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本日紹介いたしますのはこちら、「月光条例」第20巻です。
作者は藤田和日郎先生。
小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行、週刊少年サンデーにて連載されています。

さて、いよいよチルチルを追い詰めることに成功した月光。
ですが追い詰めたチルチルは、なんと女性!
そもそもチルチルと言えば月光が人間になる前の姿のはず。
謎だらけのこのチルチルは何者なのでしょうか?

なんとこのニセチルチルは、あのチルチルの妹、ミチルだというのです。
ミチルのやさしさは、兄であるチルチルはよく知っています。
そんなやさしいミチルが、あれだけの大騒動を……エンゲキブを石にした?
そんなことが信じられるはずもありません。
月光は怒りのままに拳を振り下ろそうとするのですが、それを青い鳥が現われて阻止するのです!!
そして青い鳥は語りはじめました。
チルチルがいない間。ミチルがどれだけ苦労していたかを。
そう、月光は忘れていたのです。
主役がいなくなったおとぎばなしの末路を。
……消滅(デスアピア)の存在を。

チルチルが月光となった後。
主役が消えてしまったわけですから、当然消滅の運命は容赦なく訪れます。
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物語の登場人物、建物、植物……その全てが薄く、あやふやなものになって行き……体が解けていくような苦しさにあえぐばかりになってしまったのです。
それもこれも、チルチルが帰らないため。
それでもミチルは、チルチルが自分を忘れるはずが無い、とチルチルの帰還を信じているのです。
ですがもはや消滅の時はすぐそこまで迫っています。
もう全てが終わるのか。
誰もがそう思ったかと言うその時、突然ミチルと青い鳥をまばゆい光が照らしたのです。
そのまばゆい光の中央に佇んでいたのは、虚ろな表情を浮かべたミチルそのもの。
一体これは何なのでしょうか?
現われたもう1人のミチル本人に聞こうにも、そのミチルは無表情で立っているばかり。
しかしそれを見つめていたミチルはすぐに動いたのです。
家に戻って、手に鉈をもって戻ってくるミチル。
そしてこういいました。
お兄ちゃんがいなくてこの世界がなくなってしまう。
そして今、私そっくりのこが現れた。
神様はこうおっしゃってるんだよ。
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わたしがお兄ちゃんの代わりをおやりなさいって。
そういいながらミチルは自らの髪を鉈で切り落とし、チルチルになったのです。
決められたある程度の言葉しか話すことの出来ない、人形のようなミチルをつれて。
そんな彼女を支えていたのは、たった一つの想いだけでした。
お兄ちゃんが戻るまで、この代役を勤める。
最初はまだミチルもチルチルの代わりを滞りなく勤められていました。
ですがある日のこと、青い鳥がつい口を滑らせてしまったのです。
お兄ちゃんが帰ってこないのは、きっと他のおとぎばなしのキャラクターを助けているからだ。
それが終わったら、帰ってくる。
そう信じているミチルに対し、青い鳥はやり場の無い怒りのあまりこんなことを口走ってしまったのです。
あの騒動の時、チルチルを助けたうちでの小槌に責任をとってもらおう。
チルチルが他のおとぎばなしの中にいるのなら、うちでの小槌にこう願いをかけよう。
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他のおとぎばなしが全部消えちまいますようにって!!
その瞬間。
最悪のタイミングで月打が起こってしまったのです。
ミチルはその青い鳥の言った、あくまで冗談のはずの恐ろしい計画を実行に移したのでした……!!

いま、ミチルはようやく元の姿に戻りました。
ですが、裸の王様は月光がチルチルだと知っていたのに黙っていたと言うだけの罪で1600トンのケープを200年着る罰に処されました。
となればミチルには、どんな重い処罰が下されるのか……
まだ幼いミチルに裸の王様以上の重い重い処罰が化されるのは、あまりにも酷いではありませんか。
ですがミチルの中ではもうその覚悟も出来ているようです。
かつて月光がチルチルだったころ、ミチルが目を輝かせて言っていたクリスマスツリーの一番大きな星をお兄ちゃんにあげると言う言葉。
いつか帰るだろう兄へのプレゼントとして溜め込んでいたたくさんの星の中から一つ、ミチルは月光に手渡すのです。
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いつも遊んでくれてありがとね。
ミチルはそう言って、裸の王様達が盛んに叩いているドアのほうへと向かっていくのです……
それをとめようとする青い鳥には、母から叱られるときは一生懸命叱られなさいと言われたんだ、と返して。
そんな少女を、月光と言う男が見過ごすことが出来るでしょうか?
月光は言うのです。
「幸福の王子」は、見るものに安らぎを与えると言う役割を忘れて、貧しい連中を助けたいという自分の目的のためだけにボロボロになってしまったデクノボーだ。
デクノボーって言うのは馬鹿だ、自分のことだけ考えて周りの迷惑がわからないんだから。
月光はその幸福の王子を、デクノボーをかつての自分と重ね合わせ……
ミチルに告げました。
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オレが一生懸命叱られて来るぜ。
この発言の真意はおそらく……
月光は、全ての罪を被ろうとでも言うのでしょうか!?

と言うわけで、長かったアラビアンナイト編も完結となる今巻。
月光のなぞが明かされ、もう1人のチルチルの謎も明かされたものの、それは新たな展開の始まりでしかなかったのです。
月打のせいだとはいえ、大変なことをしてしまったミチル。
彼女に課せられる罰とはどんなものなのか?
そして、月光は本当にその罪を肩代わりするのでしょうか?
激闘が終わったばかりだと言うのに、その激闘がかすんでしまうほどの大きな動きが物語を揺さぶるのです!!

長い戦いの終わりは急展開の始まりに過ぎなかった、「月光条例」第20巻は全国書店にて発売中です!!
急展開ながら、その前のささやかな静けさも描いている本作。
これはもしかして完結編に突入しちゃったりするのかもしれません!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!