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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん」第20巻です。
小学館さんより刊行されました。

本大全集の紹介は、「藤子・F・不二雄」のテーマにてまとめておりますのでご一緒にご覧くださいませ。

さて、3期100巻の刊行予定が無事終了した本大全集。
最後を飾る2冊のうち、その片方がこの「ドラえもん」最終巻にあたる第20巻です。
これで「ドラえもん」完全収録となる今巻に収録されているのは、「小学館BOOK」「小学生ブック」といった雑誌に掲載された作品や、「小学四年生」等に連載されていた「ドラとバケルともうひとつ」の「もうひとつ」の部分に当たる企画ページといった、なかなか珍しい作品群です。
その中で今回紹介したいのは、「ドラミちゃん」の名前で連載された作品の第1話、「じゅん番入れかわりそうち」です!

いつものようにドラえもんに助けを求めながら帰ってくるのび太。
するとそれを出迎えてくれたのは、ドラえもん似のリボンをつけたロボットでした。
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もちろん彼女は皆さんご存知のドラミちゃん。
ですがのび太はこれが彼女と初対面でして、のび太は呆気にとられてみているばかりです。
で、そのドラミちゃんはなぜか赤ちゃんをあやすような言葉遣いでのび太を慰めつつ、自分が面倒を見てあげる、と「なく子なぐさめ機」なる謎アイテムを出してくれました。
涙を拭いて、鼻をかませてくれるなぐさめ機ですが、なんだか調子が悪くていやがるのび太を強引になぐさめまくろうとしてきまして……
そんなやり取りをしていると、ドラえもんが登場します。
ドラミじゃないか、何しにきたんだと尋ねるドラえもんに、ドラミは兄さんの手伝いに来たと主張。
もちろんドラえもんからすると余計なお世話以外の何者でもありません。
兄さんより頼りになる、生意気言うな、と兄妹げんかを始める二人。
すっかりのび太が助けを求めていたことなんて忘れて!!

で、のび太の今回の悩みです。
なんでも今回は、ジャイスネに幼稚園児と競争しても負ける世界一のノロマだと馬鹿にされたんだとか。
そしてのび太もよせばいいのに、ホントはオリンピックに出られるくらい速いんだ!とウソをついてしまったのです。
ジャイスネもここぞとばかりにのび太をバカにせんとマラソン大会をやろうと言い出しまして。
そこで一等にならなければただじゃおかない!といわれちゃったんだそうです。

そこでまずドラえもんが出したアイテムは、「ねむらせまくら」。
それを投げると近くの人は吸い寄せられて寝てしまうと言うもので、「うさぎとかめ」を地で行く作戦を狙ったわけですが、残念ながらまくらを投げつけたのび太自身も寝てしまうためこのアイテムは使えないようです。
かわってドラミが出した「スピードぐつ」は、物凄く速く走れると言う単純ながら効果的なものでしたが、そのスピードが凄まじすぎてのび太では使いこなせませんでした。
ドラえもんとドラミちゃんは対抗意識を燃やして次なる道具を競うように出そうとしますが、これ以上はのび太の身が持ちそうにありません。
珍しくのび太は、「むだだろうけど。」と言いながらも、1人でマラソン練習を始めたのでした!!
あまりのシンドさにほとんど眼をつぶりながら走るのび太は、その道中でとある人物とすれ違ったことを知りませんでした。
その人物は、のび太と瓜二つにもほどがあるくらい瓜二つで……彼もまた何かに困っているようですが、一体?

その後、ドラえもんとドラミちゃんは「じゅんばんいれかわりそうち」と言うアイテムを使うことで意見を一致させたようです。
それは一見すると、単なる番号札と、昔の電話についていたダイヤル部分だけのものに見えます。
ですが、ダイヤルをつけた人がそのダイヤルを回すと、回された番号札の人と自分との位置を入れ替えることが出来るアイテムなのです!
これがあればどうあっても一着でゴールできることでしょう。
予想通りスタート早々にビリになるのび太ですが、ダイヤルを駆使して徐々に順位をあげていきます。
……が、持ち前の運の悪さを発揮して、石をぶつけられたり、どぶにはまってしまったりとタイミングが悪すぎまして……
へろへろになりながらもトップでゴール近くまでやってきたのび太。
ですがその時、見知らぬおばさんがずいぶん探したよ、と言いながらのび太をどこかに連れ去っていってしまうではないですか!!
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おまえの親だよと言いながらのび太を連れ去るおばさん……一体何者なんでしょうか!!
ですがそれよりも今はゴール目前でレースを中断させられてしまったことの方が重大です!!
すぐ後ろを走っていたスネ夫が、これで自分だトップだ!とほくそ笑んでいると……
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なんかさっき居なくなったはずののび太が、前を走っているではないですか!!
スネ夫に押し出される形で一等になったのび太。
ですがのび太はそのままどこかに走り去っていこうとするのです!
今度はそんなのび太を、本物(?)ののび太のママが迎えに来ました。
ところがそののび太、自分はのび太じゃない!!と言い張るのです。
すると目の前から、先ほどの知らないおばさんに連れ去られたのび太が現われて!?
なんとこのおばさんと、自称のび太じゃないのび太は、本物ののび太の遠い親戚なんだそうで。
のび太郎と言うらしいニセ(?)のび太と、彼の母親だった謎のおばさんは、この辺に最近引っ越してきました。
そのせいでのび太郎はこの辺をフラフラして自宅を探し回っていたんだそうです。
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謎も解けたことですし、のび太も周りからすればマラソンで一等になったわけで、めでたしめでたしといえましょう。
そしてドラミちゃんは、ドラえもんと二人でのび太の面倒を見る必要はないと判断したようで。
これからのび太郎の家に住んで面倒を見てあげることに決めた!と、宣言するのでした!!

と言うわけで、のび太郎宅で居候をして「ドラミちゃん」が始まる本作。
この「ドラミちゃん」、基本的に単行本収録はされていなかったのです、が……
のび太郎と言うのび太そっくりの人物をメインに立てたことにより、のび太郎のママをのび太のママに、ジャイアンポジションのキャラをジャイアンに描き変えるだけで、「ドラえもん」の1話として生まれ変わらせることに成功。
僅かな修正で、「ドラえもん」の単行本に収録されたのです!!
コミックスを買っていた方は、なぜかたまにスネ夫のかわりに「ズル木」と言うキャラがでてきていたことに違和感を感じていたのではないでしょうか?
それがこの「ドラミちゃん」の名残なのです!!

そのほか、しのだひでお先生画による夢のコラボ作「ドラQパーマン」や、
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ドラえもんの出来たときのお話ではなく、物語としてのドラえもんがいかにして生み出されたかと言う藤子先生の苦悩の日々が描かれた「ドラえもん誕生」
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などの、興味深い作品も収録!!
更に「ドラとバケルともうひとつ」内の企画として、「宇宙人レポート サンプルAとB」でも協力した小森麻美先生が作画した「リトベラのたて琴」といったこれまたレアにも程がある作品も掲載されていまして……
まさに見所満載と言うほか無い、大充実の内容になっているのです!!

これにて「ドラえもん」全作品収録となった「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん」最終第20巻は全国書店にて好評発売中です!!
「ドラミちゃん」と、それを元にした単行本収録バージョンを同時収録してあり、それを比較する楽しみなんかもありますよ!!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん 20 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
小学館
2012-09-25
藤子・F・ 不二雄

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