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本日紹介いたしますのはこちら、「西遊妖猿伝 大唐篇」第5・6巻です。
講談社さんのKCDXにて刊行されております。

作者は諸星大二郎先生。
諸星先生の著作の紹介は「諸星大二郎」のテーマにてまとめておりますのでよろしければご覧くださいませ。

さて、第4巻では悟空達が身を寄せていた盤糸嶺に、邪悪な導師の先導によって近隣の村の人々が攻め込んできました。
不運にも悟空はその場を離れており、抵抗するもむなしく次々に倒れていってしまう七仙姑。
怒りに狂った生き残りの七仙姑は悟空や二郎が手引きしたと勘違いし、皆殺しにしようと復讐の炎を燃やすのでした……

と言うわけでこの第5巻。
悟空は悪の導師を一撃の下に葬り去ります。
容赦ないよね!……というのも実は導師が中途半端に術をかけたせいで悟空の中の大聖が呼び起こされ、われを失ってしまったからなのです。
大パニックになる村ですが、そんなどさくさにまぎれ誤解の解けた七仙姑の協力もあり悟空と二郎は無事に逃げ延びることが出来ました。
そんな中このトラブルの元にもなった、イナゴを操り飢饉を呼び起こす鈴、紫金鈴が太った坊主に持ち去られてしまいます。
こいつこそが西遊記には欠かせない八戒なのです!
おお、やっとお供の二人目が登場いたしました。
しかしなんかこの八戒、我々がイメージする食いしん坊キャラだとか駄目だけど憎めないヤツだとか、そんな八戒とはかなりキャラが違います。
人間の坊主であることもそうなのですが、なにせ酒はガブガブいくわ物は平気で盗むわ
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女大好きだわ、もう本格的に駄目人間です。
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いや、確かにブタ呼ばわりはされてるんですけどね……
そんな彼ですが、悟空よりも先に(邪な考えを持ったままではあるものの)玄奘のお供になったりしており、今後もますますだめっぷりを披露してくれそうです。
……こいつこそ死んでもいいのに……
この後も袈裟に欲情する坊主が出てくるなど、変態キャラが今回は多いです。
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どうにかしてくれ!!

ともかく紫金鈴は誰の手も届かないところに眠り、新たな物語が始まります。
黄風大王という野党の一群と戦い、その戦いの中で玄奘の経によって自らが大聖の力をセーブしながら使えることを知った悟空。
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1対500と言う戦力差も覚醒した悟空にはたいした物ではなく、犠牲を出さずに潜り抜けます。
先ほどの経の件もあり、玄奘との宿命を感じた悟空はとうとう玄奘とともに天竺へと向かう決意を固め、後を追います。
やっと……やっと我々のイメージする西遊記らしくなってくるのでしょうか!!

どっこいそう上手くはいきません。
悟空はいまだ玄奘と合流できず、八戒もある理由によって離れ離れに。
一人で仙人を目指している男に宿を借りるのですが、そこで目にしたのは
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赤子と見紛う奇怪な食物、人参果でした!
なにやらこの仙人を目指す男、邪悪な目論見があるようなのですが……
玄奘はどうなるのでしょうか!

と言うわけであと一息でやっと悟空と玄奘、そして八戒が一緒に旅をしそうなムードが漂い始めた「西遊妖猿伝 大唐篇」第5・6巻は好評発売中です!
7・8巻は4月、9・10巻は5月に発売し、その続きである新作「西遊妖猿伝 西域篇 第1巻 流沙河の章」は6月に発売予定!
諸星先生のライフワークともいえる一代巨編の新たなる一歩、この新装版を買いつつ待とうではありませんか!
ちなみに西域篇第2巻にあたる再連載は秋開始予定だそうで……2巻、遠い!遠いぜ!!
とにかく中国古事と照らし合わせ、新たなる西遊記をつむぎだす巨匠の大作、読まずにスルーは勿体無いですよ!
さぁ、本屋さんにダッシュです!!

……ところで「西域篇」の版型って新装版と昔出てた方(潮出版社さん版)のどっちのサイズででるんでしょうか。
諸星先生の単行本といえば後者のサイズと言う感じがするんですが、わざわざ新装版を判型変えて出すと言うことは前者のサイズで出すと言うことなんでしょうかね……
本棚の収まりの問題があるので早いところはっきりしてほしいもんです!!


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