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本日紹介いたしますのはこちら、「進撃の巨人」第12巻です。
作者は諌山創先生。
講談社さんのマガジンKCより刊行、別冊少年マガジンにて連載されています。

さて、ライナーとベルトルト……鎧の巨人と超大型巨人との戦いに敗北し、二人に拉致されてしまったエレンとユミル。
ライナー達はエレン達に危害を加えようと言う気は無いようですが、壁の外のどこかへ連れ去ろうとしているようなのです。
ライナーたちと取引をしようとしているユミル、そしてとにかくこの場から逃れようと言うことだけしか考えていないエレン。
一体この状況、どうなっていくのでしょうか……?

日没まであと一時間ほど。
エレンの手足の修復が終わり、巨人の動きの鈍る日没を迎えれば、強引にこの場から離れる可能性がわずかながら生まれてきます。
何とかそのチャンスを窺いたいところですが……
エレンがそう思案していた頃、ライナーとベルトルトもまた密かに話し合いをしていました。
本当にユミルを信頼するのか?
ユミルの巨人は小さいけどすばやい、ちゃんと拘束しなければ一瞬でやられてしまうかもしれない。
実際あいつは、マルセルを食ったじゃないか。
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そう言うベルトルトに、ライナーは答えます。
だからこそユミルの立場は明白だ。
せっかく人間に戻れたんだ、うまく立ち回って自分だけは生きたいと思っただろう。
……クリスタに出会うまでは。
ユミルは巨人の群れに飛び込めるぐらいの、自分より大事な人間が出来たんだ、と。
ライナーは、クリスタを助けるなら自分たちに協力する、と言うユミルの行動を信じられると踏んだわけです。
さらに、クリスタはライナーたちにとってもさらっていく価値のある人物のようで。
クリスタは「壁教」の重要人物。
ライナーとベルトルトの探している「座標」が、エレンでなかったとき、その後の活動に有利に働く……
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今度ここに来るときは、クリスタとアニ、そして「それ」をもって故郷に帰る。
そして二度とここへは来ない、それで仕事はすべてお終いだ。
ライナー達がエレン達を「故郷」に連れて行くにしても、それは巨人たちが動かない日没後。
今は静かにその時を待つしかない……
と思われたその時です。
前方のややはなれた位置から、信煙弾が立ち上ったのです!!
アレは紛れもなく、調査兵団がこちらに向かっている証。
こうなってはもう日没など待ってはいられません。
すぐにエレン達を連れて行こうとするライナー。
無駄な抵抗をするな、と念押しをすると、エレンはまだ再生を終えていない手を見せ、俺はこんな状態なんだぞ、抵抗なんてできるわけが無いだろ?というのです。

が、その言葉をいい終わるかいい終わらないかのうちに、エレンはライナーに肘打ちで襲撃!!
死ね、死ね!!と狂ったように暴れまわるのです!!
とは言えいくら暴れても、五体満足なライナーにはかないません、敢え無くガッチリと拘束されてしまうのです。
その横でベルトルトは、ユミルに質問していました。
君は人間に戻るとき、誰を食ったか覚えているか?
どうやらユミルは、ベルトルトたちの仲間、マルセルという人物を食ったことを覚えていないようです。
が、それは当然のことのようで。
ベルトルトたちもそうだった。
エレンもおそらくそうだろう、とベルトルトは言うのです!
そしてベルトルトは、さらにとんでもない質問をユミルに投げかけるではないですか!
一体どれだけ壁の外をさまよっていたんだ?
ユミルはその質問に、澱みなく答えだします。
60年ぐらいだ、もうずっと、終わらない悪夢を見てるようだったよ……
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エレンを背中に縛りつけ、逃走を始めるライナー。
ベルトルトはユミルを背負って逃走を始めたのですが……その最中、ユミルはいきなり主張を始めるのです。
クリスタが来ている、今、彼女を連れ去れ!と!!
わざわざ危険を犯して、万全の状態で無い今クリスタを連れ去るために交戦するのは得策ではありません。
安全を期すために、今回は逃げることに集中しなければいけない状況です。
ですが、日を改めてクリスタをさらう、ということは、さらわれてそのままクリスタはライナーたちの「故郷」の上層部に引き渡されると言うことになるでしょう。
となれば、ユミルがクリスタに生きたまま再会すると言う可能性がグンと減る……
そう考えたユミルは、ベルトルトとライナーに脅迫めいた交渉を行うのです。
クリスタの未来を奪うことになっても、私は生きてあいつに会いたいんだ。
私も戦うから、今より逃げやすくなるからさぁ。
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それとも殺しあうか!?私が正気か確かめてくれよ!!
調査兵団からの逃走劇は、一転してクリスタ奪取の為の決死戦となるのです……!!

というわけで、次々と驚愕の事実が語られた今巻。
エレン以外は当たり前のように交わしている会話ですが、気になる点があまりにも多すぎます。
ライナーやユミルたち、巨人になれる人間は、かつて巨人そのものであったのか。
そしてその巨人が人を食うことで、今のような人間に戻ったのか?
ですがそれならば、もっともっと巨人になれる人物がたくさんいてもいいはず。
それ以外にも何か鍵があると言うことなのでしょうが……?
さらに、エレン以外の三人には「巨人だったときの記憶」もあるようで。
その巨人の記憶も気になるところですが、エレンにはそう言った記憶が一切無さそうなのも不思議です。
一体この違いはなんなのでしょうか。
そして彼らが探している「座標」、どうやら壁の外の世界にもあるらしい組織だった「街」のようなもの、ライナー達が信じている「壁の中の世界の終わり」……
謎は続々と増えていきます。
ですがこの謎が、この世界全体の真相に直結する謎であることは間違いないでしょう!!
物語は着々とクライマックスに近づいているようです!!

すべての鍵となる存在が示唆される、「進撃の巨人」第12巻は全国書店にて大好評発売中です!!
エレンとクリスタに秘められた謎に迫りつつある本作。
DVD付きの限定版も同時発売されておりますので、ファンの方はこちらもゲットしておきたいところですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!