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本日紹介いたしますのはこちら、「バチバチBURST(バースト)」第2巻です。
作者は佐藤タカヒロ先生。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週刊少年チャンピオンにて連載されています。


さて、順調に出世を続け、幕下になった鯉太郎。
阿形改め仁王は幕内、白水も幕下に定着、川口も三段目をキープと好調の空流部屋に新弟子が二人は言ってきました。
ひとりは後援者の親戚ながら、体が大きいだけで見も心も軟弱者の大吉。
そして、学生横綱の肩書きを引っさげて幕下付け出しからデビューとなる常松です。
ですが常松は王虎と知り合いで何かをたくらんでいる様子。
さらに大吉はついついそれとは知らず新聞記者に愚痴を漏らしてしまい、鯉太郎が新弟子に暴力を振るっている、というゴシップの火種をまいてしまったのでした!!

今度問題を起こしたらクビ、といわれていた鯉太郎。
手ひどい「かわいがり」をしていたわけではありませんが、たまたま切れた鯉太郎が食らわせてしまったところを見られてしまったのは事実。
しかも昨今ではこういった体罰的なものは完全にご法度と言う流れもあり、たまたまだと言うことが信じてもらえるとは限りません。
空流部屋にとって鯉太郎は大事な家族です。
当然白水は大吉がしでかしたことに激怒!
お前は鯉太郎の何を見ていたんだ、あれだけ面倒見ていてくれたのに、大吉が原因で一発食らわせただけでこれか!と!
流石の椿も大吉を擁護できず、あれだけ稽古して必死に体を作っていた鯉太郎がどれだけ相撲を大事に思っているかわからなかったのか、と攻めるのです。
大吉はいつものように自分には無理だったんだ、やめさせてくれと泣いて謝るばかり。
それで解決するはずもありませんが、もう彼を引き止めるだけの余裕も白水達にはないわけで。
せめて鯉太郎に詫びだけ入れて行け、と大吉に言い放つのでした。

大吉が鯉太郎が稽古をしている部屋に入ろうとしたその時。
鯉太郎と真琴が放しているのが聞こえてきました。
最悪クビかもしれない。
鯉太郎も今回の事情は痛いほどわかっているようです。
ですがその後鯉太郎が言ったのは、こんな言葉だったのです!
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悪いのは俺だよ、大吉は悪くねぇ。
あれだけ自分勝手でわがまま放題をしてきた大吉ですが、それでも自分が手を挙げてしまったのが悪いと言うではないですか!!
そんな鯉太郎は、実にすっきりとした顔で言いました。
もう誰かを恨んで生きるのはやめたんだ。
そう、元はといえば鯉太郎は全てを恨みながらこの角界までたどり着きました。
追放された父を悪人とみなし、罵詈雑言を浴びせてきたまわりの人々。
そして何よりも、憧れ続けていた自分を裏切ったかたちで死んでいった父に……
そんな境遇から、空流部屋の面々の力もあって変わって言った鯉太郎。
今となっては大吉のような男でもうらむことはないとはっきり言い切れるほどに成長したのです。
それもひとえに「相撲」あってのこと。
そんな鯉太郎から相撲を取り上げてしまうと言うのがどういうことなのか……!?
いつの間にか、大吉の頬には涙が次から次へと伝わっていたのでした。
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その後、大吉の奇行(?)
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のおかげもあってか、とりあえず今回は鯉太郎に処分は下されないまま終わりました。
最悪の事態を脱し、鯉太郎たちはさらに稽古に身を入れることが出来ました。
ですがそのころ同じように、いや空流以上に激しい稽古を行っていた部屋があったのです。
それは他ならぬ宿命のライバル、王虎が君臨しようとしている虎城部屋。
出稽古に来ていた十文字の親方が息を呑んでしまうほどの猛烈な勢いで行われている土俵の中央に建っているのは、やはり王虎でした。
王虎は自分と同期の年上幕下、田上を土俵に叩きつけて見下ろします。
立て、手を抜くなカスが。
その様子は関取以上の貫禄と、それ以上の傲慢さをありありと感じてとれるのです。
なによりも元横綱の父親のアドバイスすら不要なほどの力量持つ王虎を相手にしては、技巧派の田上といえどもついていくことが出来なくとも無理はないでしょう。
あえて王虎を付け人にしている猛虎は田上を下がらせようとするのですが、王虎はそれすらも引っ込んでろと罵倒!
そして田上を足蹴にしながら、頑張ってるアピールをして褒められたいだけだろう?だからお前は誰の意識の中にも刻まれていないんだ、と罵詈雑言の限りを吐き捨てるのです!
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こうまでされても、自分の実力が「それなり」だと知りながら入門した人格者の田上は切れないのでしょうか?
そんな彼に、王虎はとどめの一言を告げるのでした。
生きちゃいねーんだよ、死んでんだテメーは。
決定的な一言を利いてしまったた上は顔面を掻き毟って叫んだ後、ついに
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ブチ切れて王虎の足に噛み付いたではないですか!!
とんでもない暴挙に出た田上ですが、その様子を見た王虎はニヤリ。
キタネーんだよと蹴り上げて田上をあしらった後、確かにこういったのです。
「やっと使えるようになったか」と……!
そして王虎は「あと1人」と内心呟きながら、出稽古に来ていたある力士のほうを見やります。
覇気のかけらも感じさせない表情の、唇の分厚い男……
体はしぼみ、顔はげっそりとやつれていますが、この顔は間違いないでしょう。
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あの男……大鵠!!
プッツンした田上と、げっそりとした大鵠。
この二人を操って、王虎は何をしようとしているのでしょうか……!?

と言うわけで、鯉太郎と王虎の物語が進展していく今巻。
この場所でついに鯉太郎と王虎は同じ幕下に。
とはいえ幕下と言うのは東西60枚、120名が7戦ずつを行う激戦区です。
よほどの巡り会わせがない限り、二人が直接対決する可能性は薄いといわざるを得ません。
確実に対戦するとしたら、それは優勝決定戦以外ないでしょう。
ですが幕下には鯉太郎や王虎の他にも、白水や石川に天雷、プッツンした田上、学生横綱の常松と実力のあるものが勢ぞろい。
そう簡単に優勝にてが届くものではないのです!!
しかも鯉太郎には土俵の外にも敵がいるわけで。
王虎を絶対的なベビーフェイス、鯉太郎を絶対的なヒールとしてあつかうマスコミは、とんでもないあおり方までしてきて……
この五月場所、波乱の予感しかしません!!

真っ直ぐな鯉太郎に忍び寄る王虎の企み、「バチバチBURST(バースト)」第2巻は全国書店にて発売中です!!
本格始動した王虎の黒い企みが描かれはじめる本巻。
常松も妙な動きを見せ始めますし、鯉太郎を取り巻く環境は厳しいものになって行きそうです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!