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本日紹介いたしますのはこちら、「走馬灯株式会社」第6巻です。
双葉社さんのアクションコミックスより刊行、漫画アクションにて連載されています。

作者は菅原敬太先生。
本作は「走馬灯株式会社」のテーマにて紹介をまとめておりますので、ご一緒にご覧ください。

さて、来客にその人物の視点から見た人生が収録されたディスクを閲覧させてくれる不可思議な会社、走馬灯株式会社。
毎回様々な人物が現われ、救われる者や報いを受けるもの、タブーを犯して取り返しのつかない状況に陥るものなどさまざまな出来事が起こります。
この走馬灯株式会社、素性などは一切不明。
ですがこの会社に、探偵の澄川が遭遇したことから僅かながらその謎に触れはじめることになったのでした。

かつて澄川の助手であった羽宮。
何が起こったのか、彼女は突然走馬灯株式会社の新人社員となり、澄川と袂を別つことになってしまいます。
走馬灯株式会社の業務を1人でこなしていた謎の女性、神沼と二人業務に励む彼女を、澄川はあきらめきることが出来ず……
その手がかりを求めながら、今日も探偵業に励んでいたのです。

新たな助手、光明寺とともに調査をしていた澄川ですが、やはりまだコンビネーションがしっくりきません。
ターゲットに接触している澄川が送る……唇をなめた後の主語を抜いた言葉が、あかさたなの何行から始まるかによって次の光明寺の行動の指示をする、暗号。
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例えばカ行から始まれば「調査継続中」、ナ行なら「問題なし」、マ行なら「終了次第もどる」……のように。
その意思疎通がうまくいかず、調査は失敗寸前になってしまうのです。
さらにそのあと、名誉を挽回しようと単身ターゲットを尾行しようとする光明寺が、ターゲットじゃない人の尾行を始めてしまうのですから困ったものです。
やむなく調査を中断し、光明寺のフォローへと向かうのでした。

光明寺が勘違いして追いかけていた男性は、意外な人物でした。
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なんと澄川の中学校の時の先輩だったのです。
その先輩、風見も澄川のことを覚えており、流れでそのまま三人で近くの飲み屋で一杯やることになります。
怪我の功名といいますか、とにかく運命的な再会を果たした澄川と風見。
しかもこの風見、今は「ちゅらとザジ」と言う動物漫画で大ヒットを飛ばしている人気漫画家になっていたのです!

久々の再会と、思いもよらぬ人気漫画家との出会いを同時に体験し、盛り上がった飲み会。
すっかりお酒が入ったところで、その勢いも手伝って澄川は走馬灯株式会社のことを風見に話してみました。
もちろん都合よく風見が走馬灯株式会社を知っているわけはありません。
ですが、もし自分がその会社に行ったら必ず羽宮を取り戻してみせる!と力強く約束してくれたのでした。
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すっかり夜遅くまで飲んでしまった風見。
明日は浅いチで九州に飛んでのサイン会だと言うのにすっかり遅くなってしまい、風見の自宅で待っていた奥さんと編集さんは大慌てです。
とは言え後悔は先には立ちませんので、風見はすぐ寝て翌朝早々に支度して家を出ることに。
昨日の酒は効いていますが、サイン会も立派な仕事。
痛む頭を抑えながら、用意をはじめます。
飛行機の時間は迫っていますが、昨晩酔っぱらって戻してしまったため、カバンがぐっちょぐちょになっていました。
やむなく手近なカバンと、押入れをあさって適当に引っ張り出した女物の小物入れを筆箱代わりにして、慌しい出発をするのでした。
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会場で笑顔を振りまきながらテキトーにサインをしていく風見。
ファンには笑顔の対応ですが、もっと丁寧に描いた方がいいとアドバイスする編集をぞんざいにあつかっています。
さらにサイン会を終えた後は、予約した飲み屋はどこだとふんぞり返って編集を1人で探し回らせて……どうやらこの風見、ヒット作を飛ばして傲慢になってきている様子。
ようやく編集が店の場所を探り当てて風見の元に戻ると、今度はその店をキャンセルしろと言い出すのです!
また横暴かと思いきや、風見の顔色はただ事じゃありません。
ただならぬ風見の顔、その視線の先にあるのは……
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走馬灯株式会社!!
自分がその存在を知った途端に現れるとは挑発的じゃないか!
風見はにやりと笑い、編集を伴って中にはいっていくのです!!

