今回紹介いたしますのはこちら。
「戦慄の女子高生ストーカー エリカ」 楠本哲先生
少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。
楠本先生は90年代中ごろから活躍されている漫画家さんです。
デビュー後は秋田書店さんを主戦場に活躍され、ボクシング漫画「満天の星」は単行本全19巻に及ぶ人気作となりました。
近年では活躍の場のメインを少年画報社さんに移し玄秀盛先生監修の作品を描いています。
さて、本作は久しぶりの楠本先生完全個人クレジットによる単行本。
そのサブタイトル通り、女子高生のストーカーの恐ろしさを描く作品となるのですが……?
とある高校に産休の先生の代理でやってきた青年教師、青嶋。
三か月という短い間ながら、クラスの担任を受け持つこととなった彼。
そのはじめての担任に挑む前に、あることを他の先生方から言い含められました。
それは、閉野恵里佳という女生徒のことについてです。
「何かクラスで浮いている」存在だという彼女。
その遠回しな言い方を聞いて、青嶋はいじめかと感づくのですが、先生方はそれを断固として否定!
そんなものが本校に存在するわけがないだろう、と激高するのですが……
とにかく、彼女の問題を解決することができたら、青嶋の株も急上昇すること間違いなし。
となれば臨時教師としてではなく、正規採用も見えてくるのではないか……?
そう告げられて、青嶋はほのかにその本採用への期待を高めるのでした。
初めての挨拶を終わらせた青嶋。
そんな青島に、件の恵里佳本人のほうから接触してきます。
先生に相談したいことがあって、と初対面にもかかわらずなれなれしく青嶋の手を引いてどこかへと引っ張って行く恵里佳……
彼女が現れると同時に、青嶋が顔をしかめてしまったのを彼女は気が付いていないようです。
漂ってくる、猛烈な悪臭……
これは彼女の体臭なのか?
青嶋がそんなことを考えているうちに、二人は屋上へとたどり着いたのでした。
この学校ではだれも自分の話を聞いてくれないから。
いじめられているのにみんな見てみぬふり、先生は違うよね、ちゃんと話を聞いてくれるよね?
そう言って青嶋を見つめる恵里佳。
……先生方はああいっていたものの、やはりいじめだったのか。
青嶋の中で、本採用のことがちらつき……
短い間だけど君の担任だし、僕でよければなんだって相談に乗るよ!と笑顔で返事をするのでした。
すると恵里佳は本当に守ってくれるのか、と涙を流し始めます。
その様子を見てよっぽどひどいいじめにあっているのかと判断した青嶋、乗り掛かった船だしと恵里佳のその言葉を真っ向から受け止める青嶋。
僕はいつだって閉野さんの味方だし、君のことは先生が守るから!
はっきりとそう言い切ると、彼女は青嶋に抱き付いていきなりとんでもないことを言い出したのです!!
じゃあ今日恵里佳のおうちに来て、手料理作って待ってるから!!
その勢いと猛烈な悪臭に、しどろもどろになる青嶋ですが、恵里佳は待つのは得意だから遅くなってもいい、絶対に来てのと言い残して去っていったのでした。
授業を終えた青嶋は、就任早々厄介なことに巻き込まれてしまったとため息をついていました。
するとそこに、クラスの女子三人組が真剣な顔で近づいてきます。
そして彼女たちは言うのです。
悪いこと言わないから、閉野にはかかわらないほうがいいよ。
あいつ、マジ頭おかしいから……!!
それだけを告げて立ち去る三人。
三人の真剣なまなざし……恵里佳の問題は、単なるいじめではなさそうです。
そしてこの言葉は、紛れもない「忠告」であって……その忠告を深く考えずに流してしまったことを、青嶋は後悔することになるのです……
恵里佳の家にやってきた青嶋。
いざたどり着いてみると、その家の異様に気おされてしまいます。
敷地内、塀の上に至るまで所狭しとつまれているゴミ、ゴミ、ゴミ……!!
