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本日紹介いたしますのはこちら、「帝一の國」第2巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行されています。

作者は古屋兎丸先生。
本作第1巻の紹介などは「古屋兎丸」のテーマにてまとめておりますので、そちらもよろしければご覧ください。

さて、この国を変えるための第一歩として重要な、海帝高校生徒会長の座を狙う帝一。
1年生の彼に今出来るのは、時期生徒会長と目される氷室に取り入り片腕として認知され、その次の生徒会長の座を磐石のものとすることです。
名実共に1年生の生徒会長候補の筆頭といえる能力を持つ帝一ですが、その障害となる存在も多く存在。
次々と下される指令の他、同じく生徒会長の座を狙う卑劣なライバルの東郷や、生徒会長の地位には興味がないながら不思議な魅力にあふれる大鷹など、一筋縄ではいかない関門が待ち構えているのです!

各クラスのルーム長と副ルーム長、そして各部の部長達は体育館に集められていました。
彼らの前で熱弁をふるっているのは氷室です。
氷室は今度行われる生徒総会の演出を任されたのだそうで、その責任者として各クラスのルーム長に様々な仕事を割り振るためにこの面子を集めたようです。
万が一この生徒総会を失敗させるようなことがあったとすれば……その原因となったものは「架空切腹」だと脅しかけてくる氷室。
架空切腹とは簡単に言えば生徒会活動のメインストリームから外されてしまうこと。
多かれ少なかれ野心を持っているルーム長の面々です。
それだけは避けなければいけません!
いわんやこの国にトップを狙っている帝一をおいてをや、です!

氷室は次々と各人に係を割り振っていきます。
照明担当は普段使い慣れているであろう演劇部の部長。
その補佐と言う重要な役目にあの東郷が抜擢されました!
音楽担当はやはり使い慣れているであろう放送委員。
その補佐はなんとあの大鷹だというのです!
先日の生徒会便りでそこそこの成果を上げている東郷が大事な役に抜擢されたのは頷かざるを得ないわけですが、この大鷹の抜擢は謎。
野心などを感じさせず、適当な印象を受けながらその能力は非凡な大鷹。
その実力は、氷室の眼鏡に適ったと言うことなのでしょうか……?
大鷹の大抜擢に疑問を隠せない帝一。
ですがそのチョ窪の氷室の言葉を聞けば、それどころではなくなってしまいます。
海帝の誇り、「校旗の掲揚」に抜擢されたのが他ならぬ帝一だったのですから!!

今回の大抜擢は、先日の生徒会便りが大きな評価を受けてのことであることは間違いないでしょう。
その成功の立役者であり、無二の右腕である光明とともに今回の役職振り分けについての話をしながら帰宅する帝一。
どうもその直接の原因は以前東郷が氷室に渡した謎のメモであるようなのですが……
そのメモが何なのか考えたところで始まりません。
生徒総会当日は、出入り口係の光明は帝一と離れ離れになってしまいます。
どんなに離れていても心は一緒だ、と2人はその絆を確認しあい、別れるのでした。

その夜、帝一は超プラトニックなお付き合いしている彼女の美美子と恒例の糸電話での会話をします。
お互い心を通わせあった関係ではありますが、そんな関係であって氷室のためだけに動く、と言う行動は理解できないようです。
ですが帝一は毛沢東の「政治と言うのは流血を伴わぬ戦争だ」と言う言葉まで引用し、この行為が大切であると雄弁に語ります。
ぴんとこない美美子は話を変え、帝一に最近ピアノを弾いているかとたずねます。
いそがしくて弾いていないと返す返す帝一ですが、美美子はたまには弾いてねとお願いしてきます。
帝一を好きになったのは、彼の弾くショパンの音色がきっかけなのだから……
そんな乙女の願いを聞いても帝一は上の空。
もう頭の中は明日の生徒総会のことでいっぱいになっているのです。
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その思いを感じ取りながらも、寂しさを隠せない美美子。
彼女の想いは、今の帝一に葉届かないようです……
それも無理の無いこと。
何故なら帝一は、明日失敗したならば本当の切腹も辞さずと言う覚悟で挑もうとしていたのですから……!!

