画像

本日紹介いたしますのはこちら、「ブラック・ジョーク」第1巻です。
秋田書店さんのヤングチャンピオン・コミックスにて刊行、ヤングチャンピオンにて月一で連載中です。

作者は田口雅之、小池倫太郎の両先生。
田口先生の紹介は09年3月2日「バロンゴングバトル」の記事にて触れておりますのでそちらもご参照下さい。
小池先生は珍しい経歴を持つ方で、有限会社TELESCOPEの社長業をこなしながら、「メイドインドリーム」と言う成年向けゲームのシナリオを担当されたり、「ふらさせら」というPS2のノベルゲームのシナリオを書かれたり、マジキューで読者参加企画の構成を担当されているなど、かなりいろいろな仕事をなさっています。
漫画の原作も複数されていますが、萌えやエロスを前面に押し出していない作品を発表するのはこの作品が初めてのようです。

さてこちらの作品、簡単に言えば裏社会アクション漫画に分類されます。
舞台は日本、ですがいわゆるパラレルワールド的設定で、日本はアメリカの51番目の州として存在しています。
その中の東京市では風俗営業が全面禁止されてしまっているのですが、その代わり東京湾の埋め立て地に「きぼう島」が作られ、そこはカジノなどがの風俗営業が合法な特区とされています。
そのきぼう島は「ネオン島」と呼ばれ、ラスベガス以上の大人の遊園地として評価されている裏で様々な人種のマフィアが蠢く闇の島となっているのでした。

そのネオン島の日本人組織で唯一マフィアに対抗できる「TD温泉ホテル」で働く男、吉良潔(きらきよし)
画像

と小玉童示(こだまどうじ)
画像

が主人公。
彼らはホテル内カジノのボーイとして働いているのですが、本当の仕事は上司等から命令されれば殺しでもマフィアとの交渉でも何でもやる、いわば仕事人なのです。

場所が場所ですから仕事内容はどれもがバイオレンス。
「殺し屋を殺す」「ホテルの害となるスパイを泳がせ、黒幕をおびき寄せる」「イタリアンマフィアのボスを接待する」「本来なら手を出せない警察官を嵌める」等など、危ない仕事ばかり。
それでも頭の切れる吉良と、体術においては右に並ぶものがいない小玉にかかればどれもが難なく解決してしまうのです。
……ただ小玉の頭がちょっとアレなので手加減できずやりすぎちゃったりしますが。

本作のウリは裏社会を扱ったものならではの何でもありで滅茶苦茶な事件&解決法と、血生臭くもユーモラスでスマートなかっこよさが挙げられると思います。
ですが最大のウリは「キャラの濃さ」ではないでしょうか。
てはじめにTD温泉ホテルの社長である都々目。
画像

普通の漫画なら小悪党であっさりやられてしまうような見た目なのに本作ではどんなきつい仕事でも「頼むよう吉良ちゃーん」と気さくに話しかけてくるナイスミドルです。
普段は優しげな彼ですが、死の間際の相手に「何を話してもすぐ死ぬから問題ない」と愚痴を聞いてもらうのが大好きというゴイスな趣味を持っております。

そして車椅子を自在に駆るイタリアンマフィアのボス、通称ランオーバー。
画像

吉良が言うには「殺しが大好きなサディスト」なのですが、仲間に対する情は深くどこまでも追いかけて報復する恐ろしいお人です。
付き合わされた吉良達もたまったもんではありません。
なにせ「返事はスィ(はい)だけだ」と言いながら拳銃を突きつけて命令してきますからね!!

更に25歳のゴスロリさん、黒木あかり。
彼女は社長のボディーガードで見た目とは裏腹に高い戦闘能力を持ち、得意とするのは隠密行動+暗殺。
悪意を持って社長に近づくものを前もって殺す、という専守防衛型ボディーガードです!
……ボディーガードなのか、それ……?
性格は寡黙で何を考えているかわからない、不思議ちゃん系?なのですが、どうやら独特な恋愛センスをもってらっしゃるようで……
画像

縦につぶされて頭が体にめり込んだ男を見て「亀」と表現した小玉になんかフラグ立ててます。
……「トクンッ」じゃねえよ!!


連載がヤングチャンピオンということで、グロ描写はもうバッキバキにでてきます。
モツなんて当然のようにでてきます!
ところが意外にも直接的なエロス要素は無く、裸で抱き合ったりはするものの女性の裸体よりむしろ吉良のもっこりビキニパンツが気になるほどです!
でも濃厚なディープキスシーンならありますよ!!
画像

……男同士のですが……

個性豊かにも程があるキャラクターが縦横無尽もいいところに暴れまわる快作、「ブラック・ジョーク」第1巻は好評発売中です!
シナリオ面以外でもフルデジタル原稿(多分)で書き込まれつつもうるさくなっていない画面構成に、迫力のアクションシーン、ケバい女性キャラばかりだったといわざるを得ない田口先生とは思えない様々なタイプの女性キャラ、そして親父キャラのおっそろしくクドイ顔などなど見所は満載!
これは娯楽作品として非常に高いレベルにあるのではないでしょうか!
グロやら裏世界みたいなものに拒否感のない方ならきっと楽しめる作品ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!