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今回紹介いたしますのはこちら。

「カツラアキラ」 原作・鳥山明先生 漫画・桂正和先生
集英社さんのJCヤングジャンプより刊行です。

本作は押しも押されぬビッグネーム、「ドラゴンボール」の鳥山先生と、「ウイングマン」の桂正和先生の仲良しタッグで生み出された2作品を1冊にまとめたコミックスです。

収録されているのは08年に少年ジャンプで発表された「さちえちゃんグー!!」と、09年~10年に発表された「JIYA-ジヤ-」。
どちらの作品にも共通しているのは、「銀河パトロール」が物語の鍵となること。

で、「さちえちゃんグー!!」はこんなおはなし。
とある星を悪党から救う代わりに、貧しい自分の村を助けてもらおうとする少年ザリドが、一人では心もとないと日本に住む高名な格闘家に助けを求めます。
ですがその高名な格闘家の耳に入る前に、その格闘家の娘さん、さちえが自分の願いごとをかなえてほしさに勝手に助っ人を買って出てしまいまして。
さちえは腕が立つどころか跳び箱もまともに飛べない運動音痴。
ザリドはやむなく一人で戦うことを決意するのですが、やはり倒すべき悪党は相当な実力の持ち主で……

一方の「JIYA」はこんな感じです。
先行していた隊員から、地球は環境も文明も助ける価値の無いゴミ惑星だと言うデータを受け取った銀河パトロール隊員、ジヤ。
ですが地球に関して記されていた昔の文献から受けるイメージとその報告は全然食い違っていまして、気になったジヤは実際現地に渡って調べてみることにします。
すると地球には、少なくとも美しい自然があり、先行の隊員の報告が誤っていることを確認することとなったのでした。
もう少し調査を進めてみると、今地球には「大ノミ」と呼ばれるでっかい虫みたいな生き物が跋扈していて、人間達はそれとその大ノミを操っている怪人、バンパに怯えながら暮らしていることを知ります。
ジヤは現地で出会った男女の協力を仰ぎ、ついでといってはなんですがそのバンパを倒そうとするのですが……
実はこの事件には驚愕の真実が隠されていたのでした!!

と、こんな感じです。
どちらも悪人を退治するヒーローモノに分類されるお話ではあるものの、読み味はまったく違うものになっています。
ページ数が少なく、少年ジャンプに掲載された「さちえちゃんグー!!」ではシリアスなバトルがありながらも、お話はコミカルでシンプル。
それでいて感動のオチもあって、すっきりとした読後感が楽しめるわかりやすい一編になっています!
一方ページ数が多く、青年向けのヤングジャンプに掲載された「JIYA-ジヤ-」の方は、敵の正体が意外なものであるシリアスなドラマに、ここぞとばかりに描かれる激しいバトル、恋愛要素を盛り込んだよみごたえある作品になっているのです。
そして個人的に凄くビックリしたのが、桂先生の手によるものなのか鳥山先生の支持によるものなのか……わりとしっかりした男女の関係が描かれたりすること!!
もちろん絵でバッチリかいてあるわけではありませんが、「した」ことがはっきりわかる描写が……鳥山先生作品で今まであったでしょうか!?いや、多分無いと思います!!
と、そんな意欲(?)作でありながら、バトルの締めや物語のオチがギャグ担っているのはさすが鳥山先生というべきでしょうか……!?

そんな鳥山先生独特のストーリーテリングと、桂先生のスタイリッシュかつエロスもある絵柄で描かれる本編意外にも見所は用意されています。
鳥山先生による各作品の設定画と、同じキャラクターの桂先生による設定が両方が収録されているのです!!
このキャラがこうなったのか、などと見比べる楽しみまで用意されているわけです!!
さらに両先生による対談も収録!!
二人の仲良しっぷりが垣間見られたり、「今後」の可能性なんかも示唆されているこちらも必見ですよ!!


今回はこんなところで!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!