ri0
本日紹介いたしますのはこちら、「霊媒師いずな Ascension(アセンション)」第5巻です。
作者は真倉翔、岡野剛両先生。
集英社さんのヤング・ジャンプコミックスGJより刊行、グランドジャンプにて連載されています。

さて、一人前の霊媒死として日夜悪霊と闘い続けているいずな。
そんな彼女の成長を裏付けるかのように、様々な心強い(危なっかしい?)仲間もできていきました。
その中でも、他の仲間達とは違って霊能力的なものはないながら、実直な人柄と正義感でいずなの助けになってくれている新井という刑事がいまして。
今回は彼が活躍するエピソードを紹介したいと思います!

白昼の人目も多い中、突然腹部が抉り取られて絶命する人物。
ri1
そんな不可解な事件が、最近だけで5件も起こっていました。
新井はその事件を探っていたのですが、怪しい人物自体はすぐに発見できました。
5件の事件を全て、「たまたま近くで目撃していた」という人物、犬胃。
その上被害者の5人は全て犬胃の経営する会社の社員で、しかもその全員の団体定期生命保険を犬胃が受け取っている、と言うあからさまさ。
当然すぐに疑いの目を向けられたわけですが、なにせ白昼多くの目撃者がいる中で何も周りで怪しいものが見られない状況で、腹がえぐれて死んだわけです。
傍から見れば、何一つ証拠がありません!
投擲して遠隔操作できる刃物などで殺害したのではないか?と言う考えも新井の頭を過ぎったのですが、そのことを問い詰めたときの犬胃の反応から見るに、その線は薄そうで。
かつては心霊否定派だった新井ですが、いずなとの出会いもあって少しではあるもののそちらの可能性も受け入れられるようになってきています。
新井の上司も霊が絡んでいるんじゃない課などと言っているようで、新井はしぶしぶながらいずなに助力を求めることにしたのでした。

前回が新井に協力したときには、いずなは勝手な行動によって犯人に乱暴されそうになってしまいました。
そのとき危ないところで助けてもらったこともあり、新井への協力は(もちろんギャラありきでしょうが)惜しまないいずな。
早速犬胃のすむ成金御殿に向かうのでした。

犬胃の家はきらびやかなお城のような見事な御殿なのに、隣にある彼の工場はボロボロの廃屋同然。
仕事はほとんどなく、創業していないらしいのです。
たまに流れ者を雇って社員にして保険をかけると、何故か必ず1ヶ月ほどで死亡、保険金が会社に入る。
そうやって犬胃はあの御殿を築き上げています。
なおさら怪しい犬胃ですが、いざあってみるともう完全にクロでした。
好色そうな瞳でいずなを見つつ、お小遣いがほしかったら援助してあげるよなんてことをのたまう犬胃、その会話の流れの中でいずなの肩にとまっていたクダの事に触れたのです。
クダは、霊に絡んでいるものしか見えないはず。
一層疑念を強めたいずなはさらに、犬胃の郷土の神様を祀っていると言う祭壇と、犬好きだからとたくさん飼っている犬を見てその疑念を確信に変えたのです!
ri2

「狗」を祭った祭壇と、無数に飼っている犬、そして犬小屋の近くにあった何かを埋めた後や血の跡。
それは比較的メジャーな呪術のひとつ、「狗神」を使役していることを意味しています。
極限まで飢えさせた犬を首だけでして地面に埋め、殺したい相手の臭いの付いた布で肉をくるんで目の前に置く。
臭いを覚えさせたら、その犬の首をはねる。
するとその犬は狗神となり、呪う対象を噛み殺しに飛んでいく……
となれば、犯罪を立証するのは難しいでしょう。
別件で逮捕するしかないと新井は考えるのですが、いずなはそれではまた同じことを繰り返すだけで解決にならないから、自分が狗神の呪いを打ち破りたいと提案します。
ですが相手は5人も殺した凶悪犯。
前回の件もありますし、手を出すなとそれを制止するのです。
……ですが、一度関わったからには放っておけないと考えるいずなはまたも独断で行動。
お前の秘密を全て知っていると言う手紙を投げ込み、あえて狗神を自分に差し向けさせ、直接対決で狗神を撃退しようと考えたのです!

人気のない港で狗神を待ち受けるいずな。
狙い通り襲い掛かってきた狗神は、鋭い牙と目にも留まらぬスピードで攻撃を仕掛けてきます。
いずなもお約束のように服をズタズタにされてしまいますが、今のいずなにとってはそれほど強敵と言うほどではありません。
ri3
数珠を使って唯一の武器である牙を封じることに成功しました。
すると狗神、一目散にどこかへと逃げていくではないですか。
逃げ込んで言った倉庫の中へと追いかけていくと、
ri4
突然ボウガンの矢がいずなの左腕に突き立ったのです!!
放ったのは……そう、犬胃です。
犬胃はこうした不測の事態に備えてか、いつも近くで狗神の攻撃を見守っていたのだとか。
しかも周到なことにその矢には痺れ薬がぬってあり、いずなの体は自由が利かなくなってしまって……!
再び牙を剥く狗神!!
いずな、大ピンチです!!

というわけで、またも自らピンチを招いてしまったいずな。
この後は大体皆さんが予想しているような展開になってこのお話は終わります。
ですが、ここから本作に今までなかった流れが起きまして。
これだけ助けてもらっていれば当たり前と言えるのかもしれませんが、いずなが新井に恋心を抱いてしまうのです!!
いずなが本作で初めてまともに抱く恋心。
この効果は絶大!
なんと今まで惜しげもなく見せていた下着姿、
ri5
新井の前でだけ恥らうようになるのです!!
まさかの乙女モードになったいずな、この恋愛関係の物語は今巻中に結果を見ることになります!
いずなの乙女心は果たしてどんな決着を迎えるのでしょうか!?

ちなみに今巻、サービスシーンはもちろんあるものの、若干抑え気味となっております。
その代わりと言うわけではないのでしょうが、あの人物が再び登場!
「ぬ~べ~」ファンにはたまらないあの人物、今回は彼が新展開の呼び水となりそうで。
これからの展開に期待です!!

いずなさんの成長が見て取れる、「霊媒師いずな Ascension(アセンション)」第5巻は全国書店にて発売中です!
恋するいずなと言うあまり見られることのなかった姿が楽しめる今巻。
新シリーズの到来の予感もあり、見所満載の一冊となっていますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!