wa0
本日紹介いたしますのはこちら、「犬神姫(わんこ)にくちづけ」第3巻です。
作者は宮田紘次先生。
エンターブレインさんのビームコミックスより刊行、ハルタにて連載されています。

さて、霊媒体質のかずらが、犬養の口付けによって犬神の弁天業を降ろして妖怪や悪霊を退治していく本作。
所属する特殊汚染処理課の面々は皆個性的ながら概ねやさしいのですが、問題はその犬養。
ドSと言うのにふさわしい彼は何かにつけてかずらにちょっかいを出して困らせているのですが、かずらはそんな犬養のことが気になって仕方なかったりして。
二人の関係はどうなるのでしょうか!?

ある日、かずらは会社近くのジムにやってきていました。
最近このジムの存在を知ったかずら、体を鍛えることで弁天業の憑依時間を伸ばし、少しでも仲間達に迷惑をかけないようにしたいと考えたのです。
今日は夜から休日出勤だから程々にしておこうなどと考えながらジムの中を歩いていますと、その視界に意外な人物が飛び込んできました。
犬養です!
冷静に考えれば会社に近いこのジムに犬養が通っていてもなんら不自然なところはないのですが、思わずかずらは物陰に隠れてその様子を窺ってしまいます。
普段あまり見ることのない、犬養の筋肉。
wa1
期せずしてその待望の(?)肉体美を目の当たりにしたかずらはうっとりしてその場にへたり込んでしまうのです。
が、そこであることに気が付きました。
まわりにいたジムの会員の女性陣が、犬養を見てカッコいいとざわめきだしたのです!
普段の行動はいろいろ問題がある犬養ですが、黙っていれば格好がいい、ということなのでしょう!
そんな普段のアレな姿を知るかずらもまた、そんな女性陣のように犬養の体を見てにやつくばかりなのですが……!

やがて犬養はジムを後にしていきました。
このまま犬養を見送り、予定通りジムで汗を流すのが普通のところでしょう。
ですがかずらの頭の中には、どうしても犬養の休日の様子が見たい!という考えばかりが浮かんでしまいまして。
wa2
ストーカーみたいなことはできないと思いつつも、結局はジャージや帽子にサングラスまで買い込み、変装して尾行を始めてしまうのでした!

まず犬養がむかったのは大きなホームセンター。
そこで犬養はイタズラグッズを買い込みました。
まず間違いなく、かずらに仕掛けるためのものでしょう……
続けてむかったのは日用品のコーナー。
ネジなどの細かいものに加え、ブラシやベルト、そして椅子を購入。
犬養はなにやらここに座ったらこれがこうなって……と脳内でシミュレーションをし始めまして、その後ニヤリと邪悪な笑みを浮かべ……!!
これも多分、かずらに仕掛ける悪戯用の物。
かずらはその企みをしり、ぞくりとしながらも尾行を続けるのです。

その後の犬養はホラー映画を見て大笑いし、買い食いを堪能した後ゲームセンターに行って子供に混じってゲームを楽しんでいました。
なんだか子供みたいだ、と呟くかずらの顔はほんのり桜色で、自然と笑顔になっております。
このまま尾行を延々と続けていくのかと思いきや、そこにぞろぞろと特殊汚染処理課の面々が総出で現われたではないですか!!
wa3
その様子を見たかずらは、逃げるようにトイレに駆け込みます。
自分に何も言わず、特殊汚染処理課が集まっている……
男同士で話したいこともあるだろうし、仲間はずれって訳じゃないだろう。
自分にそう言い聞かせながらも、かずらの心の中は寂しさでいっぱいになってしまうのです。