いわゆるゴミ屋敷を間近にして、青嶋は完全に腰が引けてしまいます。
インターホンに指を名橋はするものの、結局そのボタンを押すことはできず、踵を返してしまうのでした。
翌日。
恵里佳は学校を無断欠席していました。
そこで青嶋は、例の三人組に彼女はいじめられているのかなどと単刀直入に聞いてみることにしたのですが……どうやら少し予想していたものと事情が違う様子。
物凄い体臭、大柄で骨太な体格、そして突然キレる厄介な性格。
言うなればクラスのみんなは彼女のことを「触らぬ神に祟りなし」とばかりに触れないようにしているだけのようなのです。
そこで青嶋は、つい今日彼女が無断欠席しているのは昨日約束を破って彼女の家に行かなかったからなのかな、と三人に漏らしてしまうのですが……
三人は料理を作って待っているとまで言っていたのことをキモいキモいと嫌悪感露わに!
青嶋が家を訪ねなかったのも、あの家で、あの恵里佳が手料理を作るなんて言ったらだれでもドン引きするから仕方がない、と同意してくれたのです。
自分の行動が肯定されたことにひとまず安堵した青嶋。
ですがその時、彼は気づいていなかったのです。
その様子を……ひそかに、恵里佳が覗いていたことに。
そしてこめかみに青筋を浮き上がらせ、恵里佳の味方だって言ったのに、と憎々しげにつぶやいていたことに……!!
というわけで、思わぬ事態に巻き込まれてしまう青嶋と、彼を突け狙う恵里佳の物語が描かれる本作。
最初こそ、きちんとした職につけるチャンスかもしれないという打算でこの一件を引き受けた青嶋ですが、この恵里佳という少女はそんな安請け合いをしてはいけない相手でした。
こういった女子ストーカー系の漫画作品といいますと、大体最初は可愛かったり儚げだったりする美少女が、人懐っこく迫ってきたり純愛っぽく告白してきたりして始まるものですが、本作はそのセオリーをいきなり覆してきます!
何せ相手は主人公の成人男性とほぼ同じ体格で、顔こそ不細工ではないようですが、祖の体臭やらで第一印象からあまりよろしくないわけで。
その上この後始まるストーカー行為は、そう言った一見可愛らしい系のストーカーキャラ達に引けをとらない破壊力を持っておりまして……
バイオレンスでダーティーな、どこにも救いのない物語が繰り広げられるのです!!
そのすさまじさは、最後の最後まで健在。
怖気の走る結末は、こういった系統のお話ではある程度予想はできるものではありますが……
それでも、いやだからこそ最大級の嫌悪感を感じることができるのかもしれません!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
「戦慄の女子高生ストーカー エリカ」 楠本哲先生
少年画報社さんのYKコミックスより刊行です。
楠本先生は90年代中ごろから活躍されている漫画家さんです。
デビュー後は秋田書店さんを主戦場に活躍され、ボクシング漫画「満天の星」は単行本全19巻に及ぶ人気作となりました。
近年では活躍の場のメインを少年画報社さんに移し玄秀盛先生監修の作品を描いています。
さて、本作は久しぶりの楠本先生完全個人クレジットによる単行本。
そのサブタイトル通り、女子高生のストーカーの恐ろしさを描く作品となるのですが……?
とある高校に産休の先生の代理でやってきた青年教師、青嶋。
三か月という短い間ながら、クラスの担任を受け持つこととなった彼。
そのはじめての担任に挑む前に、あることを他の先生方から言い含められました。
それは、閉野恵里佳という女生徒のことについてです。
「何かクラスで浮いている」存在だという彼女。
その遠回しな言い方を聞いて、青嶋はいじめかと感づくのですが、先生方はそれを断固として否定!
そんなものが本校に存在するわけがないだろう、と激高するのですが……
とにかく、彼女の問題を解決することができたら、青嶋の株も急上昇すること間違いなし。
となれば臨時教師としてではなく、正規採用も見えてくるのではないか……?
そう告げられて、青嶋はほのかにその本採用への期待を高めるのでした。
初めての挨拶を終わらせた青嶋。
そんな青島に、件の恵里佳本人のほうから接触してきます。
先生に相談したいことがあって、と初対面にもかかわらずなれなれしく青嶋の手を引いてどこかへと引っ張って行く恵里佳……
彼女が現れると同時に、青嶋が顔をしかめてしまったのを彼女は気が付いていないようです。
漂ってくる、猛烈な悪臭……
これは彼女の体臭なのか?
青嶋がそんなことを考えているうちに、二人は屋上へとたどり着いたのでした。
この学校ではだれも自分の話を聞いてくれないから。
いじめられているのにみんな見てみぬふり、先生は違うよね、ちゃんと話を聞いてくれるよね?