走馬灯株式会社を待ち望んでいた川澄に電話はするものの、今から入る、羽宮のことは任せておけとだけ伝えて風見は携帯の電源を切ってしまいました。
川澄はすぐにでも吸収に飛ぼうとしますが、風見がいる場所を「九州」と言う漠然とした位置でしか知らず。
向こうからの連絡を来るのはひたすら待つしかないのです。

その風見はと言うと、早速神沼と羽宮に応対され、部屋に通されていました。
ですが風見、過去は振り返らない主義だから自分の映像は要らないとキッパリ断言。
そして二つの目的があると語りはじめたのです。
まず一つ目は、澄川から羽川を連れ戻して欲しいと言われていたこと。
そのことについては、澄川は「長い間お世話になりました、ご恩は忘れませんが、別世界の人間になったのです、戻ることはありません。」と冷静に語ったのです。
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そしてそのもう一つの目的とは……編集の過去の映像を見せてくれ、と言うものでした。
もちろんこの走馬灯株式会社にはどんな人間の映像もあるわけで、編集もその例から漏れません。
少年時代から映像を見始め、驚きと戸惑いとともにそのにわかには信じられない事実が、事実であることを確認すると……風見は言いはじめます。
お前、オレに土下座してでもわびなきゃいけないことがあるんじゃないか?
とぼける編集を思い切り投げ飛ばし、風見は問い詰めます。
お前は、妻と浮気しているんだろ?と!!
祥子を掴むまで泳がせていたんだ、と詰め寄ると、編集は豹変!
あやまるか馬鹿!といきなり侮蔑の言葉を投げかけ、5年前、風見が漫画をはじめて持ち込んだときの映像を再生し始めました!
そこから明らかになる、衝撃的な真実……!!
風見と妻、そしてこの編集を取り巻く意外すぎる真実とは?
そして今現在、何の気なしに風見が取った行動が巻き起こしてしまったとんでもない事態とは!?
さらに羽宮は本当に澄川と決別を決心したのか!?
次々に衝撃の真相が明かされることになるのです!!

と言うわけで、今回も走馬灯株式会社の内部に迫る事件が起こる今巻。
もちろん前巻から始まった、澄川と羽宮、走馬灯株式会社に迫るストーリーも気になるところです。
ですがそれ以外のいつもの話も十二分に興味深いお話が収録されています!!
数年前一世を風靡したものの、いまや落ち目もいいところのアイドルが驚愕の真実を知らされる話。
いじめられて自殺したはずの女子生徒が復讐を始めたと戦々恐々とするクラスの話。
そして、時を越えて現われた羽宮の叔母の話……
どれもが思いもよらぬどんでん返しが用意されている、最後の最後まで驚きを与えてくれるエピソードになっています!
今回の事件はバッドエンド揃いと言いますか、人間の恐ろしさを見せ付けてくれる話ばかり。
メインに絡む話ばかりに目を向けてはいられない、恐怖とサプライズで楽しませてくれるのです!!

走馬灯株式会社の謎に迫るストーリーも静かに進行する、「走馬灯株式会社」第6巻は全国書店にて発売中です!!
12年7月よりTVドラマ放映も決定している本作。
そちらともども盛り上がっていきそうですね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


走馬灯株式会社(6) (アクションコミックス)
双葉社
2012-07-12
菅原 敬太

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