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本日紹介いたしますのはこちら、「アポカリプスの砦」第3巻です。
作者は原作が蔵石ユウ先生、漫画がイナベカズ先生。
講談社さんのライバルKCより刊行、月刊少年ライバルにて連載されています。

さて、厚生施設から脱出し、家族の安否を確認しに行った前田達。
ですが前田の家族達は既にゾンビと化していました。
ある程度安全が保たれている学園に戻ろうとした前田達ですが、混乱の只中にある厚生施設でリーダーシップをとった一ツ兜は武器を手に入れてこない限り学園にはいさせないと命ぜられてしまうのです。
前田達は車も取り上げられ、徒歩で自衛隊駐屯地に向かうことに。
ですがそこには、人の顔のついたイヌのような怪物が闊歩していたのです!!

駐屯地の敷地内を歩き回る無数の怪物。

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じわじわと、前田と岩倉のほうへとにじり寄ってきます。
恐怖に駈られた岩倉は、手にしていたショットガンを発砲して何体かの怪物の葬るのですが、ここで数対減らしたところで焼け石に水。
怪物たちは仲間を殺されたことに怒り狂う、かと思われたのですが、そこで彼らがとった行動は予想を超えるおぞましいものだったのです!
前田達のほうを見て、涎をだらだらと流しながら笑みを浮かべた後……

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その仲間の骸を貪り食らいはじめたのです!!
あまりにもおぞましすぎるその行動、ついに前田達も耐え切れずにその場を走り去ってしまいます。
そんな彼らを、怪物たちも素直に見逃すわけがありません。
すかさず前田達を追いかけてくるのです!
追いすがってくる怪物をショットガンで蹴散らしながら、ひたすら走る二人。
やがて目の前には、プレハブ小屋のような小さな建物を発見します。
慌てて飛び込み、ドアに鍵をかけます。
これでとりあえずの危機は回避できました。
弾む息を落ち着かせる二人。
ですがその時、岩倉の左手に何かぬるりとしたものが触れたのです。
薄暗い部屋の中で目を凝らしてみると、そこには

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たくさんの人々が血まみれで横たわっているではないですか!!
思わずショットガンを構える岩倉ですが、どうやらこれはゾンビではなく、まだ生きている人間のようで。
慌てて前田が声をかけるのですが、彼らは「早く殺してくれ」と呻くばかり。
よくよく見てみればなんと、彼らは両手両足が付け根から……
早く殺してくれと呻き続ける彼ら。
そんな彼らに岩倉は、ショットガンで応えるのです。
前田はまだ生きているのに、とそれをとめようとします。
ですが岩倉は無情に現実を突きつけるのです。
俺たちには薬も包帯もない。
銃弾しかないんだ。
……薄暗い小屋の中で、数発の銃声が響き渡るのでした。

空しさが支配する中で、前田があることに気がつきます。
今の彼らはどうやって、何のためにこの小屋に入ったんだろうか?
その疑問を聞いても岩倉はピンときませんが、前田の胸中にはどんどんと確信めいたものが沸きあがってくるのです。
もしかしたら彼らは「逃げられないようにして集められた」のではないか?
その疑念は、完全なる確信と……絶望に変わることになります。
小屋の講師のはまった窓から外を覗いてみると、そこには

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小屋の周りをぐるりと取り囲むようにして、足の踏み場もないほどの数の怪物がいたのですから!!

いわば怪物の食料庫だったこの小屋。
まんまと二人は追い詰められてしまったようです。
もはやどうしようもないのか。
そんな絶望で思わず座り込んでしまう前田に、岩倉は搾り出すように言いました。
援護してやる、走って逃げろ、と。
あの数を前にしてその作戦は無謀といえましょうが、このまま座して死を待つよりは……そう考えたのでしょう。
実は岩倉、先ほどの逃走時に足を怪我してしまっていて、走ることが出来なくなってしまっていたのです。
岩倉をおいてはいけないと言う前田ですが、岩倉は銃口を突きつけ、行かなければ殺すとまで言って前田を送り出そうとします。
こうまで言われては前田も出て行くしかありません。
しかし、前田は小屋から走り出していく前にこういい残して行ったのです。
「助けに戻るから、絶対に」。

駆け出す前田の背後から援護射撃を行ったこと、そして幸運にも施設内に残っていた吉岡達に見つけられて引き上げてもらったこと。
それが重なって前田は逃げ延びることが出来ました。
屋内に残っていた吉岡と山野井。
彼らに前田は、すぐ岩倉を助けに行こう、三人で行けば何とかなる、と主張するのですが……
自分達の命を捨ててまで、怪物の巣窟に突入しようなどと考えるものが総多くいるわけもないのです。
逃げるぞと背中を向ける吉岡に、いつも偉そうなことを言っているくせに、腰抜けの卑怯ものめと罵倒する前田。
そんな彼に吉岡はブチ切れ!
腹に重いパンチを叩き込んだ上、髪をつかんでチョーシこいてんじゃねえよと威圧してきたのです。
しかしここで今回の前田は引き下がりません。
ペット吉岡の顔面につばを吐きかけたのです!

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一触即発のムードになってしまう二人。
こうしている間にも、岩倉は追い詰められてしまっています。
断った一発だけ残った銃弾を見つめ、呟いていました。
「こいつは、俺の分」……!
もはや一刻の猶予もない中、醜い仲間同士の争いが起こってしまった前田達一行。
果たしてこの危機を脱することが出来るのでしょうか!?
もしくはこの一行で始めての脱落者が出てしまうのでしょうか……!

というわけで、武器を手に入れるどころか逆に追い詰められてしまった前田達。
今まですんでのところで困難を乗り切ってきた彼らですが、今回もまた窮地にたたされてしまいました。
この窮地を乗り越え、武器を手に入れることが出来れば、これからの生存への一筋の光明となりそうなのですが……?
そしてこの後、新キャラクターが登場。
物語はまたまた新たな段階へと進んでいくことになるのです!

またも大きな変革を迎える、「アポカリプスの砦」第3巻は全国書店にて発売中です!!
今回も引き続きスピーディーに物語が進む本作。
こういったゾンビパニック物としては珍しい展開を迎える事になる今巻、これからの展開に期待せざるを得ませんね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!