屋の片隅にあった小さなカバンを手に取って、これを渡してくれた祖母の言葉を思い起こすのです。
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沙羅や、この射影機だけは持っていきなさい。
お前の母親もいつも手元に置いていたなら、「消えて」しまうこともなかったじゃろうに……
……漂う不吉な空気。
この合宿平穏無事に終わることだけは、なさそうです……


というわけで、幕を開けた恐怖の合宿。
この運命に導かれた合宿のちで、おそらく沙羅は河音との因縁に何らかの決着をつけることとなるのでしょう。
ですがその前には数々の障害が立ちふさがることとなります。
そこかしこに姿を見せる奇怪な影。
怪しげな動きを見える龍崎。
穏やかな笑顔で迎えてくれる祖母の漏らす不吉な言葉。
そんな不穏な要素を裏付けるかのように、恐怖は容赦なく牙をむいて襲い掛かってくるのです!!
この恐怖から逃れ、あるいは乗り越えて、沙羅は河音の、そして母の消えた真相にたどり着くことができるのでしょうか。
恐怖の連続と、怨霊たちの爪はいったい何人の血を吸えば満足するというのか……
その旋律の先に在る結末が楽しみでなりませんね!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!