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本日紹介いたしますのはこちら、「危ノーマル系女子」第1巻です。
作者は真田ジューイチ先生。
フレックスコミックスさんメテオコミックスより刊行、コミックメテオにて連載されています。

真田先生は、本作以前は主に「カトウハルアキ」名義で「ヒャッコ」等を連載されていた漫画家さん。
本作から名義変更されましたが、「ヒャッコ」関連作品では以前の名義のまま発行されていくようです。

さて、本作は主人公の周りに、彼に好意を寄せる女性が集まってくる日常物、いわゆるハーレムモノに分類される作品です。
ですがタイトルからも窺えるように、登場する女性の面々はアブノーマルな人ばかり!
一風も二風も変わったハーレム作品となっているのです!!

飛び切りの美人、十華。
男子ならば目を奪われて当然の美少女です。
ですがそんな彼女を……いや、女子そのものを冷ややかな目で見つめているものがいます。
「女」なんてろくなものじゃない。
なにを考えてるかわからない、理解できない。
冷ややかな目で女子を見る彼は、シンヤ。
彼の周りには、彼を慕う「女」が取り巻いているのです。

今日彼に最初に声をかけてきたのは、おでこのすぐ上で髪を縛っているサツキでした。
もう昼だと言うのに今頃学校に来て、亜歯用と挨拶する彼女。
何でも彼女は、朝はきちんとおきたものの、その後ニュースを見ていたらこんな時間になってしまったと言うのです。
そのニュースとは、巷を騒がす「連続通り魔事件」の5人目の被害者がでたと言うもの。
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怖いね、物騒だね、と言うものの、さつきはどこか楽しそう。
犯人はいまだにつかまっていないと言うのに……

次にシンヤに声をかけてきたのは、日本人形のような髪型をした小柄な少女、夜子でした。
友達はおらず、無駄なおしゃべりも一切しない。
それが最初の彼女の印象です。
ちょっとした幼児から彼女に声をかけたシンヤですが、その後少しずつ彼女と会話するようになって行きます。
ところがある日突然、夜子はこんなことを言い出したのです。
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シンヤは前世、とある小国の領の主であらせられた。
そして夜子はその方をお守りする騎士で、その記憶がよみがえった、と。
それ以来夜子は、シンヤの後をまるでストーカーのように追いかけ、守護するようになったのです!
夜子は、あの者はいけない、おわかりでしょう?とシンヤがさつきと会話することを咎めだしました。
ですが彼女の設定(?)上、シンヤのほうが立場が上な訳で。
お前には関係無い、俺の言うことが聞けないのか?と威圧の視線を送ると、夜子はうつむくしかないのです。

学校からの帰り道。
シンヤは真っ直ぐに帰宅……はせず、高層マンションを訪ねます。
手馴れた様子でインターフォンを押すと、上がってと女性の声が聞こえてきます。
部屋で待っていたのは、いかにも優等生と言った眼鏡の少女、雅美です。
学校ではお堅い優等生として近づき難いムードを放っている彼女ですが、シンヤとは中学校の頃からの知り合い。
当時から今まで変わらず優等生である彼女は、その特殊な性癖までも変わっていません。
シンヤが彼女のそれを知ったのはほんの偶然からなのですが、それ以来彼女はシンヤに「お相手」をお願いするようになったのです。
その性癖とは……
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ハードなSM趣味!!
シンヤにそういう趣味はないのですが、雅美はどうしてもいじめられらくてどうしようもなくなってしまう時があるようで……

今日も色々な女性に振り回されてお疲れのシンヤですが、夜になってもそれはおさまりません。
こんどはさつきからメールで呼び出されてしまいました。
公園にすぐ来て、と言うメールにしたがって外にでるシンヤ。
相変わらず夜子がどこからともなく現われ、お供しますと告げて来るのですが、シンヤは不要だから帰れと冷たくあしらいました。
さつきは、小さな子供のころからの幼馴染。
当時は泣き虫でいつもシンヤの後ろをついてきたさつきですが、ある日遠くへ引っ越していってしまったのです。
また再会できるなんて、思ってもみませんでした。
ですが別れてからの10年間で、さつきはすっかり変わってしまっていたのです。
公園で待っていたさつきは、ニコニコ笑いながら深夜を迎えてくれました。
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血まみれで。
さつきの足元に転がっているのは、連続通り魔殺人事件の、6人目の被害者。
……そう、彼女こそが連続通り魔殺人事件の犯人だったのです……!!
身も知らない男性を殺したと言うのに、さつきはいつものような調子。
新ちゃんに一番に見てもらいたかったんだもん!とぶりっ子風のそぶりまでしだすのです。
このさつきの「正体」、どうやらシンヤは既に把握しているようで、動じる様子はありません。
ですがいくらなんでも死体を見せられて嬉しいわけもありません。
みたい深夜アニメあるから帰るよと、そそくさと家路に着くのです。
女の子なんだから、お前も早く返れと言い残して。

その家路の途中、シンヤは後ろを振り返り、いいました。
お供入らないって言ったよな。
程なくして電信柱の影から姿を現したのは
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冒頭にでてきた美少女、十華ではないですか!!
マドンナ的存在として羨望の眼差しを集める彼女、その実態はシンヤのストーカーだったのです!
彼女は、あの殺人事件の犯人とシンヤが二人きりになるのは危ない、と監視していたそうです。
自分以外の女がシンヤに近づくのは不本意ながら、ボディガードとして夜子の手配もしたそうで……
まったく女と言うのはろくでもない、と思ったでしょ?
シンヤの思いを見透かしたように、十華はそういいます。
そしてこう続けるのです。私にいわせれば、男の子だって十分不思議な存在だって思うわ。
生きた人間となにを話そうと、たとえ死んだ人間を目の当たりにしようとも、何の感情も映さない、深い深い深い瞳。
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……素敵、と。

というわけで、シンヤと彼を取り巻く普通で無い女子との日常を描いていく本作。
この後もまだまだ普通で無い、危ノーマルな女子が登場するのです!
一日の大半を眠って過ごす少女、夢路。
「吸血鬼」を自称し、ことあるごとにシンヤの血を飲ませろと迫ってくる、赤鐘。
そして、誰よりもシンヤを独占したいと言う気持ちの強い深夜の妹、迷。
そんな様々な女性たちに振り回されながらも、冷ややかにスルーしていくシンヤ。
女性たちはいずれも劣らぬ曲者揃いで、これからも彼女たちは様々なトラブルを引き起こしてくれそうです。
一人だけ危なさの格が違う感じのさつきの同行は特に気になるところ。
彼女がこれからもその手を血に染めていくのか、やがて捜査の手が伸びるのか?
そもそもそういう展開になら無い可能性もありますが、そのあたりは要注目でしょう!
女性陣はもちろんのこと、シンヤにも注意を払う必要がありそうです。
十華が見出したように、すべての物事を冷め切った眼差しで見つめるシンヤ。
彼こそが本作中最高の危ノーマルである可能性すらあるわけで……
登場人物から一人として目が放せません!!

危ない女子との危うい関係、「危ノーマル系女子」第1巻は全国書店にて発売中です!!
真田ジューイチとしての第一歩は、異色のハーレムモノでした。
よくあるハーレムモノに捻りを加えまくった本作、今後も目の離せない展開が待っていそうですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!