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本日紹介いたしますのはこちら、「少年Y」第3巻です。
作者は原作がハジメ先生、作画がとうじたつや先生。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、別冊少年チャンピオンにて連載されています。

さて、「神さま」なる怪しげな存在から持ちかけられた、文字通り命をかけたゲームに挑んでいくユズルと匡。
協力し合ってゲームに挑まなければいけないところなのですが、思いいれができてしまった人物1名の命と、なんの思い入れも無い人物10名の命を天秤にかけるゲームで意見が対立。
結局ユズルの意思を無視して匡が10名の命を救ったことで、二人は完全に喧嘩別れしてしまうのです。
その命を救った10名ですが、その中に居た2名の人物の様子がなにやらおかしくて……?

生き返った10名は最初から死んでいなかったことになります。
ユズルを加えた11名は、それぞれ他のクラスに振り分けられて新しい生活を始めることになりました。
流石にクラスメイトの3分の2以上が死んでいると言うショックは大きく、新しい生活が始まる日になっても学校を休み続けているものがほとんど。
そんな中で、匡と同じクラスに振り分けられた三上千尋と、杉原直人は登校して来たようです。
二人はあのゲームのコマとして選ばれたクラスの学級委員長と副委員長でした。
久しぶりだねと話しかけてくる二人。
そのにこやかな顔は、クラスメイトの大勢が死んだ今の状況には似つかわしくないような……
よく分からないまま求められるまま彼らと握手する匡。
その時彼らは、サラリととんでもないことを言ったのです。
ありがとう。
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僕たちを選んでくれて。
……あの、選択ゲームの記憶がある……!?
しかもただ記憶があるだけなら、警察に言うとか、もっとするべき対応があるはず。
詳しく話を聞く必要がある。
そう判断し、匡は教室を飛び出していずこかへと消えた彼らを探すのでした!

そのころ、ユズルもまた新しい生活で、思いもよらない出会いを果たしていました。
いろいろあってそんな感じは全然ありませんでしたが、今日が転校後初登校。
ですが本来初登校となる日に感じていた押しつぶされそうな緊張感はまったくなく、落ち着いた気持ちでその日を迎えることができました。
確かにあんなことがあれば、いちいちこの程度のことで緊張なんかしなくなるかもしれません。
自己紹介を終え、担任に促されて自分の席につきますと、隣の席になった女子から声をかけられました。
いい人そうで良かった、
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よろしく!
そう言ってくる女子は、どうみても自分たちにゲームを持ちかけてきた自称「神さま見習い」のワビコではありませんか!!

匡はちょうどそのころ、ゲームのコマに選ばれた2-Bの教室前に来ていました。
閉鎖されたその教室、机やイスは片付けられているものの、ユズルと匡には見えていたクラスメイトの魂はまだ漂っています。
自分達と同じように生き返った10名にもこれは見えるのだろうか?
匡がそんなことを考えていると、ふいに「ヤマサキ君」と声をかけられました。
匡が「ヤマザキ」であることを知っているにもかかわらずあえてそう声をかけてくるのは、あの思わせぶりなことをいっていた杉原です。
杉原は何も言わず、ついてきてと匡を生徒会室に連れて行きました。
そこに待っていたのは……ニュートという黒猫。
要するに二人きりです。
大きな机で向かい合って座る匡と杉原。
さっそく匡は、何を知ってる?と単刀直入に本題に入るのですが、杉原は乱雑におかれていた机の上のものをばさばさと床に払い落としたかと思うと、こんなことを言い出すのです。
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ゲームをしないか?

杉原が提案してきたのは、「交渉ゲーム」。
各自がそれぞれカードに「して欲しいこと」を書き、お互いに見せる。
そのして欲しいこと、「チャレンジ」に納得がいったら「アグリー」と答え、契約が成立。
納得がいかなかったら「ノットアグリー」と答え、交渉は決裂、最初からやり直し。
チャレンジの時間制限は一回あたり10分以内。
そして、もしアグリーと言ったにもかかわらずチャレンジができなかったら?
杉原は奇妙な人形を取り出しました。
その人形は突如牙をむき……
杉原はいいました。
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「再び死んでもらう」。
……この人形、ワビコが用意していそうな普通で無いアイテムのよう。
やはりこの杉原、何か知っているようです。
そしてこの交渉ゲーム、リスクの高いゲームではありますが、危険なチャレンジならばノットアグリーを唱えればいいだけ。
匡はゲームに挑むのです。
最初、匡は出したカードは「お前が知ってることをすべて教えろ」。
いきなり本気のチャレンジを出す匡に対し、杉原が出したのは
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「両腕両足骨折しろ」というとんでもないもの!!
アグリーを唱えれば、自分自身で両腕両足を折らなければいけない……!?
このゲーム、そう簡単に利益を手にすることは難しそうです……!!

そしてユズルにも様々な出来事が起こってしまいます。
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屋上で急に奇妙な行動にでる、ワビコのような女子。
突然強制的に始められる、「執行猶予ゲーム」……!!
次々と巻き起こるゲームと異常事態。
ですがこれらは今までの、ワビコから与えられ続けたゲームとは明らかに違います。
一体杉原達は何者なのでしょうか。
そして、「神さま」とは……?

というわけで、新たなゲームが幕を開ける今巻。
今巻で行われるゲームは、今までのような他人の命を天秤にかける類のものではなく、実際に自分達の命をかけた戦いです。
ゲームの展開上ダメージを負うことはありましたが、今回は負ければ死ぬと言うストレートに危険なもの!
ですがその相手は、確実に「神さま」のことを知っているわけで。
勝つことによって、神さまの情報を得ることができれば。
ただ選択を強いられるだけの状況を打破する手がかりが見つかるかもしれません!!
まだまだその神さまへの朝鮮がやって来る日は遠そうですが、今のこの戦いがその第一歩にはなるかもしれません。
命もかかっているこのゲーム、ただでさえ負けられません。
その上でユズルたちは完全な勝利を収めることができるのでしょうか!?

謎多き黒幕と、死が確実に近づく「少年Y」第3巻は全国書店にて発売中です!
理不尽に降りかかる選択とゲームに悩まされる本作。
気になるワビコ似の少女と、ユズルと匡の仲違いの行く末も注目ですね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!