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本日紹介いたしますのはこちら、「オールラウンダー廻」第12巻です。
作者は遠藤浩輝先生。
講談社さんのイブニングKCより刊行、イブニングにて連載されています。

さて、関西選手権を勝ち抜き、念願の全日本への切符を手に入れた廻。
順調な戦績を収めていく中、マキが廻に好意を抱いていることを自覚したりもしまして。
いろいろな出来事が巻き起こる本作、今巻では……?

激戦を勝ち抜いてきた廻ですが、スランプに陥ってしまっていました。
それここれも、最近の戦果もあってすっかり気が抜けてしまったせいです。
そんな廻に喝を入れる……というのが目的ではもちろんないのですが、そのきっかけとなるイベントがおこなわれることになりました。
岩手で催される、震災復興ボランティアと、現地にあるジムの会員とのグラップリングの試合をしにいくツアーが!
なんと言っても、廻は東北で生まれ育った身。
何かがきっかけがあれば自分のできる範囲で助けの手を差し伸べたいと思っていたことでしょう。
……そんな思いを持っていたのは、幼馴染にしてライバルである、喬も同じ。
いろいろなジムを誘ったと言うこのツアーで、二人は再会することになるのでした。
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ボランティア活動、そしてそのお疲れ様会でもいろいろと細かな事件(?)はありましたが、ともかく試合のときはやってきました。
今回の試合は前述したとおり、グラップリング……打撃なしの組技のみでおこなわれます。
対戦の組み合わせは、関東からの遠征組VS地元岩手組、というチーム対抗戦の図式となっていました。
ライバルである喬も、今回ばかりはチームメイトと言うわけです。
そんなライバルが今回だけは味方、と言う存在は喬だけではありません。
以前マキを破って見せた強豪女性選手の延丘や、同じく桃子を撃破した佐久間なども今回はチームメイトとなっているのです!
とは言え、相手のジムはあくまでいちジムですし、ジムを立ち上げた方の方針もあり、気楽に格闘技を楽しむ一般会員が多く。
デモンストレーション的な意味合いも強い、和気藹々とした感じの試合がほとんどなのです。
ですがそんなジムの中にも、少ないながらも本気で格闘技に取り組んでいるものはいます。
完全な益しビジョンならばまだしも、そんなガチな人との試合で負けてはいろいろとシメシが付かないわけで。
廻や勇大などは、そんな対ガチ組要員に抜擢されたのでした!

そんな対ガチ要員で最初に出番が回ってきたのは、喬でした。
喬はそもそも廻と同じ、バックボーンが空手の選手で、打撃が得意のはず。
グラップリングの試合も初めてのはずですし、どんな戦い方をするのかすらもわかりません。
一方の相手はといいますと、ガッチリレスリングに打ち込んできたと言うゴリゴリのレスラー。
グラップリングは専門と言ってもいい相手なのでした!
試合が始まるや否や、鋭いタックルに入る相手!
ですが喬は見事にそのタックルを切ってみせるではないですか!
寝技への対抗力も見せる喬ですが、相手もさる者、すかさず股下に手を差し込んで担ぎ上げようとします!
喬はそれも察知してすばやく脚を回りこませるのですが、相手も二度まではやすやす逃しません!
さっと左腕を喬の右脇に挿し込み、腰投げでひっくり返してしまったのです!
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ついに上を取られてしまった喬。
グラップリングの試合とはいえ、ついに喬に土が付くことになるのでしょうか!?

次に出番がやってきたのは廻です。
相手は、廻と同じく今年の全日本選手権の切符を手に入れた選手です。
本来ならば選手権前に試合することはありえない相手に、グラップリングの試合でぶつかることになりました!
情報によれば、相手の得意技は脇固めチョーク。
不用意な片足タックルは餌食となってしまうことでしょう!
脇を締め、タックルの間合いに入らないように慎重に。
四ツで組んで……などと考えていると、気づけば相手は頭と頭が触れる距離に!!
瞬く間に首相撲に捕らえられ、足を払われ、テイクダウンを許してしまうのでした!!
すかさず廻は相手の股の間に右足を挿し込み、相手を跳ね上げて脱出!!
すばやく中腰の体勢になり、片足タックルを敢行するのです!
が、それはまさに相手の思う壺。
すばやく廻のサイドに回りこみ、右腕を両足でガッチリクラッチ!
両腕で廻のチョークを取りにきました!!
ギリギリのところで相手の得意技を思い出した廻、すばやく反応して仰向けになり、腕を抜くことには成功。
一本負けはなんとか免れましたが、それでも仰向けになったことでサイドポジションが成立し、ポイントを奪われてしまいました。
ポイントで優位に立った相手は、これからじっくり攻めることができるはず。
相手は手始めに腕を取りに来るのですが、同時に廻は体を相手と逆側に捻ってそれを回避……したのですが、それも相手にとっては想定内。
そっちに逃げるならバックをもらうぜ、とほくそ笑むのです。
ところがその心の動きは廻の誘導だったのです!
逆方向に体を捻りなおし、そのまま相手の体の下を潜りこむように回転!!
そしてあっという間にガードポジションに戻したのでした!!
さらに相手の腕を取り、引っ張り込んで体勢を崩してからバックに回り込む廻!
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これは喬が得意としていた技のひとつ。
廻のアビリティであるラーニングが発動したようです!!
相手に合わせて自分の戦法も変容させ、徐々にペースを握っていく「自分が無い」廻のペースが徐々に発揮され始めました!
ポイントではそれでも2-1でリードされている廻。
このまま決めきることはできるのでしょうか?
残り時間はあとわずか。
気になる勝者は……!?

最後に出番のマキの相手ですが……
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アフリカから来た留学生、ジェシカでした。
身長180センチ、体重62キロ、元陸上選手。
日本ではなかなかお目にかかれない、フィジカルで自分と互角以上の相手を前に、グラップリングが得意とは言えないの運命やいかに!!

というわけで、東北編が始まった本作。
あくまでエキシビジョン的な試合といえども、自分の成長を自覚するには大切なこの試合。
相手はもしかすれば全日本で当たるかもしれない選手でもありますし、できればここでは勝って置きたい所でしょう!
グラップリングだけの試合とは言え、見ごたえある試合が描かれていますよ!
そしてこの後はどうやら廻と喬の帰郷編が始まるようで。
今まであまり友人らしいところが描かれることの無かった二人の間に、どんなドラマが巻き起こるのか?
これからの展開にも目が離せませんね!

そして今巻、前半には今回紹介したのとはガラリと違う雰囲気のお話は収録されています。
復興のボランティアからお疲れ様の宴会の様子なんかが描写されているのですが、そこには何故か延丘さんととても仲よくしている廻と、その姿になんていいますか、嫉妬というか、怒りを感じまくるマキさんのあれこれが赤裸々に描かれるのです!
廻は廻で延丘さん相手でもマキさん相手でも久々のラッキースケベに見舞われてみたりと私服のときを味わって見やがっていまして。
マキさんは気が気じゃないのですが、だんだんその様子を面白がるまりあにむかっ腹が立ってきたりもしているようで……?
ちなみに読者の方向けにもサービスシーンがたっぷり。
延丘さんの
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たわわな果実が実をつける、豊満なボデェが惜しげもなく披露されております!!

東北編開幕の、「オールラウンダー廻」第12巻は全国書店にて発売中です。
試合にラブコメ、両方が楽しめる本作。
なんだか伏兵も湧いてきた恋愛要素もですが、徐々に迫ってくる全日本大会にも期待しちゃいますね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!