本日紹介いたしますのはこちら、「偽書 ゲッターロボ ダークネス」第1巻です。
白泉社さんのJETSコミックスより刊行、ヤングアニマル増刊Arasiにて連載されています。
作者は西川秀明先生。
西川先生の作品紹介などは「西川秀明」のテーマにてまとめておりますので、お暇などございましたらご覧くださいませ。
さて、本作は第1巻と銘打たれているものの、実際は今は亡きマガジンZにて連載され昨年「偽書 ゲッターロボ ダークネス 始動編」として刊行された作品の続きとなっています。
「始動編」では掲載誌がマガジンZだったこともあり、西川先生流の激しさが特徴的な作品でした。
ですがこの第1巻から掲載誌がArasiになったためか、エロスなんかもふんだんに取り入れた、ダークネスの名にふさわしい衝撃的な作品となっています!
いきなり登場する、女性を蹂躙する大男。
エロス的な意味でもそのままの意味でも女性を食い散らかすその男、人をやめ「イデア」と呼ばれる人をゴミの用に扱う存在へと変じた元人間なのです。
そこに現れた了、ハヤト、ムサシの3人。
彼らこそゲッターロボを駆りイデアを狩る、ゲッターチーム!
尋常ならざる戦闘能力を持つイデアをゲッターの力で排除し、イデアが人間から奪った全てを取り戻すため戦っているのです!!!
関東エリアに現れたイデア。
自衛隊が応戦をしているものの、戦況は劣勢そのものです。
巨大イデアを動かしているのはアスタルテと言う女性イデア。
彼女はイデアの主である「光の創造主」の命令どおり「人間の生命力を集める」ために罪もない人々を大量に殺戮しているのです。
当然そこに駆けつけるゲッターロボ。
その惨状を打ち砕くため、早速トマホークで切りかかるのです!!
ところがその瞬間、
巨大イデアは閃光を放って自爆してしまうではないですか!
あえてゲッターと戦う理由もなく、光の創造主が求める素質を持たない凡百の人間など要らない、とその場を放棄してしまったのです!
凄まじすぎる爆発によって焦土と化した周辺。
ゲッターの装甲にとってはさしたる問題もないのですが、半径5キロメートルが消滅してしまいました。
もはや自分達に出来ることはないと立ち去ろうとするハヤトですが、了はもしかしたらまだ生き残りがいるかもしれないと仲間のとめる声も聞かず爆心地へと駆け出してしまうのでした。
ビルでさえ骨組みだけになってしまうような大爆発、生き残りの存在は絶望的です。
が、了の耳に子供の泣き声が聞こえてきました!
あわててその声の方へ向かうと泣きじゃくる少女が座り込んでおり、その目の前の瓦礫のしたから一本の腕が伸びていました。
どうやら少女の母親が生き埋めになっているようで、了は持ち前の怪力を発揮して瓦礫を除去。
見事に母親を助け出すのでした。
すぐに救援を呼ぼうとしますが、通信機を忘れてきてしまっています。
悩む暇も惜しいとばかりに助けた親子を抱えあげ、走って仲間のもとへ急ぐ了。
ところが走っても走っても一向に目的地が見えてこないのです。
喉はからからに渇き、何よりこのままでは親子の体力も持ちません。
そんな時運良くまだ生きている水道を見つけ、一息入れることになったのです。
懐に携帯食料を見つけ、少女に分け与える了。
ですが少女は悲しげな表情を浮かべ、なぜかその目に涙を浮かべるのでした。
どれだけ進んでも出口は見えません。
とうとう了は体調に異常をきたし、倒れてしまいます。
母親が了の体を気遣い、濡れタオルで体を拭いてくれるのですが……
そのタオルは了の股間へとのびていくではないですか!
突然了を誘惑し始める母親。
あまりの急展開に戸惑う了ですが、状況はそれ以上に驚く事態へと進展します。
実はこの母親、アスタルテが変身した姿!
なんと少女に会ってから今までの出来事は全てアスタルテの見せていた幻覚で、了は少女に出会った場所から一歩も動いていませんでした!
更に取り除いたはずの瓦礫は最初に見かけたとおりの場所に残っており、そこからのびている腕もそのまま。
そして自分が救ったはずの少女は
既に事切れた遺体だったのです!!
いままで了は死体の周りを這いずり回っていただけだと罵倒するアスタルテ。
了は幻であったはずの記憶の中で、食料を分け与えたときに少女が見せた涙は単なる幻でなく、自分が死んでいることを伝えようとしたものだったということに気が付きます。
その瞬間、
了の瞳の中に奇妙な文様が浮かびました!
同時に体から何かが立ち上り、それはアスタルテに言い知れぬ不快感をあたえます!
激情とともに発現したこの奇妙な力……「アンチ・ゲッター」の正体は一体!?
いよいよゲッターと巨大イデアの大激突が開幕!
アンチ・ゲッターの脅威の力はゲッターロボをまがまがしい姿へと変貌させるのです!
と言うわけで衝撃の開幕を迎えた本作。
西川先生の得意とするエロスとバイオレンスに激しすぎるバトルは勿論健在!
その上第1巻から畳み掛けるように現れる謎の数々。
「光の創造主」の真の目的とは?アンチ・ゲッター線によって変貌するゲッターの奇怪な姿は何を意味するのか?そもそもアンチ。ゲッター線は何なのか!?
「始動編」からの謎でもあるゲッターチームのそれぞれ背負っている過去など、気になる部分は増える一方!
早速物語は動き始め、早くも目が離せない展開となっています!!
更に巻頭にはフルカラーでエピソード0.5が収録!
8Pに渡って西川先生の気合が伝わってくるかのような迫力の画が堪能できるのです!
壮絶に語られる本物の偽物、「偽書 ゲッターロボ ダークネス」第1巻は好評発売中です!
これでもかとばかりに西川先生らしさの詰め込まれた、激しく、惨く、エロスな本作。
ゲッターに興味ない方でもスルーするにはもったいないですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
コメント
コメント一覧 (2)
ゲッターファンの自分も偽書の0巻と1巻を買いました。
正直、作者の西川先生はこの作品を読む前までかなり古いドラクエの4コマ漫画でしか知らなかったので内心「大丈夫か?」と思ってましたが、読んでみてそれは杞憂と知りました。特に1巻の、今にも炉心を取り出して自爆しそうな慢心創痍のゲッターⅠ、そして真の姿に覚醒したダークネスゲッター等の半端ないクオリティの高さに完全に虜です。
amazonでは結構きつい批評も多いですが、それだけ既成概念にとらわれず大胆な改変が行われた衝撃作である、と考えよう。
西川先生による本気の偽者、2巻も楽しみですな。
改変も折角本家とは別の漫画家さんが描いているのですから、面白ければ(そして本家が認めていれば)どんな改変がされていてもいいのではないかと!
賛否はあるかもしれませんが、自分も続巻が楽しみです!