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本日紹介いたしますのはこちら、「君に届け」第15巻です。
集英社さんのマーガレット・コミックスより刊行、別冊マーガレットにて連載されています。

作者は椎名軽穂先生。
本作の紹介は「君に届け」のテーマにてまとめておりますので、あわせてご覧くださいませ。

さて、修学旅行に行ってきた爽子達ですが、そのたびの中では様々な出来事が起こりました。
風早と爽子がキス寸前まで行ったり、矢野は付き合い始めたばかりの茂木と別れたり。
中でも一番大きな出来事は、龍が千鶴に告白したこと!!
思いもよらなかった言葉に、千鶴は龍をそういう風に見たことがない、と断ってしまったのでした。

大きな事件があったとは言え、怪我や病気などのトラブルもなく、思い出深い物に終わった修学旅行。
爽子と矢野ちづは3人で集まり、撮影した写真を見ながら楽しかった日々を振り返っていました。
ですがそうなるとどうしても出てくるのが、矢野と千鶴に降りかかった恋愛がらみの問題。
そのことに話題が及ぶと、矢野はあくまでドライに「よく考えればタイプじゃなかった」「めんどくさいから気を遣わなくていい」とバッサリ。
千鶴はと言うと……龍とは今までどおり普通の関係だよと答えます。
そういえば来月は龍の誕生日だし、何をあげようかなぁ、と本当に気にしていないのか、あるいは気にしていて隠しているのかがハッキリしない表情で続ける千鶴。
矢野はせっかくだから付き合っちゃえばよかったのに、と読者の思いを代弁茶々を入れるのですが、龍と付き合って分かれるとか、今の関係を変えることが想像できないんだと断言します。
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普通の関係を続けたいと願っている千鶴ですが、告白されたと言うのに気にせず、ハイ今までどおり!と行くものでしょうか。
その答えは、千鶴自身がわかっているのではないでしょうか……?
爽子も爽子で、龍と付き合うとなればちゅーとかするんじゃん?できないよ!という千鶴の言葉にそれはもうドッキリコとしたわけですが!!

翌日から、本当に千鶴と龍は今までどおりの関係を続けているように見えました。
むしろ今までどおりでないように見えたのは、爽子と風早のほうです。
修学旅行では手と手を取り合い、唇同士が触れ合う直前にまで距離が縮まった2人。
ですがその反動なのか、いつも通りの生活に戻った2人はなんだかちょっと距離が開いてしまっている様子。
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爽子はその微妙な距離と、秋の終わりを告げる風に寂しさをの様なものを感じるのでした。

なんだかんだとこちらも寂しい思いをしていた矢野。
彼女に何かとアプローチをかけてくるケントですが、いろいろ考えてしまって矢野はそれを受け入れることはしません。
そのひとつが、ケントの取り巻きである女生徒たち、通称ケントガールズです。
そんなケントガールズと、矢野は偶然トイレで鉢合わせしてしまいました。
ケントと距離が近い矢野に文句をつけてきた……というようなことは無く、なんとケントガールズ入りしないかと言うお誘いでした!!
ケントと付き合いたいわけではなく、イケメンで優しく気配りも出来るケントを囲んでキャッキャと楽しくやる。
仮にケントが誰かと付き合い始めたとしても、ケントの代わりはいないし、ただ一緒に楽しく遊ぶと言う関係は変わらない。
そんなたのしそーな雰囲気に引き込まれそうになる矢野ですが、矢野のキャラじゃありませんし、ここはぐっとこらえて踏みとどまります。
軽い感じのケントですが、アレはアレで愛されてるんだなぁ……と考えながら教室に戻る矢野。
そんなときにバッタリケントに出会ってしまい、しかも例によって紳士的気配りで道を譲ってくれたりしたのですから、流石の矢野もちょっぴり意識せずにはいられないわけで……
そんな様子をおくびにも出さず、普通にやり過ごす矢野。
ですがそんな日に限って帰りの電車を待つ人気のないホームでケントと出会ってしまうのです。
自分が乗る電車に乗らず、わざわざ別のホームにいた矢野の元へやってくるケント。
ケントは先ほどのやり取りも含め、修学旅行でケントに慰めた件から矢野が自分を避けていることに気がついていました。
そのことを指摘された矢野は、自分はあまり人前で泣いたりしないから恥ずかしかったし、アレから県とはめちゃくちゃ自分のことを見てるから……と顔をケントに向けないまま答えます。
別にあの修学旅行のときもめちゃくちゃ辛かったとか言うわけじゃないから、と弁解しようとする矢野に、何も言わず温かい飲み物を差し出すケント。
それを口にする矢野を、じっと見つめます。
そして口にしたのは、「なんで見てるかわかる?」と言う言葉でした。
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言葉と同時に注がれる、優しい視線。
ですがそれに答える前に、矢野が乗る電車がホームに到着し……
矢野は逃げるかのようにその電車に乗ってしまうのです。
取り残されたケントはそれでも優しい笑顔を崩さず、手を振るのでした。

その夜、千鶴は龍の家へと海苔巻きを届けに歩いていました。
これは昔から恒例のことのようで、普通に接するなら届けるのが自然です。
ですが告白のことを踏まえて今まで龍のしてきてくれたことを考えると……やはり今までのように、くだらない話なんかをする気の置けない姉弟、と言う関係が続けられないことが解ってしまい……
そんなことを考えながら龍の家に着くと、ちょうど龍の家から風早が出てきたところでした。
ピンと来た千鶴は、すぐさま「なんか聞いた?」と風早に尋ねます。
事実、話の流れで千鶴に告白してふられた、と聞いていた風早はすこし悩んだあと、その問いを肯定で返すのです。
それを聞いた千鶴は手にしていた海苔巻きをドンと風早に押し付け、渡して置いてと言い残して走り去ってしまいます!
走りながら、千鶴の胸には様々な思いが去来します。
ずっと一緒にいるんだと思っていた龍。
その関係はもう終わったんだ。
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事実をまじまじと知らされてしまった千鶴は、その頬に涙を伝わせるのでした。

というわけで、千鶴と龍、矢野とケントの話にスポットライトの当たる今巻。
この後は千鶴と龍の関係がメインとなり、2人の過去と、これからを予感させる物語が展開するのです!
千鶴と龍の関係も気になるところですが、急接近している矢野とケントの間も目が離せません。
順調にこの2人が結ばれるのでしょうか?
周囲への気配りを欠かさず、一見軽く見えるという共通項を持つ2人だけに、お似合いと言えばお似合いなのですが。
そして、なんだかちょっぴりギクシャクしてしまっている爽子と風早。
仲が悪くなっているわけではありませんので、時間の問題では在りましょうが……やはり見ていてヤキモキしてしまうところ!!
こちらも併せて見守っていくしかないようです!!

矢野ちづのストーリーが進展する、「君に届け」第15巻は全国書店にて好評発売中です!
この調子で行きますと、矢野ちづがあるべきところに納まり、爽子と風早がちゅーしたあたりが着地点となるような気がする本作。
そんな大団円にはもう少しかかりそうですが、感動のクライマックスが近づいていることは確実と言えるのではないでしょうか!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


君に届け 15 (マーガレットコミックス)
集英社
2012-01-25
椎名 軽穂

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