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本日紹介いたしますのはこちら、「岩戸石太郎の霊石奇譚」第3巻です。
講談社さんのKCDXより刊行、マガジンイーノにて連載されています。

作者は古川斉昭先生。
本作の今までの紹介などは09年9月11日の記事にて触れておりますので、そちらもご覧いただけますと幸いです。

第2巻では夜見の国に落とされたものの、なんとか現世に帰ってくることに成功した石太郎たち。
ですがなにやらよからぬ企みをもつ怪しげな人物が姿を現し、新たな暗雲が立ち込め始めたようです……

と言うわけではじまる第3巻。
石太郎たちが夜見の国から帰ってくると、そこは石太郎の実家でした。
すると実家の中から1人の男が姿を現し石太郎を発見します。
石太郎は家出していたワケで、そこからあわてて離れようとするのですが時既に遅し。
飛び出してきた3人の男と1人の少女に取り押さえられ、猛烈に歓迎されるのでした!

出てきたのは禰宜の大橋、権禰宜の篁と清水、そしておみくじ売りの小梅でした。
4人は石太郎はもちろんのこと、千里たちも歓迎し、家出していた上の突然の来訪にもかかわらず和やかに歓談します。
そして穏やかムードの中にあらわれた宮司……石太郎の母。
石太郎もあからさまに怯えるプレッシャーとともに現れた母ですが……
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なぜかマジックを披露!!
別に怒られもしませんでしたとさ。

怒られなかったとはいえ、なにやら石太郎たちを夜見の国に送ったものは石太郎の右目……紙の目を狙っているようで、実家から外に出ないように言いつけられてしまいます。
石太郎は母を相当恐れているようで、おとなしくそれに従うのでした。

石太郎を置いて帰途に着く千里と将吾。
その2人に突然謎の女が襲い掛かります!
瞬く間に千里を捕え、返して欲しければ夜明けまでに講談ビルに来るよう石太郎に伝えろと立ち去ろうとしました。
ですが将吾がそうはさせじと自分が操る霊、百足丸を放ちます!
しかしその女はたちどころに姿を変化させ、
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蛇の妖怪のような本性を現したかと思うと一撃で百足丸を撃破!
夜明けとともに千里の首を刎ねると言い残し、今度こそ姿を消してしまうのでした。

将吾は石太郎の家に戻ります。
迎えてくれたのは禰宜の大橋。
将吾は必死に事情を説明するのですが、なんと大橋は石太郎に伝えることは出来ないと突き放すではないですか!
石太郎の神の目は岩戸家が代々受け継いできたもので、それぞれの継承者が寿命と引き換えにして神を封印してきたもの。
そんな神の目が奪われることとなれば岩戸家のみならず、世界も大変なことになる……とのこと。
そして石太郎は幼少時から霊にしか興味を示さない人物だったので、事情を明かしても助けになど行かないだろう、とまで言うのでした。
断固としてそこを通そうとしない大橋に、「石太郎はそんな冷たい人間ではない」と言い残し将吾は仕方なくその場をあとにしました。
入れ替わるように大橋の前に姿を見せる石太郎。
何も無かったかのように装う大橋を問い詰め、石太郎は事情を聞きだします。
すると石太郎は感情をあらわにし、
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神の目が異形の姿へと変貌!
アレだけ恐れていた母の命をも投げ出し、講談ビルへと走るのでした!

そのころ講談ビルでは蛇女と将吾が対峙していました。
千里を取り返そうと戦いを挑む将吾ですが、やはり劣勢。
敗北寸前荷まで追い込まれる将吾。
ですが僅かな望みに掛け百足丸の宿るパソコンをオーバークロックさせ、百足丸を一時的に大幅パワーアップさせました!
すさまじいスピードを発揮する百足丸は蛇女を追い詰めるのですが、蛇女が倒れる前にパソコンがオーバークロックに耐え切れずに爆発!
あと一歩のところで戦闘不能となってしまうのでした。
このままでは……
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というところでやっぱり現れた主役、石太郎!
しかし蛇女とともに神の目を狙う男、露鬼も登場し、引き続きバトルに!
露鬼の左目には「見ただけで本来不老不死である神族を殺せる」と言う能力を持っており、
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石太郎の操る蛭子すら一瞬で消滅させられてしまうのです!
蛭子も百足丸も居なくなり、もはや打つ手なしとなった石太郎は神の目を守れるのでしょうか!?
迫力の激戦、その決着がつきます!!

というわけでホラー物からバトル物のにおいが強くなった本作。
霊同士だけでなく、人間(や人型妖怪)同士の戦いも取り入れられ、すっかりバトル漫画になっています!
物語面でも変革が進み、様々な謎が展開します。
今巻で今まで展開していた神の目を巡る戦いが一応の決着を見るのですが、まだまだ立ち込める暗雲は晴れきらない様子!
神の目や石太郎に現れている変化、そして狙いがわからない謎のしゃべる黒犬クロノ。
このまま新シリーズに突入するようで、今後の展開に目が離せませんね!

すっかり正統派霊能バトル漫画となった「岩戸石太郎の霊石奇譚」最新第3巻は全国書店にて発売中です!
ホラー要素はなりを潜めてきていますが、逆を言えば読み手を選ばない作品となっています。
バトルは正統派とも言えるオーソドックスさですが、ちょっと変わった主人公が目を惹く内容になっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


岩戸石太郎の霊石奇譚 3 (KCデラックス)
講談社
古川 斉昭

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