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今回紹介いたしますのはこちら。

「鉄風」第6巻 太田モアレ先生 
講談社さんのアフタヌーンKCより刊行です。

さて、新人大会に参加した夏央。
1回戦が終わり、夏央、ゆず子、早苗は順当に勝ち上がりました。
準決勝第一試合は、因縁深い夏央と早苗の激突。
果たしてその内容は……?

ただならぬ空気を漂わせ、試合は始まりました。
ゴングが打ち鳴らされたにもかかわらず、動かない両者。
その様子は、二人の関係を何も知らない観客たちも「何かある」ことを予感させるに充分なもので……
そんな中動いたのは夏央でした。
攻撃や間合いをとるような行動ではなく……拳を差し出す、という挨拶のような行動。
早苗はそれに応じません。
何の感情も読み取れない、冷徹な眼差しを浮かべたまま夏央を見つめていたかと思うと……不意に襲い掛かってきたのでした!!

鋭い左のジャブ、そして続けざまに放たれる右を避ける夏央。
一旦距離をとると、今度は逆に攻撃を仕掛けます。
相手のわき腹をつま先で抉る、三日月蹴り!!
筋肉の隙間を蹴るために、当たれば悶絶は必死の一撃なのですが、早苗はその三日月蹴りを避けるでも受けるでもなく、自らの体に触れた瞬間に身を捩り、受け流して見せたのです!!
そのまま攻撃に転じる早苗、右のストレートを放つ……と見せかけ、夏央の顔の目の前で手のひらをパーに開きます!
自らの腕などで死角を作り、その死角から攻撃を放つ空手の技、簾。
気がついた時には、すでに早苗の右のハイキックが炸裂していました!!
が、そのハイキックが炸裂したのは、夏央のガードの上に、です。
新人とは思えない、見ごたえある攻防。
二人が距離をとると、場内は自然にどよめくのでした。

激闘の最中に、いや、この戦いの最中だからこそ夏央の脳裏に過ぎるものがあります。
少女の頃、ともに空手を習っていた自分と、早苗と……兄との記憶。
夏央と兄が今のような歪んだ関係になってしまったのは何故なのか?
その原因と、切っても切れない過去を思い起こす夏央。
そんな雑念もあってか、夏央は徐々に押され始めます。
ジャブで打たれ、苦し紛れに放ったハイキックの隙をついた軸足狩り。
リングに大の字になってしまった夏央に、早苗はすかさず腹部へのパウンドを落として追撃してきます!!
流れるようにマウントを取って更なる攻撃をしかけんとしてくる早苗。
しかし夏央はすかさず両足を早苗の脇に引っ掛け、押し倒して体勢を逆転させる技、TKシザースで反撃!
逆襲を始める……というところで、第1ラウンド終了のゴングが打ち鳴らされるのでした……!


というわけで、新人戦準決勝が行われる今巻。
並ならぬ実力を持つ早苗は、言うまでも無い強敵。
それに加えて今回の戦いは、夏央のトラウマまでもが襲いかかって来ます。
圧倒されてしまう夏央ですが、最後の最後まで何が起こるかわからないのが格闘技。
夏央に逆転の策はあるのか?早苗がこのまま押し切るのか!?
注目の一戦、その決着は……?

そしてその戦いの中で開かされる、夏央の過去も必見です!
本作で最大の特徴といえるかもしれない、夏央の兄に対しての態度の原因や、リア充を忌み嫌うようになった理由がついに明かされることに!
歪みきった夏央を作り上げた過去、そして今が交錯します!!

さらにゆず子の試合と、彼女の過去も描かれています。
本作のもう1人の主人公にして、もう1人の歪んだ人物でもある彼女。
彼女の過去から読み取れる、その歪みとは……?
こちらも見逃せません!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!