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今回紹介いたしますのはこちら。

「ハチワンダイバー」第34・35巻 柴田ヨクサル先生 
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスより刊行です。

さて、史上最大の将棋トーナメントを勝ち上がり、そよのハートも射止めて見せた菅田。
谷生どころか、会場のだれもが予想していない優勝者となった菅田は、谷生との最終決戦に挑むのです。
……嘘かほんとか、核を持っているという谷生との決戦に、まさかの東京の命運をもかけて!!


地下。
明太、由紀、リーの三つ巴の戦いがクライマックスを迎えようとしていました。
戦況は、由紀が俄然有利。
リーがサラッと言った「結婚しようか」という言葉を聞いた由紀は「もてている」と認識し、もう舞い上がりまくり。
全く持てたことのなかった今までの数十年、地を這う暗黒時代をようやく抜け出して、今生まれたみたいだ!
ノリノリになった由紀の力はすさまじく、リーが一撃必殺の破壊力を生む踏み込み、「震脚」を踏み込むその一瞬の間をついて、リーを投げ飛ばしてしまうほど!
直後、明太も得意の体術を生かした攻撃を仕掛けるものの、由紀には通用せず。
由紀の体もろともに空高く舞い上がり、したたかに地面へと打ち付けられてしまうのです。
大の字になる明太を見下ろして、由紀は言いました。
地面にもててよかったわね。
私は人間にもてている、その差よ。
……完全に調子に乗ってます。
そんな調子に水を差したのはリーでした。
いきなり俺が悪かったと謝りだすリー。
俺にしては珍しい軽口の、結婚しようというたった一度の冗談がここまで罪だとは。
お前の「モテ」から俺の分は引いといてくれ。
真っ新でやり直そう。
そこに追い打ちをかけるように、めいたが吐き捨てます。
お前は別にもててない。
お前みたいな女に僕は常にいい加減にしろといいたい、お前のモテキはこの世のどこにもない幻だ。
舞い上がった直後に、まっさかさまに叩き落とされた形になった由紀。
あまりにショッキングだったのか、
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その場にぶっ倒れてしまったのでした!!

一方の菅田と谷生。
谷生の四間飛車に対して菅田がとった戦法は、古の最強囲い「金金銀銀天守閣美濃(よんまいてんしゅかくみの)」。
子供のころの菅田の将棋魂に火をつけ、「巨大ロボット」のようだと心を震わせた戦法で打って出ることを選んだのです!
菅田の堂々とした打ち様に、ようやくその実力を認め始めた谷生は、虫呼ばわりしていた菅田に、知っているが名乗っていいぞ、といいました。
ハチワンダイバー。
迷うことなくそう答える菅田。
最初こそなんだそりゃとぽかんとしていた谷生ですが……やがてその名前が81マスに潜る者を意味することを悟ると、徐々に怒りを現してきます。
そんなものがいるのか?
全然だったら死んでも殺すぞ、と!

自分も菅田もミサイルによって消し炭も残らず消えたとしても、死んでもずっとそばでお前を殺し続ける。
永久に殺す。
そんなあり得ない言葉も、谷生の圧倒的な迫力とともに紡ぎだされれば世迷言をと捨てられない現実味を帯びていて。
このままではそのプレッシャーにやられてしまう、と考えた菅田は何か言わなければと必死になります。
何でそんなに、かくより怖いんだよあんた、この野郎。
もう菅田は自分でも何を言っているのかわかっていません。
将棋はここにある、僕の闘争心も将棋盤にある。
そんなまっとうな(?)意気込みが言葉になったものの合間合間に、何故か姿は「中静そよが好き」「中静そよを愛してる」という謎の言葉をはさんでいました!
ところがその言葉こそが谷生を最もうろたえさせるものだったりしまして。
鋭い一手を放つとともに、谷生も言うのです。
中静そよ、を愛してるのは私だ!!

そのあとは二人、どっちがそよを愛しているかという話の応酬となります。
中静そよと僕は相思相愛だ、僕だって勘違いなら火もなしバンジーをしたくなるようなことは普通言わない、今お前が突然愛してるなんてのたまったから、お前にだけは「それはない」「ないぞ無駄だ」とぐざっと鉄槌を下しておくんだ。
僕とお前が死んでもこれだけは覚えておけよ、僕と中静そよは愛し合ってる!
ですがそんな言葉を、谷生は返す刀でバッサリ行くのです。
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オッパイだろ、しょせん。
お前が中静そよを想うとき、何を想う?
菅田の脳裏に浮かんできたのは
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……やっぱり豊満なオッパイで……
うろたえまくる菅田ですが、まず一回オッパイは重罪なのか?と謎の開き直り。
そこで谷生ははっきりさせようか?と何か電話でどこかへ伝えますと……
二人の対局している場所に、そよがやってきたのです!!
二人の戦いは、様々なものがかかり始めました。
この国の運命、お互いの生きざま……そして、愛する者の心!!
史上最大の戦いはまさに最高潮。
そよと出会い、大きく運命が動き出した菅田の行き着く先は……?
史上最大の熱量とオッパイを誇る将棋アクション、とうとう完結です!!


というわけで、最後の決戦が描かれる本作。
あまりにも強大な棋力を持ち、あまりにも深い心の闇を持っていた谷生。
そんな谷生に挑むのは、最初こそ「そうでもない」実力しか持っていなかったものの、様々な棋士との出会い、そしてこのトーナメントを経て大きく大きく成長した菅田でした。
愛の力をもえて、神を超えたそよをも乗り越えた菅田は、谷生に挑む資格十分。
ですがそよへの思いは、谷生もまた劣らぬほどに抱いていて。
将棋と女性、その二つを手に入れるものはだれなのか?
二人にとって、もはや日本の運命なんてどうでもいい、あるのはただ将棋とそよの存在だけ!!
手に汗握る熱戦は、最後の最後まで見逃せません!!

そして地下で繰り広げられる、ビル爆破組の戦いもクライマックスに!!
由紀、明太、リーの三つ巴の戦いは壮絶なものとなるのですが、斬野、羽比田、マムシ、凛……彼らの奮闘もばっちり描写!!
脇役を大事にする柴田先生らしい、見せ場たっぷりのクライマックスとなっているのです!!

さらに恒例のおまけを含んだエピローグ的な部分も納得のボリュームに!
長かったストーリーを終えた一同は、どんなその後を迎えたのか?
涙なくしては見られないかもしれない、激動のフィナーレをその目でご確認ください!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!