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本日紹介いたしますのはこちら、「水木しげる漫画大全集 ゲゲゲの鬼太郎」第2巻です。
作者は水木しげる先生。
講談社さんより刊行されました。

さて、少年マガジン掲載の「鬼太郎」を収録している今巻。
今巻は67年に発表された作品をメインに収録しています。
そんな中今回紹介したいのは、鬼太郎が何度もピンチに陥る大長編、「妖怪獣」。
とても強そうには見えないバランスの造形である妖怪獣、果たしてその正体は!?

四国のダム工事現場にぽっかりと穴が開きました。
そこから出てきたのは、服を着込んでいる上に普通に二足歩行している奇妙な狸たち。
そんな狸達が、808匹出てきて腹鼓を打ちながら相談を始めました。
彼らは「八百八だぬき」といわれる妖怪であり、今から250年前に何者かによって封じ込められていた存在で……
そんな彼らが地上に出てきてから一ヵ月後のこと。
空に突然、もうひとつの月が現われたのです!!
その現われた月は、どんどんと地球の方へと近づいていき……
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町はこの世の終わりだ、と大パニックになるのでした!!

その騒動をおさめたのは、早くも登場した鬼太郎でした。
もう一度よく空を見てみろ、と言う鬼太郎の声に従って民衆が空を見上げますと、第2の月は間近にまで迫ってきてはいたものの、すでに停止しておりました。
きっとこれは妖怪の仕業だ、僕の妖気計算髪が強く震えているから。
そんな鬼太郎の言葉を、民衆は笑います。
なにせその妖気計算髪、傍から見ればピンと一本たっただけの髪の毛なのですから。
おまけに口にするのは妖怪の仕業となれば、理解できなくとも無理は無いでしょう……
そんな鬼太郎を笑う民衆の中に、人間の服を着込んだ八百八だぬきが紛れ込んでいました。
人間の無知に比べるとあの子供はなんと恐ろしいことか。
あいつを片付けないことには我々の仕事はできない……
鬼太郎が強力な力を持っていることを看破した狸たち。
ですが人間の中にも鬼太郎の力を知っているものが居たのです。
なんと総理大臣が直々にやってきて、知恵を貸してくれと鬼太郎に頼んだではないですか!!
それを見ていた狸達は焦ります。
人間にへんな入れ知恵をされては困る。
確かに対妖怪の装備をきちんと整えられでもしたら、鬼太郎一人を相手にするよりもはるかに厄介かもしれません!
狸達は早速行動を開始。
会議に出る決心をして、今回の敵はスケールが大きそうだなどとぼやいていた鬼太郎。
その背後に、あの第2の月がどんどんと迫ってきているではないですか!!
慌てて逃げる鬼太郎ですが、背後の上空ばかり見ていた為に橋の上から転落……
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翌日、こぶだらけになって息絶え、川を流れているのをねずみ男に発見されるのでした……!!

とは言えそれは鬼太郎の擬死にすぎませんでした。
狸たちから一旦逃れるために死んだふりをしていたのですが……八百八だぬきも只者ではなく、どうせそんなことだろうと様子を窺っていたのです!!
気がつけば周りは狸に囲まれてしまっています。
こうなっては逃げられませんし、戦ってもあまりに多勢に無勢。
鬼太郎と目玉親父、そしてねずみ男は狸たちにつれられて狸たちの王、刑部だぬきの元へつれられていくのでした……

刑部だぬきのところには、総理大臣もすでに連れ去られていました。
刑部だぬきは、二つもの強力な武器を持っていることを誇示し、鬼太郎たちにでかい顔をするなと迫るのです。
そのひとつは、あの自身を巻き起こすと言う「大なまず」。
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普通のなまずの何万倍もあろうかと言う、巨大な山にも見違えるほどのその大なまずを刑部だぬきは自由自在にあやつれるのだとか……
もしあの大なまずだ大地震を起こせばただ事ではすみません。
とりあえず刑部だぬきの機嫌を損ねないようにしたいところですが……総理大臣は、すでにあの第2の月に向かってミサイル発射の指示をしてしまっていたのです!
あの第2の月は、八百八だぬきが大切にしている「妖怪獣」が入っているのだとか。
それに向かってミサイルを撃つと言うのは、狸に対して宣戦布告をしているようなもの。
それどころかミサイルがつきに直撃すれば、その刺激によって仲から妖怪獣が出てきてしまうことは間違いないのです!!
もはや命令取り消しは間に合わず、ミサイルは第2の月に直撃してしまいました。
幸いすぐに妖怪獣が出てくることはありませんでしたが、第2の月は東京湾に落下。
生まれ出てくるのはもう時間の問題のようで……
そしてその行動に、刑部だぬきはやっぱり怒っちゃいました!
総理大臣に、速やかに政権を渡せ!と迫ってきたのです!!
つまりそれは日本に、狸に全面降伏せよといっているようなもの。
それだけはできないと突っぱねようとする総理大臣ですが、そこで早く政権を渡しなさいとせっついたのは
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なんと鬼太郎です!!
一体鬼太郎の狙いはなんなのでしょう。
そして、妖怪獣のその力とは?
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狸たちの切り札、大なまずは?
鬼太郎に降りかかる呪いとは……?
様々な強敵を前に、鬼太郎と日本の運命やいかに!!

というわけで、強力な武器を複数持った狸の軍勢の翻弄されるエピソードを描く本作。
狸たちの自信は根拠のないものではなく、彼らの操る妖怪獣や大なまずの妖力は圧巻の一言。
紹介した部分だけでも一回殴り殺されちゃってる鬼太郎ですが、この後も何度も何度もメタメタにされてしまうこととなるのです!!
デビュー作「ロケットマン」で使われた第2の月のネタの再利用から始まり、盛り沢山の内容になっているこのエピソード。
なんだかすごいことになっている
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スキンヘッド眼帯鬼太郎もお披露目さ、たっぷり楽しめる内容なのです!!
この他にも幾度となくセルフリメイクされている名エピソード「吸血鬼エリート」や、アニメ版では宿敵に成長する(?)あの妖怪が軽くあしらわれる「妖怪ぬらりひょん」、鬼太郎の意外なギャンブラー気質を発揮する「鏡爺」……
そんな目の離せない漫画のほか、珍しい絵物語形式で発表された「魔女人形」や、のはや恒例となった企画ページもミッチリ収録!!
今回も水木先生ワールドがおなかいっぱい楽しめる内容となっているのです!!

大長編2作を含めて大ボリュームの一冊、「水木しげる漫画大全集 ゲゲゲの鬼太郎」第2巻は全国書店にて発売中です!
鬼太郎がピンチを迎えまくる今巻。
あの手この手でやられては、大逆転する鬼太郎の姿を楽しみませんか!?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!