なぜか急にゲームセンターを離れようと一同を急かしていた犬養。
ですがその時、絹を裂くような悲鳴が響き渡ります。
それを聞いた犬養は、いちもにもなくトイレに直行!!
するとトイレは窓が割られており、床にはかずらの荷物と巨大な水溜りが残っているだけに。
変装したときにかずらは、自分の霊媒体質を封じて妖怪を寄せ付けないようにする要石をはずしてしまっていまして。
通りすがりの妖怪に目を付けられ、捕らえられてしまったのです!
護身用のお札なんかも先ほどの荷物の中。
人気のない下水道に連れ込まれ、絶体絶命と言ったところですが……そこに犬養と処理課の一同が颯爽と現われたではないですか!!
wa4
どうしてここに!?と驚くかずらですが、犬養はその質問は不適切だとこんな言葉を返します。
「いつから気づいていたか」聞くべきだな、と!
なんと犬養、ジムの時点でかずらに気がついていながら泳がせていたのでした!
となればここにこんなタイミングで駆けつけられたのも頷けるところ。
妖怪も特殊汚染処理課オールスターに囲まれたとあっては歯が立たない……と思いきや、自身の水のような体の中にかずらを取り込み、人質としたのです!
かずらは中から脱出しようとしますが、やはりそれは無理。
ところが一同が手を出せずに焦る中、犬養だけは迷わずダッシュで溶解に突っ込んでいくではないですか!!
じゃあまとめて取り込んでやるぜ!とバックリ体を開いて犬養を飲み込む妖怪。
それこそが犬養の狙い!!
二人がふれあえれば、キスをして口寄せができるわけで。
弁天号は一発で妖怪を四散させてしまうのでした!!

びしょぬれになってしまったかずらですが、すぐ犬養がホテルの部屋と変えの服を手配しました。
かずらは今日は出勤だからと帰ろうとするのですが、いいからと半ば強制的に連れて行かれます。
なんだかいい感じの服に着替えたかずらは、その後指示通りホテルのラウンジへ。
するとそこには特殊汚染処理課の一同が待っていて、
wa5
大きなケーキとともに出迎えてくれたのです!!
この日はかずらが特殊汚染処理課に所属して1周年。
一同がかずら二なにも言わず集まっていたのは、サプライズでそのお祝いしようとしていたのでした!!

感動で思わず泣いてしまうかずら。
幸せな気分に浸り、思わずお酒もすすみます。
夜も更けてくることにはすっかり酔いつぶれてしまいました。
そこで犬養は彼女を抱きかかえ、先ほど手配した部屋に連れて行くことに。
もちろん部屋はシングルで、犬養はそっと彼女を寝かせて立ち去ろうとするです。
が。
犬養は
wa6
かずらに口付けをしたではないですか!!
口寄せ以外の目的で、犬養の方からかずらに……!?
自分が取ってしまった行動に一番驚いていたのが犬養でした。
思わず部屋を飛び出し、頭から水を浴びる犬養、少々飲みすぎたみたいだととりあえず酒のせいにするのですが……

翌日から犬養の様子は明らかに変わりました。
かずらに悪戯も仕掛けず、いつものような仕事をサボってゲームをしたりと言うような行動を取らずに真面目に仕事に打ち込んだり……
もちろんそっちの方が喜ばしいことなのですが、かずらからすればなんだか調子が狂います。
犬養の心中は一体どうなっているのでしょうか!?

というわけで、二人の関係に大きな変化が起きる今巻。
無意識のうちにかずらにキスしてしまった犬養ですが、これはもしかしなくてもかずらに惹かれはじめたと言うこと!?
犬養自身は認めたくないのかもしれませんが、二人はリョウ思いになったと言っていいでしょう!!
ですがその二人の関係には大きな問題があるわけで。
かずらがその身に弁天号をおろすには純潔であることが必須。
二人が結ばれれば、そのときはつまり……
さらにこの犬養の心境の変化が影響しているのか、普段の仕事にも影響が現われてしまいます。
その影響が更なる大事件を招くことになり!?
一体二人の関係はどうなるのでしょう。
結ばれるのか、それとも!?
今後を見守る他ありますまい!!

二人の関係に変化が!?「犬神姫(わんこ)にくちづけ」第3巻は全国書店にて発売中です!
今巻も犬養にドキドキし放題のかずらの乙女っぷりがたっぷりと収録。
衝撃的な展開も待ち構えており、描き下ろされているオマケともども必見の内容となっております!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!