やってきた生徒総会。
イベントは滞りなく進み、効果の斉唱に合わせてタイミングよく校旗を揚げるという仕事も帝一は無事にこなしました。
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光明や氷室と目でその成功を確認しあい、会心の仕事を喜ぶ帝一。
その後のイベント自体も見事な演出と共に進んでいき、後は最後の大役である音楽に合わせて校旗を下げると言う仕事を残すのみです。
ところがここでまた東郷がやってくれました。
東郷の部下である根津が密かに動き、
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校旗をつるしている紐に放って置けば自重で切れるくらいの傷を入れたのです!!
こうしておけば、校旗掲揚係であった帝一が確認を怠ったと言うことで責任を取らされるでしょう。
最大のライバルである帝一が消えれば、生徒会長の座がぐんと近づくと言うものです!
ですがその根津が怪しい動きをしていることに、光明が気付きます。
中学時代のボランティアで習得していた手話で光明は帝一にそのことを報告。
早速帝一はその場を抜け、校旗のもとへと向かうと、その紐は今まさに切れようとしているところではありませんか!!
このマンではイベントがぶち壊しになってしまいます!
咄嗟にその手を伸ばし、両紐を掴んで落下を防ぐ帝一。
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その必死さが身を結んだのか、校旗は僅かに揺れた気がする程度の動きしか見せず、とりあえずの旧知を防ぐことができたのです!!

……が、そこに東郷が現れました。
なぜか落ちてこない校旗を気にして、照明の角度の確認をしてくると言って持ち場を抜け出してやってきたのです。
そしてあろうことか彼は、帝一をくすぐり始めたではないですか!!!
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どんな手を使ってでも帝一を失墜させると息巻く東郷。
お前は腐っていると涙を浮かべて苦悶に耐える帝一ですが、このままではその手を放してしまうのも時間の問題でしょう。
もう駄目だ、と思ったその瞬間、神仏にすがってまで帝一に応援の念を送っていた光明の声が貞一に届いたのです!!
一瞬自分を取り戻せた帝一は必死に記憶をたどり、父から教わった苦難を乗り越える呼吸法のようなものを実践!
新鮮なエネルギーを丹田に流し込んで、現実世界の苦しみなどとは無縁の境地……不会無の境地へと達したのです!!

こうなればくすぐりなど効果は成しません。
これでなんとか大事件を乗り切った……といいたいところですが、なりふり構わなくなった東郷は恐ろしいことに
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足場から帝一を突き落とそうとするのです!!
いざとなれば落ちそうになっていた帝一を自分が助けようとしたと言えばいい、と本気で落とす気をみなぎらせる東郷。
いくら旗を持っていても、体ごと落ちては何の意味もありません。
顎と両足だけで体を支える帝一。
光明も自分の持ち場を離れることが出来ず、もはや助かる見込みは……
帝一は無念の切腹をするしかなくなってしまったのでしょうか!?

というわけで、大役に抜擢され、その妨害と戦う帝一。
このあと帝一に意外な助けの手が伸ばされることになるのですが……
続けて物語は夏合宿シリーズに突入します。
この夏合宿で何をするかと言えば、いわばサバイバルゲーム。
一位になれば生徒会長選挙のときに三票が与えられると言うことで、票数56を取り合う生徒会長選挙においてこの3と言う数字は大きすぎると言っていいでしょう。
ですがそれを獲得するには取り入らないわけには行かない氷室を撃たなければいけないわけで。
サバイバルゲームの生き残り、三秒の獲得、取り入らなければならない相手との戦い、そして生徒会長の座に興味は無いと明言しつつも独自の動きを見せる勢力の存在。
多くの要素が絡み合う、重大なシリーズとなるのです!!
さらにちょっぴり距離が離れてしまっていた感のある、帝一と美美子の関係にも大きな変化が生まれ……?
ますます目が離せない展開が続きます!!

目指すは学校の覇権、国の覇権!「帝一の國」第2巻は好評発売中です!
息詰まる校内政治の闘争を中心に、帝一の青春を描く本作。
12年から掲載雑誌をSQ19からSQに変え、より一層パワーアップを果たしてくれそうです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


帝一の國 2 (ジャンプコミックス)
集英社
2011-12-02
古屋 兎丸

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