ot0
本日紹介いたしますのはこちら、「おざなりダンジョンTACTICS-タクティクス-」第6巻です。
作者はこやま基夫先生。
ジャイブさんのCRコミックスより刊行ました。

さて、世界の歴史の修正に動き出したマジックアカデミーに対し、ローレシアとゴンドワナは同名を組んで立ち向かうことになりました。
モカ達バンデッドカフェの面々も、マジックアカデミーを動かす「ノスタルジア」との全面対決を挑むことに。
そんな彼らを率いるのがギルドの総帥、エルザ。
彼女はローレシアの中枢、ライノゲアと同化してその一軍を見事に率いていたのですが……?

エルザの父親にして、史上最強の力をもっていた蛮族王サルバドル。
彼が史上最強と称えられる力を得たのは、ある古代器と契約を交わしたからでした。
その力を借りてバーバリアン部族を統合したサルバドルですが、そのときすでに生まれていたエルザにもその契約の影響がでていたのです。
ライノゲアと同期し、絶大な力を得る事になったエルザ。
そのときを待っていたのです。
サルバドルの、エルザの中にいた「それ」は……

マジックアカデミーは、対象の存在を別の時代のものに強制的に書き変えてしまう「アカシックレイヤー」という絶対的な防壁を備えていました。
ローレシア・ゴンドワナ同盟軍はそのその防壁によって続々と数を減らされてしまい、ついにモカ達の旗艦、エスプレッソにもその牙が襲い掛かってきます。
ところが、レイヤーを通過してもなぜかエスプレッソには何の被害もありません。
そんなことはありえないと驚愕するノスタルジア。
そうしている間にエスプレッソはマジックアカデミーへの突撃に成功し、いよいよ直接の白兵戦に挑める状態へと辿り着いたのです!!
アカシックレイヤーに影響されないものなどあってはならない!
困惑するノスタルジアですが、すべての文明のすべての歴史の記録をもつグレート・ソウルが検索すると……アカシックレイヤーの影響を逃れられる力をもった人物を見つけ出すことが出来ました。
稀代の天才魔術師、ダンブルウィード。
他ならぬ、キリマンその人です!!
アカシックレイヤーを防ぐと言う限定的な上に高度な術式。
これをくみ上げたと言うことは、すなわちキリマンはアカデミーの存在とその目的、そしていずれ衝突するかもしれない運命を知っていたと言うことになります。
さすがキリマン、伊達に謎だらけのキャラをやっていません!!
ともかくこれで最終決戦!と意気込んでいたモカ達ですが、ここでバンデッドカフェから連絡が入りました。
私たちは敵を間違っていたかもしれない。
……今、それを言う?
思わず呟くブルマンですが……そのときは来ていたのです。
ot1
エルザの中で眠っていた古代器の目覚めの時が!!

その頃、モカはグレート・ソウルと一対一で対面していました。
アストラルにならず、人間のままでグレート・ソウルの目前まで来たのはモカが初めてだと言うグレート・ソウル。
神に最も近い存在だと自称するグレート・ソウルですが、過去のすべてを知ってはいるものの、未来に起こることはわからないといいます。
そしてそれとは別にもうひとつわからないことがあると言うのです。
それは……モカです。
途方もなく長い間繰り返してきた歴史を記録しているアカシック・レコード。
そのどこにもモカの記憶はない。
ot2
あなたは誰?

グレート・ソウルは、かつて隆盛を極めていた超大陸パンゲアで起きた人類の滅亡を繰り返させないためにアカシック・レコードを記しました。
それ以来、その人類滅亡にいたる自称を起こさせないための歴史の修正を繰り返してきたのです。
パンゲアの起こした過ちを繰り返させないために。
ところがその悲劇が、今まさに再び起ころうとしていました。
それがエルザの中に眠る、古代器の目覚めなのです……!

エルザの中の古代器は、エルザの肉体をコアとして動き始めます。
古代器はみるみると周りのものを自らと同じ古代器へと変化させていくのです。
ライノゲアは、ローレシアのあらゆるものにリンクしていまして。
しかもローレシアが日常的に使用してる兵器、アバターは生物よりも簡単に侵食が可能な様子。
その為に侵食も猛烈に進んでいき……
このままでは程なくして人類はすべて古代器へと変化し、すなわち滅亡を迎えることとなるでしょう。
それを防ぐためにグレート・ソウルが下した決断は……ライノゲアを中心に、すべてを書き換えること。
エルザどころか、アストラルやこの周囲一体にいるすべての存在を消滅させようと言うのです!!
あまりにも残酷な考えですが、もっとも効率的に人類を救う手段ともいえます。
悔しいですが、これは正しい判断だと認めざるをえないでしょう!!
いざ消滅を!と言うその時のこと。
突然その前に術式が刻まれたボールが出現し……
アカシック・レコードを破壊してしまったではないですか!!
その術式はもちろんキリマンが作り出したもの!!
ot3
うろたえるノスタルジアを前にして、これが正しいと言うのはモカとともに行動をともにしてきたアストラル、エスプリです。
過去に縛られるより、未来に責任を持つことのほうが正しい。
そしてモカも彼女なりの言葉でそれに賛同します。
やり直したことを誰もおぼえていなかったら、そのほうが成長できないだろう、と!
その発言を聞き、アカシック・レコードは理解します。
アカシック・レコードに記録されず、その影響も受けない存在。
こんな日が来ることに備えて作られた、「除外者(エクセプター)」。
ot4
記憶するものと忘却させられる者の間に立つ、未知の因子……
それがモカなのだ、と!!
モカにとってそんなことは知ったことではありません。
ot5
ですが、未来に責任を持つと言った手前、やるべきことがあるのはわかっているのです!!
モカはエルザの体の元へと向かいます。
そこでただひとつ、この事態を誰も、エルザすら犠牲にせず切り抜ける方法を知ることになるです。
ですがその代償はあまりにも大きいものでした。
ot6
モカの存在が、消える……!?
ダンジョンシリーズ、史上最大の戦いはついに幕を下ろすのです!!

というわけで、ダンジョンシリーズは本作にて完結、ということになりそうです。
今までのシリーズで描かれてきた、竜、マジックアカデミー、サルバドル、そしてモカの真実を描ききっ手完結に導いてくれました。
さらに最初期から名前がでていたパンゲア等の様々な要素もここにきてその実態をあかしてくれます。
その決着は、まさに本作らしいさっぱりとしたもの!!
数々の伏線を回収し、様々な戦いに決着をつけ。
そしてモカはいつものように、決めるところを決めながらもあっけらかんとそれを乗り越えていってくれるのです!!
モカが最後に闘う相手は、本作最大の大物にして乗り越えなければならない存在。
戦いの先に待つ、フィナーレをごらんください!!

シリーズ完結の「おざなりダンジョンTACTICS」最終第6巻は全国書店にて発売中です!!
メインストーリーはどう見ても、これ以上ないくらいの本作らしい決着を迎えてくれる本作。
ですがだからと言って、モカの冒険がこれで終わるわけはありません!!
きっといつの日か、過去の話か未来の話か、はたまた予想もつかない場所での話かはわかりませんが、モカの活躍が披露される日が来ることでしょう!!
その新たな冒険の日まで、しばしのお別れですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!