画像

本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 モジャ公」です。
小学館さんより刊行されました。

全百巻に向けて刊行中の本大全集は、「藤子・F・不二雄」のテーマにて紹介記事をまとめておりますので、よろしければ併せてご覧ください。

さて、本作は「21エモン」に近い、宇宙の様々な星を渡り歩いていく冒険ギャグ漫画です。
実はこの作品、「21エモン」に近いどころか、F先生自身が「21エモン」の2番煎じだと公言されております。
この作品以前に連載していた「21エモン」、F先生自身は非常に気にいってノリノリで描いていたようなのですが、いまひとつ人気がなく打ち切り同然で終わってしまいました。
そのリベンジも兼ねて、「週刊ぼくらマガジン」にて連載されたのが本作なのです。

宇宙のどこかから、何かを探している誰か。
そんな何かは、地球のある人物に目をつけたようです。
画像

悩みがいっぱい、といった雰囲気を顔からかもし出す少年。
彼の名は天野空夫。
退屈すぎる日常に飽き飽きしているようで、何かスカッとすることはないかなぁとうろつきまわっているのです。
そんな時彼の目に入ってきたのは、ジャイアンポジションの乱暴もの、ピテカンとその取り巻きたち。
視線が合う空夫とピテカン。
ですが特に何事もなくピテカンは通り過ぎていきました。
これで一安心、と思いきや、空夫はピテカンに喧嘩を売り出すではないですか!!
そうなればピテカンも黙ってはいられません。
2人の喧嘩がおっぱじまるわけですが、今までの戦績はなんと空夫の98戦98敗だとか!
99戦目となるその戦いも……もちろんあえなく玉砕に終わるのでした。
画像

たまたま通りがかったガールフレンドのみきにも、介抱されながらも同情はしないとはっきり言われてしまう空夫。
空夫もまた、好きでやってるんだからいいよとケロリとしたものです。
そんな様子を窺っている例の謎の誰か、空夫のでたらめさ加減も気に入ったようです。
監視されていることも知らず、体が熱くなるようなぞくぞくすることはないかと考えながら家に帰る空夫。
彼の足は次第に重くなっていき、遂には自宅をわざと通り過ぎてしまうのですが……ミキに通り過ぎたけどと教えられては帰らないわけには行かないのです。

空夫の気が重かったのは、ある理由があるからでした。
実はテストで0点を取ってしまい、どう打ち明けるかで悩んでいたのです。
どうしようと考えているうちに、お母さんが帰ってまいりました。
帰ってくるなりお母さんは、今日は何回先生に叱られたかと尋ねて来ます。
1回だという空夫の答えに、お母さんは「優秀じゃない」と返しまして……この空夫、なかなかの傑物のようです……!!
なかなか潔い空夫は、思い切ってテストのことを打ち明けようとしました。
ですがお母さんはいそがしいから後にして、と台所の方に消えていってしまいます。
タイミングを失った空夫、過ぎたことはしょうがないかと打ち明けることを諦め、テストを丸めてくずかごにポイしてしまいました。
すると、例の誰かが気に入ったと言い出し、空夫を好戦的なもので狙撃したり、思い切り投げ飛ばしたりしてくるではないですか!!
なんかのテストのつもりでその誰かは空夫をたたきつけているようですが、事情も知らず、姿も見えない相手に叩きつけられる空夫からすればたまったもんじゃありません。
騒ぎを聞きつけたお母さんが部屋に入ってくる頃には、すっかり空夫はのびてしまっており、あたりは散らかり放題の足跡だらけになっていたのでした。

その後片付けの際に、お母さんが捨てたテストを見つけてしまったから一層たまりません。
がみがみと怒り続けるお母さん。
さしもの空夫も、いやになっちゃう、消えちゃいたいとぼやくばかりです。
そんなことを考えながらふと床に視線をやると、そこには変なスイッチが落ちていました。
なんだいこれとおしてみたらば、なんか突然お母さんの動きがぴたりと止まってしまい、後ろに
画像

もじゃもじゃした毛玉のような生物と、横柄な感じのロボットが姿を現すではないですか!!
毛むくじゃらの方は「モジャラ」、ロボのほうは「ドンモ」。
何でも彼らは、空夫のように何をやっても叱られて世の中がいやになってしまった人(?)なんだとか。
彼らが普通じゃないことはこのお母さんの動きを止めた「タイム・ロック」なる道具のおかげでよくわかります。
ですが彼らの目的がまだわからないまま、空夫はぐいぐい引っ張られ、宇宙船の中に連れて行かれてしまいました!!
そして有無を言わさぬ勢いで宇宙へ飛び立っちゃうのです!!
画像

どうやらモジャラたちは、空夫を自分達の家で仲間に抜擢したようで。
ですが、いくらなんでも宇宙に家出というのは空夫にとって、いや地球人にとってはスケールが大きすぎます。
慌てて宿題をやってない、宿題がイヤだから逃げるというのは男らしくない、それに親が心配するから……と行く気がないことをアピールすると、モジャラたちはなんだかんだと言いながら地球へ戻してくれました。
もし気が変わったら来いよとお見送りをしながら……

宇宙へ家出なんて極端すぎる、と自宅に帰る空夫。
お母さんはまだ怒っているかな、とそろそろうちに帰るのですが、そういえば先ほどのタイム・ロックをかけたままでした。
カチャリとロックを解除すると……
始まるわ始まるわ、激しいお説教!!
その剣幕に空夫はすっかりまいり、すぐさま家出を決意!!
画像

モジャラたちの下へととんぼ返りするのです!!

というわけで、突然やってきた、種族を超えた似たもの同士で家出のたびに出発することになる本作。
様々な星を巡り、いろいろな人にであったり、酷い目に会ったり、大変な家出の旅路となるのです。
そのトラブルを彼らはへまをしたり喧嘩なんかをしながらも熱い友情や勇気で潜り抜けていく……
F先生お得意のギャグでありながら、しっかりと冒険物としても楽しめる内容となっているのです!!

地球人一人に宇宙生物一匹、そしてロボット一体と言う構成まで「21エモン」を踏襲している本作ですが、何より違うと言えるのが1エピソードが長めなことではないでしょうか。
「21エモン」では1つの星あたり1~2話で終わっていたのに対し、本作では長いもので6話も1エピソードで使用しています。
それだけに、「21エモン」では構成上やりにくかった、恐ろしかったり白熱したりのドラマ性の高いお話が楽しめるのです!

また今巻では、単行本のバージョンによって載っていなかったり、単行本収録字の編成や描き足しにより雑誌掲載しかされなかった幻のページ、更に89年に中央公論社さんから出版された愛蔵版バージョンの最終回と、それ以前のあっさりしたバージョンの最終回両方を収録!
更に更に、「たのしい幼稚園」誌にて連載されたバージョンもカラー再現で掲載されておりまして、まさに非の打ち所がない完全バージョンと言える収録内容なのです!!!

F先生が「21エモン」のリベンジをと燃えた、「藤子・F・不二雄大全集 モジャ公」は全国書店にて発売中です!
ですがこちらも敢え無く無念の終了となってしまった本作。
読んでみれば、何故これが早期修了したのだろうと不思議なくらいの面白さが待っていますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 モジャ公 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
小学館
2012-01-25
藤子・F・ 不二雄

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 藤子・F・不二雄大全集 モジャ公 (藤子・F・不二雄大全集 第3期) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル