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本日紹介いたしますのはこちら、「キラキラ!」です。
講談社さんの少年マガジンコミックスにて刊行され、その後スコラスペシャルやフェニックスKCで再発行されました。

作者は安達哲先生。
安達先生は86年にデビュー後、様々な漫画を連載。
92年から連載した「お天気お姉さん」が大ヒットし、ドラマ化を果たす大ヒットとなります。
現在はヤングマガジンにて「バカ姉弟」を不定期連載中で、こちらも第7回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

さて、こちらの作品は高校生が恋愛やらトラブルやらを体験する、いわゆる青春漫画となっています。
ですがいわゆる恋愛だけをメインに描いたラブコメではなく、登場人物の様々な悩みや絆を描くドラマ性の高いストーリーが展開されるドラマ性の高い作品です。

主人公の杉田慎平はごく普通の生活に飽き飽きしているごく普通の高校生でした。
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そんな生活に少しでも変化があればとエキストラのバイトをするのですが、その時見かけた美少女が控え室に行くのを見かけ、覗いてやろうなどと考えてしまいます。
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ですがあっさりとバレ、パニックになりその美少女に大笑いされてしまう結果に。
いきなりのトラブルに見舞われるわけですが、トラブルはそれだけではおわりませんでした。
なんと芸能事務所にスカウトされたのです。
そして慎平は悩んだ末その芸能事務所に入る道を選び、そのために融通の利く芸能科のある学校へと転校を迫られることになりました。
とりあえず試しにとわたされた文化祭入場チケットを持ってその学校、青晶学園に向かった慎平はそのあまりにも開放的な活気ある学園風景に圧倒されます。
テレビや広告で見かけたことのある顔もちらほらいる学園の中で慎平は思わぬ人物と出会うことに。
あのバイト先で会った美少女、戸田恵美里でした。

と言う導入だけ見ると、主人公が芸能人となり、そっちの世界でいろいろあるストーリーかと思いがちですがそうではありません。
慎平も一応芸能活動をすることもあるのですが、安っぽい広告のモデルやエキストラに毛が生えた程度の端役ばかり。
それでも彼は恵美里や芸能化の仲間たちにバカにされたりケンカしたりしながらも毎日を楽しく過ごしていました。
ですがそんな時、芸能科の指導を厳しくしようと言う動きが一部の教師から始まります。
全校一斉テストを行い、芸能科の平均点が普通科のそれよりも低ければ即指導強化と言うムチャにも程がある試験が実施されてしまいました。
当然勉強など殆どしていない芸能科、平均点はボロボロ……とはなりませんでした。
普通科どころか進学科の秀才達を押しのけ、トップを取って平均点を押し上げた人物がいた為です。
慎平でした。
彼は父親が非常に厳しい人物で、相当な学力を持っていたのです!

何とか難を逃れた芸能科でしたが、締め付けは緩みません。
そこで持ちかけられたのは慎平の進学科への編入でした。
慎平は交換条件として芸能科の厳しい規制を排除することを逆に持ちかけますが、それは意見をする価値のある人物であり続けること……成績のトップを取り続けることを強いられることになります。
気の合う仲間達と、そしてなにより恵美里と離れ離れになってしまいますがそれも彼女たちのためと踏ん張る慎平。
アイドルとして売れ始めた恵美里との距離を縮め始めていた慎平ですが、更なるトラブルが二人を襲います……

この後もストーカーと化した男に襲われたり、枕営業を迫られたりとトラブルは続出。
更に恵美里の初恋の人が現われたり、家族関係の悪化があったりとどんどんドラマは急展開していきます。
離れ離れになり、また惹かれていく二人の関係にはらはらすること間違いなし!
行き着く暇もなく巻き起こる事件と、登場人物それぞれがもつ過去や現在の悩みや問題が絡み合い、非常に読み応えのある物語になっています。
登場するキャラクターも個性的で、物語に様々な彩を加味しています。
慎平や恵美里も魅力的なキャラクターなのですが、やはりここは超強烈な脇役に注目したいところ。
恵美里の魅力にまいってしまい優等生から転落した奥平君、
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こちらも恋に狂ってしまってご覧の有様となった岡島君
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などの少年誌に載っていたとは思えない変態紳士たちの活躍は特筆モノですよ!

狂おしいほどの青春を味わえる、「キラキラ!」はマガジンコミックス版は全8巻で発売されています。
もはや20年も昔の漫画であるこの作品ですが、今読んでもまったく色あせることの無い面白さを誇っています。
さすがに携帯電話がないなどの時代は感じさせますが……いいんです!細かいことは!
とにかく青春漫画屈指の名作です!言い切ってしまいます!
これを読まずに青春漫画をかたるべからず!
さぁ、古本屋さんとかに急ぎましょう!