そう言って青嶋を見つめる恵里佳。
……先生方はああいっていたものの、やはりいじめだったのか。
青嶋の中で、本採用のことがちらつき……
短い間だけど君の担任だし、僕でよければなんだって相談に乗るよ!と笑顔で返事をするのでした。
すると恵里佳は本当に守ってくれるのか、と涙を流し始めます。
その様子を見てよっぽどひどいいじめにあっているのかと判断した青嶋、乗り掛かった船だしと恵里佳のその言葉を真っ向から受け止める青嶋。
僕はいつだって閉野さんの味方だし、君のことは先生が守るから!
はっきりとそう言い切ると、彼女は青嶋に抱き付いていきなりとんでもないことを言い出したのです!!
じゃあ今日恵里佳のおうちに来て、手料理作って待ってるから!!
その勢いと猛烈な悪臭に、しどろもどろになる青嶋ですが、恵里佳は待つのは得意だから遅くなってもいい、絶対に来てのと言い残して去っていったのでした。
授業を終えた青嶋は、就任早々厄介なことに巻き込まれてしまったとため息をついていました。
するとそこに、クラスの女子三人組が真剣な顔で近づいてきます。
そして彼女たちは言うのです。
悪いこと言わないから、閉野にはかかわらないほうがいいよ。
あいつ、マジ頭おかしいから……!!
それだけを告げて立ち去る三人。
三人の真剣なまなざし……恵里佳の問題は、単なるいじめではなさそうです。
そしてこの言葉は、紛れもない「忠告」であって……その忠告を深く考えずに流してしまったことを、青嶋は後悔することになるのです……
恵里佳の家にやってきた青嶋。
いざたどり着いてみると、その家の異様に気おされてしまいます。
敷地内、塀の上に至るまで所狭しとつまれているゴミ、ゴミ、ゴミ……!!
いわゆるゴミ屋敷を間近にして、青嶋は完全に腰が引けてしまいます。
インターホンに指を名橋はするものの、結局そのボタンを押すことはできず、踵を返してしまうのでした。
翌日。
恵里佳は学校を無断欠席していました。
そこで青嶋は、例の三人組に彼女はいじめられているのかなどと単刀直入に聞いてみることにしたのですが……どうやら少し予想していたものと事情が違う様子。
物凄い体臭、大柄で骨太な体格、そして突然キレる厄介な性格。
言うなればクラスのみんなは彼女のことを「触らぬ神に祟りなし」とばかりに触れないようにしているだけのようなのです。
そこで青嶋は、つい今日彼女が無断欠席しているのは昨日約束を破って彼女の家に行かなかったからなのかな、と三人に漏らしてしまうのですが……
三人は料理を作って待っているとまで言っていたのことをキモいキモいと嫌悪感露わに!
青嶋が家を訪ねなかったのも、あの家で、あの恵里佳が手料理を作るなんて言ったらだれでもドン引きするから仕方がない、と同意してくれたのです。
自分の行動が肯定されたことにひとまず安堵した青嶋。
ですがその時、彼は気づいていなかったのです。
その様子を……ひそかに、恵里佳が覗いていたことに。
そしてこめかみに青筋を浮き上がらせ、恵里佳の味方だって言ったのに、と憎々しげにつぶやいていたことに……!!
というわけで、思わぬ事態に巻き込まれてしまう青嶋と、彼を突け狙う恵里佳の物語が描かれる本作。
最初こそ、きちんとした職につけるチャンスかもしれないという打算でこの一件を引き受けた青嶋ですが、この恵里佳という少女はそんな安請け合いをしてはいけない相手でした。
こういった女子ストーカー系の漫画作品といいますと、大体最初は可愛かったり儚げだったりする美少女が、人懐っこく迫ってきたり純愛っぽく告白してきたりして始まるものですが、本作はそのセオリーをいきなり覆してきます!
何せ相手は主人公の成人男性とほぼ同じ体格で、顔こそ不細工ではないようですが、祖の体臭やらで第一印象からあまりよろしくないわけで。
その上この後始まるストーカー行為は、そう言った一見可愛らしい系のストーカーキャラ達に引けをとらない破壊力を持っておりまして……
バイオレンスでダーティーな、どこにも救いのない物語が繰り広げられるのです!!
そのすさまじさは、最後の最後まで健在。
怖気の走る結末は、こういった系統のお話ではある程度予想はできるものではありますが……
それでも、いやだからこそ最大級の嫌悪感を感じることができるのかもしれません!!
今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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